さらば「松下」！誕生「パナソニック」 松下幸之助の夢 松下電器・ナショナルをひと呑みに、世界へ躍り出すパナソニック大坪改革

竹内一正, ケニータケダ【著】

• 販売会社／発売会社: ぱる出版
• 発売年月日: 2008/09/24
• JAN: 9784827204377

商品レビュー

2014/09/07

パナソニックの最近までの凋落はブランド名を変えただけでは、どうにもならないものでした。韓国メーカーの飛躍については直接的な技術貸与だけではなく、早期退職された多数の技術者が貢献されている事も忘れてはいけません。

2009/10/14

開始：20081005、完了：20081006

松下の中村改革からそれぞれの商品の技術的話題まで包含した内容。以下、気になった言葉。2000年にはじまった中村改革は売上が増えなくても利益を出す、筋肉質の体質つくりであった。ノスタルジーに浸るより、パナソニックに全員の思いを結集する。松下の系列販売店1万8000店の看板の変更。松下電工の販売店は約２０万店。社名変更はサラリーマン生活でそうは味わえない。大坪デジカメやれと言われた。大坪のテーマは一貫性のないもの。自動倉庫の検討もやった。松下では重要な部品は外から買って最終組み立てしかやっていなかった。このスタンスを改め、基幹部品を社内で作り、金型も内部で設計するそうすることでコスト力と生産性を高めて東南アジアの価格に対抗しようとした録音機事業のプロジェクト。クビは切れないが仕事もない状態。大阪工場には余剰人員があふれた。ビデオ事業部に頼んで仕事をもらってくる。中村さんから大坪さん「会社を買えてくれ、俺と同じことはしないでくれ」。GP３．プログレス、プロフィット、パナソニック。４つの戦略事業、海外二桁増販。イタコナボード。テレビは家電の王様は揺るがない。海外、BRICS+ベトナム。白物家電のグローバル化。プラズマと液晶。ビエラリンク。白物は省エネがずばぬけている。海外に打って出るのに絶好のタイミング。中国生活研究センター。除菌機能付きななめドラム。中国は下着は手洗いする。汚れた外着と清潔な下着はいっしょに洗わない。美泡湯、開発したのは松江松下電器。「酸素富化膜」。厚さ100ナノメートルの超薄膜。通常の酸素を通すだけで酸素濃度を上げる。1981年、燃料の効率アップを目的。1987年、酸素富化膜を歓声さｓる本来は燃焼効率をよくする省エネのために開発したものだがこの時期になると世の中は省エネなど忘れバブル景気によっていた。どこか使い道はないかと開発エンジニアたちは不慣れな営業にまわった。何かを燃やしているところなら酸素富化膜、の使い道があるのではないか。町を歩いて煙が出ている煙突をみつけては飛び込み営業を結構して商品化できるチャンスを探しつづけた。1993年、プロジェクトは中止。その後8年、ときを待つ。2003年、エアコンへの応用が決定した。30%濃度の酸素を供給する健康機器として「酸素エアチャージャー」が商品化され、そしてお風呂の「美泡湯」へと「酸素富化膜」活躍の舞台があけていった。ここに至るまでに開発開始から約20年のときがたっていた。この間のエンジニアたちは何度も諦めかけては踏ん張って戦ってきた。松下幸之助氏は松下政経塾の面接で「あなたは運が良いと思いますか？」とよくたずねた。丹羽正治は28歳の若さで松下電器の常務となる。ナショナル電工チェーン制度をつくり、電気配線などに携わる電気工事店をチェーン店化して販売網の強化を図っていく。丹羽が電工社長であったころ「電工の経営は松下電器以上に優れている」、「幸之助さんの経営理念が生きているのは松下電器より電工だ」といった風評が世の中をにぎわせることが少なくなかった。01年、中村改革は15000人もの大量早期希望退職を実施したが、電工は一度も大量な希望退職といったことをしないで今日に至った。51%の株で「パナソニックデンコウ株式会社」という今日の状況は将来に次のステップがあることを予見させる。いずれは100%の完全子会社化にして「パナソニック株式会社」へと考えるのが世の多くだろう。電工の畑中社長は「小さな島の『賢い』ガリバー」になれと激をとばす。約500億円で買収したアンカー社はインド最大の電材メーカーでコンセントやブレーカーなど配線器具ならびに照明器具の製造から販売までを手がけている。電工の課題は住建事業の再建だ。市場は停滞し減速気味だが、省エネ対応や耐震性など良質な住宅ニーズの高まりもある。松下グループの強みを生かしてオール電化の推進やリフォーム事業を拡大する。全自動おそうじトイレ。

2009/04/16

就職関係でパナソニックに興味があったから適当に選んだ本なんですが予想外に面白い内容でした。
私はモノづくりはもちろん、経済の知識も全くと言っていいほどないのですが（苦）、
松下幸之助はじめ、歴代松下の社長が、会社をここまで成長させるためにどんな努力をしてきたのか、ほんのほんの一部ですが垣間見ることができました。

同じ家電製造でも、日本でどれだけ良い製品と思われていても、国が違えばその国にあった形・機能を提供していかなければ市場では生き残れない。
常に成長を続けていかなければならない経営者。平凡な社員から非凡を引き出す才能。
リスクテイクを恐れず挑戦するということ。
時代が何を求めているのかに敏感であること。

ＣＭでさらっと流れている、「省エネ大賞受賞」のセリフ。このためにどれだけの開発者の汗が流れているのかということを初めて知りました。
パナソニックに統一して、これからの成長戦略なども書いてあったのですが、そこら辺はざっくり読んでしまった＆全くの専門外・興味の範囲外でしたが、この突然の不況の中で計画も変更せざるを得なくなっている部分もあるはず。どうやって乗り越えるんだろう、とちょっとわくわくｗｗ
経済の勉強がしたくなりました！！