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哀国者 講談社文庫
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 講談社 |
発売年月日 | 2008/09/11 |
JAN | 9784062761635 |
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商品レビュー
3.7
9件のお客様レビュー
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マルキシズムは歴史的な役目をほぼ終えたと考えてよいが、「下部構造は上部構造を規定する」と看破したマルクスの「史的唯物論」は今後も世俗の事象を説明するのに援用されるだろう。『哀国者』が既視感に近い現実味を帯びて文字をたどれる最大の理由は、僕らがすでに『NYPD Blue』や『24』などのTVドラマで、アメリカ人やその国家についてどれだけ切迫感をもって表現する必要があるか、たっぷり刷り込まれているからだろう。つまり、「アメリカ人としてアメリカに住まわなければ成立しない」たぐいの物語、なのだ。主人公のボディガードあがりのタフガイ、アティカスは、たしかにもったいぶった回りくどい物言いを、キザと言うにも呆れるぐらい多用するのだが、緊迫感だけが漂う言い回しからは個性の息吹はまったく聞こえてこない。まさしくアクションゲームでプレーヤーが操作するアバターそのものである。描写も過度に身体感覚に依存しており、危機感を最大化させる意図はくみ取れるが、はたしてこれをアメリカ伝統のハードボイルドの系譜に置いていいのだろうか? 臨場感を求めるなら、『NYPD Blue』のような「小刻みに震える」カメラワークを映像で見せられると絶対かなわないし、なによりいまは現実がそうなんじゃないのか。そう考えると、心を突き刺すような箴言たちがちりばめられた上質のハードボイルドを生み出す下部構造がアメリカからは失われてしまったのだろうか、と思ってしまう。描写も凄惨なのでR-15指定。続編の『回帰者』は読む予定。
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やっぱりルッカは面白い。前作で物凄い舵の切り方をしたのでどうなるのかとワクワクして読んだが、本当に上手く纏めている。最後に何処へ行き着くのか次回作を想像すると早く読みたくて堪らない。
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現時点での完結編と云われている「回帰者」からアティカス・シリーズを読み始めた邪道な読者なので、どんな目にあってもアティカスやドラマが死なないのはわかっているんですが、ドキドキします。ワイオミングのモーテルで別れた二人が27時間後にウィルミントンで再開したシーンが印象的。アールへの決着はあっけなくて少し残念。
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