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中国の冬
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | サイマル出版会 |
発売年月日 | 1984/05/01 |
JAN | 9784377206333 |
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中国の冬
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商品レビュー
4.3
3件のお客様レビュー
読むのに時間がかかってしまったが、かなりの名著だった。 文革については数年に一度考える。 ワイルドスワンとともに文革を考えさせられる内容だった。 長沙も湖南師範大学もいったことがあったので、なおさら。 愛晩亭では、犬とおじさんが戯れていたのを覚えている。
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原題は”Son of the Revolution”。文化大革命が何故、どのように起こったかというよりも、文化大革命が社会に何を起こしたか、が分かる。全体主義の暗黒。 ・こうしたことは、私を幼い子供にしては異常なほどに、考え深くした。私は生活とは何なのかを考えた。毛主席は言って...
原題は”Son of the Revolution”。文化大革命が何故、どのように起こったかというよりも、文化大革命が社会に何を起こしたか、が分かる。全体主義の暗黒。 ・こうしたことは、私を幼い子供にしては異常なほどに、考え深くした。私は生活とは何なのかを考えた。毛主席は言っている、人にはだれでも階級的立場というものがあり、人間関係は相互に超えることのできない階級関係であると。共産党によって割り当てられた生活以外に個人的生活の余地はなく、党にとっての価値が個人の生活を律しなければならず、もしそうなれば、晏おじさんや母のように懲罰を受ける。 党はこの世界で誰よりも深く私たちを愛した女性から、私たちを切り離した。それは理解のゆかないことであったが、現実のことであった。 ・そのとき、私は父が用心深すぎると思ったが、結果的には、父の政治的経験が私たちを災難から救ったのだった。階下の隣人はその写真(毛沢東と劉少奇が並んで写っている)から劉少奇を切り取ったために、毛主席の写真を故意に傷つけたと非難された。このようなことが、非常にしばしば起きたために、最後にはひとつのルールができて、毛主席の古い写真を新しいのに取り替えたいときは、所属単位の指導者に申し出て、その許可を得なければならないことになった。 ・毛主席に触れることのできた人間たちが、今や熱狂の対象であった。誰もが手を伸ばして、聖なる感触を自分の手にも移し取ろうと、彼らのまわりに波のように押し寄せた。もしそこにも近づけなかったなら、われわれの偉大な救いの星と握手した人と握手した人の手を握るのだ。 ・そしてこれが”学生”それぞれの月ごとの成績表で、星や旗は横にずらりと並んだ次のような各科目に対応していた。”五時、忠誠の誓い””早朝軍事教練””個人的衛生””個人的態度””新聞および資料の集団学習””思想改造のための肉体労働””批判会議における発言””自己批判””忠誠を示すための活動””『毛主席語録』および選集の暗誦””食堂に入る際の革命歌の歌唱””一日の行動についての毛主席への夜の口頭報告”などなどである。 どの欄も旗(良)か星(優)で埋まっていて、誰もが真剣にやっていることを示していた。 ・高級幹部の子供達は復習を計画していた。彼らは権力というものに慣れていたし、文化大革命以前と同じように傲慢だったから、絶えず口にすることといえば、彼らの両唇について大字報(個人の共産党への忠誠心のなさを批判する壁新聞)を書き、公の場で殴った連中を、どうやって罰するかということだった。彼らはそういう人間たちの氏名を書きとめて、再び権力を手にする日のことを確信して待っていた。彼らが平然とそう信じていることに、私はまったくなじめなかった。 ・祖母が声をかけた。「見てごらんよ、誰だと思う」 母が立ち上がった。暗いなかで大きく見えた。母は私とわかると、近寄りもせず、立ちつくしたまま泣き出した。 …いよいよ帰ることになったとき、母と祖母はどうしてもといって新聞社の裏門まで送ってきた。 私がなかへ入ったとき、彼女たちは路地の入口にじっと立っていた。ちょうどひとつは骨ばって賢い、もうひとつは肉付きのよい落ち着いた、ふたつの仏像のように見えた。
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・凄く面白かった。もうひとつのワイルド・スワン。 ・つってもワイルド・スワンよりも前に書かれてる点に注目したい。両方読んで文革の空気が良くわかる。 ・しかし何だかんだ言って梁恒はユン・チアンよりもさらに幸運なんじゃないのかと思う。あのころの中国で外国人と結婚するなんて! ・文革の...
・凄く面白かった。もうひとつのワイルド・スワン。 ・つってもワイルド・スワンよりも前に書かれてる点に注目したい。両方読んで文革の空気が良くわかる。 ・しかし何だかんだ言って梁恒はユン・チアンよりもさらに幸運なんじゃないのかと思う。あのころの中国で外国人と結婚するなんて! ・文革のひどいところは沢山描写されているけど、それを毛沢東の所為だと罵ったりする部分は無い。父親が党をチラっと批判するシーンはあるけど、著者がそう口にする事はない。これってかなり興味深くて、文革を体験して、さらにその後世界に出て通常の中国人より見聞を広めたであろう著者でも、やっぱまだ「毛主席の良い子供」なのかなと。その呪縛はすさまじいのかなと。 ・もちろん、危なくて批判的な事は書けなかったのかもしれないけど。この著者夫婦今どうしてるのかなー。これが出た84年て毛沢東が死んですぐ、10年以内ですよ。
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