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遺産相続ゲーム 地獄の喜劇 岩波現代文庫 文芸139
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遺産相続ゲーム 地獄の喜劇 岩波現代文庫 文芸139

ミヒャエルエンデ【著】, 丘沢静也【訳】

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遺産相続ゲーム 地獄の喜劇 岩波現代文庫 文芸139

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 岩波書店
発売年月日 2008/10/16
JAN 9784006021399

遺産相続ゲーム

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商品レビュー

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2024/03/05

謎の富豪ヨハネス・フィラデルフィアの遺産相続人に指定され、11人の男女が宮殿に集められた。彼らはお互いに面識がなく、誰一人故人のことを知らない。公証人が現れ、遺言が明らかになるが、遺言状は11人に等しく分割されて渡された。どの部分も他の部分と同じだけ重要であり、どれか一つ欠けても...

謎の富豪ヨハネス・フィラデルフィアの遺産相続人に指定され、11人の男女が宮殿に集められた。彼らはお互いに面識がなく、誰一人故人のことを知らない。公証人が現れ、遺言が明らかになるが、遺言状は11人に等しく分割されて渡された。どの部分も他の部分と同じだけ重要であり、どれか一つ欠けても全体を理解することはできないという。 単純に考えれば、全員が「せーの」で自分の分を差し出すだけで、遺言状の内容はすべて明らかになり、全員が相続にありつける。だが、劇中ではよくある推理小説と同じようなことが起こる。つまり、ある者は他の人を騙して遺産を横取りしようと企み、またある者は自分が騙されるのではないかと疑心暗鬼になる。結果として舞台は殺し合いの様相を呈してくる。 いま世界には、全地球の住人が生きていくのに十分な富と食料がある。したがって、もし人類が互いに助け合うならば、貧困も飢餓も間違いなく解決することができる。じつにシンプルな結論で、疑いなく実行可能である。だが、現実には貧困も飢餓もずっとなくならない。 この作品は、こうした現実をわれわれに突きつける鏡にほかならない。だが、エンデの目的は人々を糾弾することではなかった。この劇を通してわれわれの目を覚まさせ、劇とは異なる結末に導こうとしている。この岩波現代文庫版には同時代ライブラリー版にはなかったもうひとつのエピローグが収録されており、それを読むことでエンデの意図はいっそうはっきりしてくるように思われる。

Posted by ブクログ

2018/08/13

謎めいた館に集められた10人の遺産相続人。10の紙片に分けられた遺言状を手にした彼らは、それらを協力し繋ぎ合わせ「大いなる遺産」を手に入れることはできるか。 エンデの代表作に挙がる『モモ』や『はてしない物語』の印象を残しながらこの本を手に取ったところ痛い目にあいました。 育った...

謎めいた館に集められた10人の遺産相続人。10の紙片に分けられた遺言状を手にした彼らは、それらを協力し繋ぎ合わせ「大いなる遺産」を手に入れることはできるか。 エンデの代表作に挙がる『モモ』や『はてしない物語』の印象を残しながらこの本を手に取ったところ痛い目にあいました。 育った環境・思想・立場が異なる10人は次第にエゴがぶつかり合い、互いを疑り、恐怖に怯え、やがて想像しえない結末へと突き進んでいきます。人間のシニカルさが全面に出たこの作品に嫌悪を感じる読者も多いようですが、『モモ』や『はてしない物語』よりずっと前にエンデがこの作品を生み出したと思うと色々と考えるものがあります。 登場人物たちの黒々とした内面が存分に引き出され、彼らにも読者にも容赦のない結末は、個人的に一周回って笑ってしまう愉快さがありました。副題の「地獄の喜劇」は言い得て妙だと思います。

Posted by ブクログ

2013/01/06
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

戯曲だからかさくさく読める。 各キャラクターがいっそ潔いほど典型的。傲慢強欲な保険会社社長だったり、悪知恵働く嘘つきだけれど愚直さには弱い娘だったり、夫に従順で娘を自分の価値観で縛り付ける母/妻であったり。生真面目な女教師は一度自身の価値を認められると、途端に自尊心の高さを露呈して冷静な判断ができなくなる。盲目のアンナは弱い人の心を掴み操るのがうまい。将軍はやはり猪突猛進で、前科者さんが社長と教師の自尊心を突いて彼らをだまくらかす様などは胸がすく。 反面教師がよりどりみどりという点で、とても良い作品だと思う。 アレクサンドラの電波とゼバスティアンの愚直さ、召使いのアントーンの爺加減は中々よい。 付録の「演出上の注意点」「作者ノート」まででひとつの作品。ここまで読まないと中途半端な気分で終わる。

Posted by ブクログ

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