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ミスター・マジェスティック 文春文庫
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 文藝春秋 |
発売年月日 | 1994/10/10 |
JAN | 9784167309428 |
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ミスター・マジェスティック
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ミスター・マジェスティック
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商品レビュー
3.3
4件のお客様レビュー
昨年読んだ『オンブレ』が気に入って、訳者があとがきで推薦していた絶版の小説を取り寄せてみた。原著は1974年の作品。活劇映画タッチの娯楽小説。250ページ弱で会話文も多く、あっさりと読みやすい。 主人公のヴィンセント・マジェスティックはメロン農場主で、まさにメロンの収穫を開始し...
昨年読んだ『オンブレ』が気に入って、訳者があとがきで推薦していた絶版の小説を取り寄せてみた。原著は1974年の作品。活劇映画タッチの娯楽小説。250ページ弱で会話文も多く、あっさりと読みやすい。 主人公のヴィンセント・マジェスティックはメロン農場主で、まさにメロンの収穫を開始しようという日に物語が始まる。国境近い農場には、手配師の手はずによってメキシコ人季節労働者が集まっている。そんななか、マジェスティックは若く美しいナンシーという季節労働者を見出し、彼女と仲間たちも収穫に誘うことにする。 農場に戻ってみると、マジェスティックが依頼した働き手ではなく、見知らぬ怪しいコパスと名乗る手配師に連れてこられたアル中たちが作業をしている。ヤクザなコパスを強引なやり口で追い出して、正規の雇用者たちによって収穫がようやく始まるのだったが、翌日、マジェスティックはコパスの訴えにより拘置所に拘留されてしまう。そんな、収穫が気がかりで仕方のないマジェスティックと同日、偶然にも拘留されていたのは、殺人の現場を捕らえられた有名な殺し屋のフランク・レンダだった。 冒頭から美女の登場、コパスによる妨害と逮捕、殺し屋との遭遇とその後に連続する派手なアクションシーンまで、展開が早く次々と目先が変わり飽きさせないままに導入が終わる。中盤はややゆったりした後で、終盤はそれまでの対立を回収するべく、予想通りに訪れる再度のアクションシーンへと突き進む。 暴力・カーチェイス・銃撃・殺し屋・小悪党・二人の美女・人情・男の過去と、いかにも映画映えしそうなストーリーと設定で、訳者解説によればもともと映画向けの脚本だったようだ。わかりやすく一直線のエンターテイメント作品で、その短さや冒頭の勢いもあって飽きる暇なく短時間で一気に読み通せる。 先述の『オンブレ』に比べれば印象的な翳りなどもなくストーリー展開も予想しやすいあっさりとした内容だが、一気に読み切らせるだけの要素は十分に備えており、読み終えて不満は残らない。スケールの大きさや含みはないものの、気楽に読める古き良き映画風味のエンタメ娯楽小説だった。
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「オンブレ」の解説で訳者の村上春樹氏が読むならこれ、と推薦していたので読んでみた。 メキシコ国境のメロン農場主のヴィンセント・マジェスティック。過去には特殊部隊にいたこともあり、妻もいたのだが今はいない。1人で農場に住み、住み込みの作業頭一家と広大な農場での収穫を作業員を手配師...
「オンブレ」の解説で訳者の村上春樹氏が読むならこれ、と推薦していたので読んでみた。 メキシコ国境のメロン農場主のヴィンセント・マジェスティック。過去には特殊部隊にいたこともあり、妻もいたのだが今はいない。1人で農場に住み、住み込みの作業頭一家と広大な農場での収穫を作業員を手配師に手配してもらって収穫する。 ある日、悪徳手配師によって不慣れな労働者を手配されたことからその手配師を殴り留置場へ。護送中、殺し屋が逃走を企てるが失敗、マジェスティックは逆に殺し屋を貶めたとして、殺し屋に命を狙われる成り行きに。 プライドを傷つけられた殺し屋のなんともなチンピラ加減と、孤高の農場主「ミスター・マジェスティック」、一本抜けている警察、しっかりものの作業員ナンシー、これらが絡まって、事は進む。 マジェスティックは「オンブレ」の主人公ともちょっと通じる性格設定かも。自分の価値観を貫き、いい人には優しい。護送中の殺し屋を仲間が逃がそうとする場面は「3時10分発ユマ行き」の空気を行間から感じた。 後半ちょっとだれたが、映画にしてもおもしろいかも。と思ったらチャールズ・ブロンソン主演で映画化されていた。イメージは合っている。「マジェスティック」(1974) 1974発表 1994.10.10第1刷 図書館
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一度作品が売れ出すと、各出版者がこぞってその作家の作品の版権を買い漁り、うちも一儲けしようとするのは商売の原理。作品数は限られているので、各出版社はとにかく実弾を持っていないと、と初期の作品までさかのぼって青田買いの如く訳出されるのは世の常である。こういうのは色々と問題があるのだ...
一度作品が売れ出すと、各出版者がこぞってその作家の作品の版権を買い漁り、うちも一儲けしようとするのは商売の原理。作品数は限られているので、各出版社はとにかく実弾を持っていないと、と初期の作品までさかのぼって青田買いの如く訳出されるのは世の常である。こういうのは色々と問題があるのだろうけど、未訳作品が読めるのは一ファンとして素直に嬉しい。 そしてこの作品もそのうちの1つで、レナード不遇時代の1974年に書かれた作品。以前他の作品でも書いたが初期のレナード作品は非常に物語構成がシンプルなのが特長で、本書も一言で云うならば 「おれのメロンの収穫を邪魔するんぢゃねぇ!!」 と一行で要約できるくらいだ。 殺し屋の逆恨みを受けた農場主ミスター・マジェスティック。しかし彼はそんなことよりも自分の育てたメロンの収穫が気になって仕方なく、それを邪魔する輩と容赦なく立ち向かうことに。 最初の殺し屋との係わり合いに捻りがあるものの、基本的な物語は実にストレート。最後の対決まで一気呵成に突き進む。 この最初の殺し屋とメロン農場主がどうして対決するのか、その成行きは現在のレナードの先の読めないストーリー展開の下地として既に見られるのが興味深い。 とにかくミスター・マジェスティックがカッコいい。 こんな農場主、日本にはいない! なんでもこの作品は映画化されたそうで、主人公のミスター・マジェスティックはチャールズ・ブロンソンが演じたそうだ。これはまさに適役だなぁ。レンタル店に行った時にちょっと覗いてみよう。
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