盲留学生

金治憲【著】

• 販売会社／発売会社: 毎日新聞社
• 発売年月日: 2008/10/30
• JAN: 9784620906843

商品レビュー

2013/05/03

韓国生まれのキム・チーフンさんは4歳の時に失明されるが、今から40年前に国境・制度・視覚障害の壁を乗り越え日本に来日、日本の盲学校にて鍼灸・あん摩師の資格を取得されます。

その後「自立を果たせたのは、数多くの人々の支えがあったからだ。自分の歩んだ道を、世界の視覚障害者に開くことで、その恩に報いたい」とアジア・アフリカを中心に各国の視覚障害者を日本に招き、日本の盲学校にて鍼灸・あん摩の資格を取得させ、帰国後、自立出来るよう支援する活動を開始されます。

しかし、一部のアジア地域を除き、鍼灸やあん摩に馴染みのない国では、帰国しても活動の基盤がありません。
そこでキムさん自身が現地に赴き、デモンストレーションと実技講習を行い、鍼灸・あん摩の啓蒙活動を行い、
さらに拠点となる治療院の開設まで尽力されます。

キムさんの活動は視覚障害者の自立支援だけに留まらず、鍼灸・あん摩の普及、文化交流の面でも大きな功績があるのではないでしょうか。

おそらく異国の地に日本語を話せ、日本に理解のある現地人がいるのは、その地でくらす日本人にも大きな心の支えになるものと思われます。

よくぞここまでと感動いたしました、
ほんと素晴らしい活動だと思います。

2008/12/18

ああもう全然知らなかったなあ。
色んなものが足りてない時代の人ってほんとにすごい。
と、足りる時代に足りた条件で生きている私は思ってしまうのだけれど、足りないものを求めてつきすすむのを支援する人たちは結構足りていたりもするのだから、私に足りないのは単にやる気だな。

日本の文化をすばらしいといって学びたがってくれる人がこんなにいるのに、手厚くないどころか受け入れにも難色を示すってのはもったいないことだ。鍼灸は日本が誇れるシステムなのに。

しかもこれ、昔は大変だったのねって話じゃないよな。未だに盲導犬が拒否される場所もいっぱいあるしな。