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一休 乱世に生きた禅者 NHKブックス132
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 日本放送出版協会 |
発売年月日 | 1987/02/01 |
JAN | 9784140011324 |
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一休
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動乱の中世を生きた禅者・一休を、社会の否定者、批判者として考察する。 一休のことを調べていて、最近思ったことがある。 自分と似てるな、と思う人がいたとする。するとあなたは、自分とその人の一体「どこが」似ていると思ったのか、ちょっと考えてみてもらいたい。 外見的な特徴は除くとして...
動乱の中世を生きた禅者・一休を、社会の否定者、批判者として考察する。 一休のことを調べていて、最近思ったことがある。 自分と似てるな、と思う人がいたとする。するとあなたは、自分とその人の一体「どこが」似ていると思ったのか、ちょっと考えてみてもらいたい。 外見的な特徴は除くとして、どんなことが挙げられるだろう。好きなもの? 笑うツボ? 食べ物の好み? いろいろな要素が考えられるだろう。けれども、もっとも自分と他人を「似てる」と感じる瞬間――それは、傷つき方、ではないだろうか。 自分が押されて「痛い」と感じるところが同じ人。言われてショックを受ける言葉が同じ人。 誰かが傷つく瞬間を見て、自分も「痛い」と思った時こそが、自分が他人とのシンパシーをもっとも感じる一瞬なのではないだろうか。「ああ、この人は私と同じものに傷つくのだ」、と感じる瞬間、自分は見知らぬ誰かと同じものを共有しているのだと言えないだろうか。 一休さんのことを調べていると、ときどきそういう瞬間があることに気がついた。彼が「痛い」と感じる瞬間、私もその「痛み」に共感する。 そして、「ああ、私も同じだ」と思う。そう思って切なくなる。 彼の場合、大抵その「痛み」は潔癖とも取れる激しい怒りや、強烈な罵倒などという形で現れるが(後半生はとくにその傾向が強い)、その裏にひそむ彼の「痛み」もまた強烈でしかももどかしさを伴っている。しかしそれだけに、その激しい「痛み」に、私のように「同じだ」と思ってひかれる人も多いのだろう、と思う。 自分と同じ理由から誰かが傷ついても、その誰かがくじけないで、自分の意思を貫き通すと、そこにはカタルシスが生まれる。 一休さんに期待したり、共感したりするのは、そういう自分の分身としての「希望」があるからかもしれないな、と最近ちょっと思った。 というのは、なんというか、つまり一休さんも一人の人間なんだな、と思うようになったからである。資料なんかを読めば読むほど、やはりその人物像には裏も表もあるわけなのだが、私はどこかでやはり一休さんに期待していたのだなぁ、とちょっと思い知ったのである。 で、彼の「痛み」を正当化しようと(つまり、彼の痛みにシンパシーを感じた自分を正当化しようと)した自分に気づいて、少し自分の矮小さを思い知ったのであった。 嗚呼、まだまだ私も修行が足りないですね。
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