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ツィス 集英社文庫
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 集英社 |
発売年月日 | 1996/05/01 |
JAN | 9784087504996 |
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ツィス
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商品レビュー
3.7
3件のお客様レビュー
広瀬正の長篇SF小説『ツィス(広瀬正小説全集2)』を読みました。 広瀬正の作品は初めて読みました。 -----story------------- 謎の騒音公害事件が首都圏をパニックに… 突然、謎のツィス音=二点嬰ハ音が神奈川県で発生した。 やがてそのツィス音は拡大し、首都圏を...
広瀬正の長篇SF小説『ツィス(広瀬正小説全集2)』を読みました。 広瀬正の作品は初めて読みました。 -----story------------- 謎の騒音公害事件が首都圏をパニックに… 突然、謎のツィス音=二点嬰ハ音が神奈川県で発生した。 やがてそのツィス音は拡大し、首都圏を襲う。 未曾有のノイズ災害に襲われた人々の選択とは? パニック小説の傑作。 (解説/司馬遼太郎) ----------------------- 1971年(昭和46年)に刊行された作品で、直木賞に推されたが落選、司馬遼太郎のみが激賞したが、他の委員がすべて反対して受賞にいたらなかった……という興味深いエピソードを持っている作品です。 ■イントロダクション ■レベル1 ■レベル2 ■レベル3 ■レベル4 ■レベル5 ■レベル6 ■レベル0 ■エンディング ■解説 ふしぎな世界を構築した天才 司馬遼太郎 東京近郊の海辺の町で密かにささやかれはじめた奇妙な噂……謎のツィス音=二点嬰ハ音が絶え間なく、至るところで聴こえるというのだ、、、 はじめは耳鳴りと思われたこの不快な音はやがて強さを増し、遂に首都圏に波及して、前代未聞の大公害事件に発展していく……耳障りな音が次第に破壊していく平穏な日常、その時、人びとが選んだ道は? そして「ツィス」の正体は? 息もつかせぬパニック小説の傑作。 謎のツィス音騒動が首都圏に波及……首都圏全域の住民に避難指示が出るまでに事態は発展、、、 日本各地に住民の避難が完了した首都圏には、警察・消防・各官庁の代表からなる約2,000名の留守部隊が残ることに……しかし、その中には未だにツィス音が聴こえない人々も……。 ツィス音騒動とは何だったのか……パニックに陥りそうな状況での専門家や公的機関からの発表が住民に与える影響や、そんな状況下での集団心理、、、 そして、聴覚に与える外部からのほんの小さな変化を、持続的そしてひろく社会一般に加えると人間はどうなるのか? 耳鳴りかも……という状態から、普遍的に微量な音により聴覚が犯されると知ったとき、緩慢な形でパニックが起きる というじわりじわりと忍び寄る恐怖が巧く描けていた作品だと感じました。 賛否が分かれるところでしょうけど……個人的には好きですねー 読み終えてみると、SFというよりもミステリの要素の方が強いのかも と感じましたね、、、 将来起き得る、何かを暗喩しているような、そんな印象も残す佳作でした。 以下、主な登場人物です。 榊英秀 後半は榊の視点でストーリーが語られる。後天的に聴覚を失ったイラストレーター。 避難指示の出た首都圏の様子をイラスト化するという目的で留守舞台として首都圏に残る。 ダイアン稲田 ハーフのファッションモデル。榊の同棲相手でもある。榊と共に留守部隊として首都圏に残る。 日比野教授 音響学の権威。前半のストーリーの中心人物。 ツィス音の測定装置を作り、ツィス音が次第に大きくなって行く危険性を訴える。 秋葉憲一 精神疾患専門医。ストーリーの序盤と終盤に登場する。
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神奈川で変な音が聞こえる…一人の女性の発言からどんどん広がりとうとう首都圏はパニックに。 二点嬰ハ音=ツィス ツィス音と名づけられたその音はどこにいてもどんな状態でも聞こえてくるらしい。 集団催眠みたいなものかな?真相はわからず…。 https://ameblo.jp/harayou1223/entry-11365017828.html
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たぶん、高校生の頃だった。広瀬正という作家のSF小説が立て続けに文庫で販売され、面白さにはまって、一気に読んだ。そのころは、当時SFというと鉄板の星新一から始まって、小松左京、筒井康隆、らを次から次へ、読みまくっていた。もうほとんど記憶も残っていないが、田舎の高校生が、いつもの本...
たぶん、高校生の頃だった。広瀬正という作家のSF小説が立て続けに文庫で販売され、面白さにはまって、一気に読んだ。そのころは、当時SFというと鉄板の星新一から始まって、小松左京、筒井康隆、らを次から次へ、読みまくっていた。もうほとんど記憶も残っていないが、田舎の高校生が、いつもの本屋でまた次に面白い本はないかと思っていた時、確か、その文庫本のちょっとオシャレな装丁に惹かれて、手に取ったのではないかと思う。 一番最初に読んだのは、マイナス・ゼロ、だったかな。さっき言った三人とは一味違う、独特の広瀬SFの世界。硬質な感じの文体、一つ一つブロックを積み重ねて行くような展開。抑揚を抑えた、丁寧な表現。理系的、と言えばいいのか。それでかつ、文句なく面白く、読者をがっちりつかんで離さない、一度読み始めたら、止まらないストーリー構成。 続けて、発刊されたエロス、鏡の国のアリス、T型フォード殺人事件、タイムマシンのつくり方、すべて読んだ。 今回、ふと図書館で懐かしい装丁を見つけ、その時は借りずに、ちょうど実家に帰ったので当時買ってそのまま取ってあった文庫本を読み返すことにした。日に焼けて、紙は黄ばみ、活字も小さくて老眼にはなかなか読みづらかったが。 ちなみに、当時はなんというか、さすがおおらかというか、今はいわゆる放送禁止用語(と思うが、調べたわけではない)がしょっちゅう出てくる。つ○ぼ、とか、き○がい、とか、あい○こ、とか。時代だな。 それはともかく。今回読み返してみたが、正直、最後のどんでん返しはちょっと、うーん、そう来たかと、ややもの足りない気がしないでもなかった。が、それも時代かな。SFのトリック、ネタは、当時は斬新でも、その後数多のSF小説が書かれ、それらを読んで、こちら側が「擦れて」しまって、もはや新鮮な感動を味わえないだけなのかもしれない。しかし、途中までは間違いなく面白かった。あと、30年も前の社会風俗の描写が古いと思うのはもちろんしょうがない、が、しかし、それでもその古さに違和感をあまり感じないのは、小説としてのレベルが高いからではないか、と思う。 さすがに全く内容は覚えていなかったので、初めて読むように楽しめた。時代の違いがやや評価を下げる部分はやむなしとして、それでもSFとしては上質な作品だと思う。
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