経営者の役割 有斐閣新書

飯野春樹(著者)

• 販売会社／発売会社: 有斐閣
• 発売年月日: 1979/08/10
• JAN: 9784641088924

商品レビュー

2024/07/25

（原典に比べれば）とてもわかりやすい。原典を読みたいけど読めていない人はまずこちらを読むとよいと思う。私は逆に原典にも今後チャレンジしてみたい。
（高橋くんと京子さんに感謝を）

バーナード理論を解説するにあたり、常に両極の理論の統合が強調されている。個人主義と全体主義、決定論と自由意志論…バーナード理論は限りなく「現実」を捉えようとした、現代にも生きる経営論である。

バーナード理論の革新的なところは、「経営者の役割」として管理論を展開するうえで、前提理論となる「人間論」「協働論」「組織論」を述べているところにあり、つまるところ「人間とは何か」から組織あるいは経営を分析しているのである。バーナード理論の中核を担っているのはむしろ組織論で、あくまで管理論はその展開に過ぎないのではないかと思うくらい、抽象化された公式組織への納得感は大きい。

まだまだ若輩者の私には組織論に比べて管理論の意義はあまりわからなかった。これからリーダーシップを発揮する立場になればまた変わるのだろうか…
自分や周囲の変化に合わせて繰り返し読みたい一冊。

2012/06/23

　大学院の講義で『経営者の役割』という極めて難解な本を読まなければならず、『経営者の役割』の入門書であるこの本を読んだ。
　入門書とはいうものの、決して簡単ではない。国語が苦手だった人はしんどいと思う。でも、分かりやすいたとえ話も多いし、ゆっくり読めば大体の人は大丈夫だと思う。『経営者の役割』の著者であるバーナードは組織論の大家であり、「公式組織と非公式組織」とか、組織論の基本的な概念を生み出した。この本では、そんなバーナードの考え方が「まだ分かりやすく」書いてある。