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孤将 新潮文庫
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孤将 新潮文庫

金薫【著】, 蓮池薫【訳】

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孤将 新潮文庫

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 新潮社
発売年月日 2008/09/29
JAN 9784102169711

孤将

¥220

商品レビュー

3.3

7件のお客様レビュー

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2015/10/17

 あの帰国拉致被害者の一人、蓮池薫氏がその朝鮮語力を活かして翻訳者として活躍していると聞き、とりあえずどれか読んでみようと思い、手にしたのがこの一冊だった。秀吉による朝鮮出兵の時に、朝鮮側で孤軍奮闘したのがこの李舜臣(イ・スンシン)だったと言われている。  そういう動機から手に...

 あの帰国拉致被害者の一人、蓮池薫氏がその朝鮮語力を活かして翻訳者として活躍していると聞き、とりあえずどれか読んでみようと思い、手にしたのがこの一冊だった。秀吉による朝鮮出兵の時に、朝鮮側で孤軍奮闘したのがこの李舜臣(イ・スンシン)だったと言われている。  そういう動機から手にした本書だったが、読み出したら韓国でベストセラーになっただけあってなかなか面白かった。李舜臣の一人称で語られていく。短い文章で歯切れがよい。蓮池さんの翻訳も良かったのかもしれない。昨今のような反日的な描写は無く、李舜臣の周りは秀吉軍のみならず、明の援軍や朝鮮の朝廷までもが実質的には敵だった。これが史実なら、ほとんど孤立無援の中で戦ったのは、英雄として祭り上げられているのも頷ける。  ただ殺戮のシーンが多過ぎる。韓国の朝鮮時代劇を見ていると、戦闘シーンは別にしても、拷問や処刑などで官僚や一般市民などを平気で殺す。やはりこの物語でも淡々と殺戮シーンが語られている。社会制度の違いと言えばそれまでだが、あまりに簡単に人を殺す人たちに辟易する。それでも当時の朝鮮では普通のことだのかもしれない。  訳者の蓮池さんも「あとがき」の中で 「なお、原書の日本に関する記述については史実と異なる点もあるが、韓国ではそう認識されているということから、原文どおり翻訳した」 と書いている。彼もそういうことを気にしながら翻訳していたと思うと、翻訳という作業もなかなか葛藤のある仕事なのかもしれない。著者の金薫自身も小説として読んで欲しいと書いている。

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2013/08/03

豊臣秀吉による朝鮮の役にて、国を救った韓国の英雄イスンシンを取り上げた作品。作者は韓国のジャーナリスト金薫。訳者は蓮池薫。この作品の特徴は、孤独な戦いつまり、眼前の日本の武士だけではなく無能な同僚、気紛れな朝鮮王と傲慢で全く頼りにならない応援の明軍を相手に八方塞がりの状況を主人公...

豊臣秀吉による朝鮮の役にて、国を救った韓国の英雄イスンシンを取り上げた作品。作者は韓国のジャーナリスト金薫。訳者は蓮池薫。この作品の特徴は、孤独な戦いつまり、眼前の日本の武士だけではなく無能な同僚、気紛れな朝鮮王と傲慢で全く頼りにならない応援の明軍を相手に八方塞がりの状況を主人公一人称一視点にて心の叫びとして描く。つまり内面を徹底して描く事で史実の重みを読者に伝えている。韓国でベストセラーになったのも頷けます。朝鮮の歴史をもう少し勉強してみるかな~。

Posted by ブクログ

2013/03/31

読んだきっかけ:100円コーナーをぶらぶらしながら、ジャケットとタイトルで手に取り、そして韓国人が書いた李舜臣の物語、というのが決めて。 かかった時間:6/23-7/5(13日くらい) 内容:韓国側(李舜臣)から見た文禄・慶長の役。とはいえ、私は日本側からみた文禄・慶長の...

読んだきっかけ:100円コーナーをぶらぶらしながら、ジャケットとタイトルで手に取り、そして韓国人が書いた李舜臣の物語、というのが決めて。 かかった時間:6/23-7/5(13日くらい) 内容:韓国側(李舜臣)から見た文禄・慶長の役。とはいえ、私は日本側からみた文禄・慶長の役も良く知らないのですけど。 さて……全体的に、今ひとつでした。 この小説の満足度が低い理由は、 ●李舜臣の1人称で描かれている。 →通常は、1人称小説でも、ときどき第三の視点からその当時の歴史を語ったりするような気がしますが、この小説ではそれがほとんどないので、李舜臣が知りえないことが、ほぼ描かれない。 →だから、歴史の全体像どうもよく分からない。(特に朝鮮側の事情。もちろん、日本側の事情もほとんど描かれないけど、そっちはまあ、僅かな知識があるのでカバー) ●李舜臣の1人称がかなり抽象的で詩的。海を見ては感じ、風をあびては何かを感じる。 →海外の難しい文学小説を読んでいるような感じ。せっかく歴史小説なのだから、もう少し読みやすい方がよかったなぁ~。 ●タイトル「孤将」のとおり、李舜臣はあまりに孤独である。メインのライバルである、豊臣秀吉軍に加え、彼を追い落とそうとする官僚たち、官僚の讒言を間に受けて彼を罰そうとする朝鮮王、そして甘い言葉で味方面をしながら近づく明国軍。彼は誰も信用していない。ただ、戦で死ぬことだけを願っている。 →とにもかくにも、暗いです。いくつかの海戦で大きな勝利を得るが、彼の周囲の人間(参謀クラス)以外、誰も彼をたたえない。むしろ、一人手柄をたてる彼は、同国人からは憎まれさえする。 →朝鮮人たちはすぐに泣きます。百姓はいつもわんわんないているし、朝鮮王は秀吉軍が来たといって泣き、味方が裏切ったといって泣き、側近が死んだといっては泣きます。かくいう李舜臣も、朝鮮王の哀れさに泣き、百姓の惨めさに泣き、息子の死に泣き、自らの境遇に泣きます。秀吉軍だって泣きます。李舜臣の軍隊に追い詰められて、何十人も猿の様に身を寄せ合って泣きます。もう痛哭するしかないです。 まあ、ちょっと変則的な歴史モノが読みたいときには、ありっちゃーありかも。

Posted by ブクログ