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茗荷谷の猫
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 平凡社 |
発売年月日 | 2008/09/25 |
JAN | 9784582834062 |
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茗荷谷の猫
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商品レビュー
3.8
74件のお客様レビュー
滑稽話あり、人情物あり、不気味な話あり、ただどれも掴みどころなく、完全なハッピーエンドでもバッドエンドでもなく、中途半端なところでスパッと終わってしまったりする、不思議な連作短編集だった。 様々な出来事がつぎはぎに起こっている感じが東京っぽい。 内田百閒作品をイメージしたのかな?...
滑稽話あり、人情物あり、不気味な話あり、ただどれも掴みどころなく、完全なハッピーエンドでもバッドエンドでもなく、中途半端なところでスパッと終わってしまったりする、不思議な連作短編集だった。 様々な出来事がつぎはぎに起こっている感じが東京っぽい。 内田百閒作品をイメージしたのかな?と思ったり思わなかったり。内田百閒読みたくなったな。 奇妙な作品も好きだし面白かったけど、心に残ったのは切ない「庄助さん」「てのひら」。 特に「てのひら」は母と娘の変化と噛み合わなさが切なすぎて、泣きそうになってしまった。母としては、東京で贅沢するよりも、田舎で娘とのんびりできた方が嬉しかったのかもしれない。母と娘って難しく、老いはどうしても物悲しい。
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「考えるな。生きたもん勝ちだ」考えさせられます。たとえ、偶然であっても、理由がなくても、後悔しても、生き残ってしまっても。 明治初期(染井吉野)から、昭和三十年頃までの、江戸から東京へ移り行く断面を切り取った短編集。 時代が変わり、世の中も価値観も思い入れまでもが変わっていく。東京の街で、自分の「夢」に向かって、打ち込んで生きてゆく。一人ひとり、名も知れず。けど、どこかで何かが繋がってゆく。そして、それは今東京に住む私たちにも拡がる。 東京は、お金を稼いだり、自由を求めたり、逃げ込んだり、夢を描いたり、可能性に挑戦してみたり、悔やんだり、諦めたり、焼け野原になっても生き延びてみたり。田舎者と都会人との格差を見せつける街、貨幣経済の中心の街、東京人はそれをいち早く当たり前とし、お金以外の価値観を捨てる。それを便利と呼び、いつしかすべてを忘れてゆく。 『八 てのひら』が印象的でした。目頭が熱くなってしまいました。誰もが、こんな経験を繰り返しているんだ、って。それも東京。 最後に、千駄ヶ谷のスペインタイルの家。今はどうなっているのでしょうか。あれから、50年。きっと残っていないんでしょうねぇ。▼日本全国の染井吉野は、全てクローンだと聞く。本当に景色が造られたんですね。
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東京を舞台にした連作短編集。江戸時代の話かな…と思って読み始めたら、次の短編では明治時代になっており…なるほど少しずつ時がたっていることに気がつく。妖怪めいたものが出て怪しい話もあれば、戦後の闇市で生きる青年たちの闇だったり、地方から上京した母をもてなそうとして互いに上手くいかない母娘など。つい泣いてしまうような話もある。一つ一つテイストが違うので飽きずに読むことができたし、登場人物や場所に不思議なつながりもあって楽しめた。
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