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ボルヘスパラケルススの薔薇 バベルの図書館22
定価 ¥1,980
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 国書刊行会 |
発売年月日 | 1990/08/01 |
JAN | 9784336030429 |
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ボルヘスパラケルススの薔薇
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ボルヘスパラケルススの薔薇
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商品レビュー
4.3
8件のお客様レビュー
調べ物をしていて、ふと、この本にボルヘスの未読の小説が 収録されていることを思い出したので 古書を購入(良心的価格でした、ありがたや……)。 ボルヘス自身の編纂による 『バベルの図書館』叢書22.「パラケルススの薔薇」。 先日読了したアンソロジー『ダブル/ダブル』に 「権利の問題...
調べ物をしていて、ふと、この本にボルヘスの未読の小説が 収録されていることを思い出したので 古書を購入(良心的価格でした、ありがたや……)。 ボルヘス自身の編纂による 『バベルの図書館』叢書22.「パラケルススの薔薇」。 先日読了したアンソロジー『ダブル/ダブル』に 「権利の問題で採録できなかった」という 「August 25」(1983年)は、 こちらに入っていた(更にありがたや……)。 ---------- ■一九八三年八月二十五日 深夜、宿泊するホテルに帰ったボルヘスは フロントで記帳を求められ、 首を傾げつつページに目を落とすと、 真新しいインクの跡が自らの名を綴っていた。 部屋は19号室。 宿の主は、よく似た別の客が既にいるが、 あなたの方が若いようだと告げる……。 語り手ボルヘス(1899/08/24-1986/06/14)が 「きのうで六十一になった」(p.17)と述べているので、 彼にとっての日付は1960年8月25日のはずだが、 年老いた分身は 「君はきのうで、八十四になったことになる」(同) と応じる、23歳上の先輩(笑)なのだった。 忘れっぽいドゥルイ氏が 繰り返しフロントで自身の部屋番号を訊ねるという、 ブルトン『ナジャ』(1928年) 終盤の挿話(白水uブックス,p.156-157)を想起。 種村季弘曰く(『吸血鬼幻想』p.190) > たえず自分の住むべき部屋の番号を忘れ、 > 同一性から排除されるドゥルイ氏は、 > 同一性の追求に急なあまり窓から転落し、 > 血まみれの「人間とは思えない」ような > (つまり吸血鬼そっくりの)姿で立ち戻ってくる。 そう言えば、1960年の後輩ボルヘスも 1983年の先輩ボルヘスも、 二人ながら幽霊めいていないだろうか? ついでにもう一つ、部屋の番号から、 幸福で、何もかも上手く回り過ぎているため、 却って人生の主役である自分が その場に不要であるかのように錯覚し、 異様な行動を取る主婦の物語、 ドリス・レッシングの「十九号室へ」(1963年)を 思い出したが、これは無関係か? ---------- ■パラケルススの薔薇 錬金術士パラケルススこと テオフラストゥス・フォン・ホーエンハイム(1493-1541) の許に弟子入り志願者がやって来たが……。 薔薇は灰になり、灰から蘇る。 ---------- ■青い虎 1904年末にガンジス川のデルタ地帯で 青い虎が発見されたとのニュースを読んだ「私」は、 更に、そこから離れた村にも 青い虎の噂があると聞いて旅立ち、 山に入って無数の小石を発見した。 石は分裂し、増えたり減ったり。 村人はそれを「子を産む石」と捉えて、 無限に増殖する可能性を恐れていた……。 この世の理が通用しない、言わば彼岸に存在する物質が 我々の世界に顔を覗かせる恐怖は、 「トレーン、ウクバール、オルビス・テルティウス」と 共通するか。 ---------- ■疲れた男のユートピア(再読) 『砂の本』で読んだはずだが、記憶になかった、 何故だ(笑)。 未来へタイムスリップした エウドロ・アセベド(70歳)は 名前を持たない男と書物を巡る対話を交わす。 言語は引用のシステムであり、我々には最早、 引用しか残されていないのだった。 そう言えば岡崎京子も 『ジオラマボーイ★パノラマガール』あとがきで、 > 今やわたくし達のつたない青春はすっかり > TVのブラウン管や雑誌のグラビアに吸収され、 > つまらない再放送をくりかえしています。 > そしてわたくし達の出来ることときたら > その再放送の再現かまねっこ程度のことです。 と書いていたっけな。 ブラウン管とは懐かしい(笑)。 ---------- ■等身大のボルヘス 1973年4月に ブエノスアイレスの国会図書館で行われた 作家マリア・エステル・バスケスによる ボルヘスへのインタビュー音源からの書き起こし。 成育歴と作家としての信条について。 ---------- ■年譜・書誌
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「疲れた男のユートピア」がよかった。たとえそんな世界はどこにもないとしても。 カントール、ラッセルの数学に興味があったようだ。 度を超した虚栄心...巧妙に隠しているだけ。そんな素直さがいい。
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