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たんぽぽのお酒 文学のおくりもの1

レイ・ブラッドベリ(著者), 北山克彦(訳者)

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 晶文社
発売年月日 1971/06/30
JAN 9784794917614

たんぽぽのお酒

¥220

商品レビュー

4.2

11件のお客様レビュー

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2023/12/11

津村の読み直し世界文学の1冊である。ほとんどが会話で話が進行している。挿絵も豊富ではあるが、その挿絵と内容が合致しているかがすこしわからない。米国文学の特徴として、内容が淡々と進んでいき、あまり哲学が感じられないことがいいのかわるいのかよくわからない。

Posted by ブクログ

2023/09/06
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※このレビューにはネタバレを含みます

20数年前に一度読んでいて、先日、夏が終わり秋になるとこの本の中の一節「おばあちゃんはアイス・ティーにかわってホット・コーヒーを口にしはじめていた。」を思い出すというどなたかの書かれたものを目にして、はてそんな場面があったかなと再読。 夏休みが始まった一日目に感じるあの素敵な感覚がこんなに鮮烈に描かれていたのかとページをくる手が止まらなくなった。なんとまあ素敵なんだろう。 夏休みの始まりには、自分をどこまでも疲れることなく連れて行ってくれる新しいテニスシューズが必要なこと。 どんなに芝生の管理が大変でも、おじいさんは伸びない芝生を植えるなんて考えられないこと。 ぐちゃぐちゃで整理されていない台所と書かれていないレシピからしか生まれない極上の美味しいもの。 若い新聞記者と各地を旅した往年の美女のかけがえのない語らいの時間。ミント・バニラ・アイス。 タロット占いをする機械の中にいる蝋人形。 「生きていること」ではち切れんばかりに元気だったダグラスが、次第に自分もいつかは死ななくてはならないのだと気づく。1928年の夏の物語。

Posted by ブクログ

2022/03/30
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

『たんぽぽのお酒』 レイ・ブラッドベリ (晶文社) これは名作ですねぇ。 しかしながら、翻訳ものというのは、主語と述語の間がやたら長く、何のことを言っているのか途中で分からなくなってしまったりして、読むのには結構根性がいる。 特にブラッドベリは“イメージの魔術師”と呼ばれているだけあって、その文章は、しっかりとしがみついていないと振り落とされてしまいそうな、縦横無尽にイメージ世界を駆け巡る躍動感に満ちている。 この作品はジュニア向けに書かれた少年小説だそうだが、人生の悲哀がたっぷりで、なかなかに深い。 大人におすすめ。 主人公は、ダグラス・スポールディング、12歳。 イリノイ州グリーンタウンで、1928年の夏に彼が経験した出来事のすべてが、この物語にぎゅっと詰まっている。 夏の初めに仕込まれる“たんぽぽのお酒”の一瓶一瓶にひと夏の思い出が詰められ、夏が終わっても、たんぽぽのお酒を飲むたびに夏を思い出すのだ。 ここに出てくる大人たちは、常識的ないわゆる“大人”な人は誰もいなくて、笑って泣いてわめいて、格好悪く必死に生きている人たちばかりだ。 ダグラスと弟のトムは、12歳と10歳の目でしっかりと真実を見、彼らなりの解釈をしていく。 フリーリー大佐の最期が何だか悲しくて心に残った。 病床で彼は、電話で繋がった思い出の南の国の街角の喧騒を聞き、体は動けないけれど、心で彼の地を夢見ながら一人で死んでいったのだった。 フリーリー大佐は幸せだったか? 私は幸せだったと思うな。 いや、どうかな… んー……本当はどうなのかな。 幸福マシンを発明したレオ・アウフマンは、仮想の夢よりも、現実の幸福の方が尊いことに気付き、ベントレー夫人は、小生意気な女の子たちのおかげで、過去にしがみつかずに今を生きることが大事だと分かった。 屑屋のジョウナスさんも素晴らしい。 ダグラスがジョウナスさんから受けた親切を、次の人に回そうと考えるところが感動します。 物はいつか壊れるし、人はいつか死ぬ。 ダグラスは、この夏の経験をそう手帳に書き記した。 生きる喜びと死への恐怖が、焼け付くような真夏の街の風景とリンクして、読む者の心に深く刻まれる。 夏は特別な季節なのだ。 開け放たれた窓、庭のブランコ、じりじりと照りつける太陽。 夜のポーチで夕涼み。アイスクリームやレモネード。 夏が終わる寂しさがもうほんとによく分かる。 私もいつもそう思うから。 次の年、夏はまたやってくるけれど、彼にとって12歳の夏は生涯一度きりで、さらさらと流れて容赦なく消えてしまう記憶の断片が入っているたんぽぽのお酒が、物語の終わりにキラリと輝く。 ブラッドベリの作品に共通して感じるものは、“失くしてしまったものへの郷愁”。 子供の頃、自分はどんな夏を過ごしていたのだろう。 消えてしまった記憶の断片は、私のどこかに今でも残っているのだろうか。

Posted by ブクログ

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