田釐子・成子

塚本靑史(著者)

• 販売会社／発売会社: 角川春樹事務所
• 発売年月日: 2000/12/28
• JAN: 9784894569140

商品レビュー

2016/03/08

中国春秋末期，斉の田乞，常親子が緊迫する周辺諸国の情勢を利用しつつ陰謀をめぐらし斉候を殺し政権をつかむ．孔子などいろいろな国の登場人物が多く登場し混乱する．暗殺にコブラを使うのが特徴．

2013/11/06

塚本先生は、題材はイイんだけどな～。
つい、「オッ！」と思って手に取って読んでしまった（笑）
英雄達が織り成す壮大な物語を求めている方には、
全くオススメしません。
この小説は英雄なんていったって、ただの人間だということを
改めて教えてくれる…そんな作品です。

発想は面白いと思うのですが、時代や国も違う、ただの人についての小説を長々と読みたいかは、好みの分かれる所です。

そして題材はともかく、この構成・文章力でプロの作家と呼んでいいのか非常に悩ましいところでもあります（笑）

塚本先生の真の偉大さは、数多のベストセラー作家と呼ばれる方々の、読ませる力の凄さ・才能・努力といったモノを、塚本作品を読むだけで改めて気づかせてくれることです。

他の追随を許さないその作風や、題材などモノともしない？オリジナリティーは、日本の歴史小説界ではもはや孤高の存在です。

…塚本先生マニアにだけオススメします（笑）

2011/03/15

「でんきし・せいし」と読む～春秋時代末期の斉で田氏は大夫であり，領内の耕地経営で田乞は優れており，蓄えた穀物を領民に大きな升で貸し与え小さな升で返済にあたっている。当然，領内民の人気取りであるが，魯で用いられた孔丘の弟子が斉にも入り込み斉の卿である国夏と交渉を持っているらしい。孔子対抗する猛虎も暗躍している。魯の三桓氏も晋の六卿も暗躍しているが，田乞は晋の中行氏や范氏に恩を売る。６０年位にある侯が死に田乞が擁立した姜陽生が即位するが，父とその兄がキングコブラの毒牙に掛かった後，仮宰相となった田常につれなくし，呉と越を操っている伍子胥と孔子門下の子貢が暗躍して呉と魯が連合し，斉を攻め立てておいて晋を攻める。田常は侯の廃位と新侯擁立を画策し，邪魔な身内も始末し始める～複雑すぎて粗筋さえ書けない