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パレオマニア 大英博物館からの13の旅 集英社文庫
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 集英社 |
発売年月日 | 2008/08/25 |
JAN | 9784087463453 |
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商品レビュー
3.6
15件のお客様レビュー
ロンドンで大英博物館に行く前に読んでおくべきだったかもしれない。 興味は自然と、中東とオリエントに向かう。ここの展示をもっとしっかりお見ておくべきだったか。 また行こう。
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2月。私は「顔の考古学」の感想という形を借りて、本書の旅のあり方を真似て小さな旅をした。即ち、博物館の一つの遺物を写真に収め、その生まれた土地に赴くという旅である。かなり上手く書けた、と内心自画自賛していた。ところが、やっと手に入れた「原作」を読み始めると、そのあまりにものわかり...
2月。私は「顔の考古学」の感想という形を借りて、本書の旅のあり方を真似て小さな旅をした。即ち、博物館の一つの遺物を写真に収め、その生まれた土地に赴くという旅である。かなり上手く書けた、と内心自画自賛していた。ところが、やっと手に入れた「原作」を読み始めると、そのあまりにものわかりやすさ、或いはエンタメ性に茫然自失となった。私と同じようにかなりの専門書を紐解いているはずなのに、池澤夏樹はそれを感じさせる文節の一片たりとも記さなかった。読ませる文章とはかくありきか。 例えば、大英博物館で池澤夏樹はいくつかのインドの仏塔彫刻を見て、チェンナイ(マドラス)から数百キロの車の旅をする。形式は「男」の旅小説だ。旅日記ではなく、おそらく旅程の順番も会話も変えているのだろう。問題は、遺物が語る「世界」だから、専門用語は必要ない。難しい言葉は軽く説明しながら使う。読者の興味が続くように旅の苦労や美味しい料理、途中出逢った風景や会話をふんだんに挟み込む。そうやって遺物の、中国や日本が現さないインド彫刻の「官能性」の秘密を、「男」はだんだんと承知していくというわけだ。 ナガルジュナコンダの博物館に着くと、白髪の爺さんが 「ご一緒しましょう。わしはガイドですわ」 と言って近づいてくる。私も経験あるが、中国にもベトナムにもいる「押しかけガイド」である。「男」は一瞬自分のペースで観覧できないので断ろうとしたが、疑問に答えてくれるかもしれないと一緒にすることにする。やがて2人の会話が、おそらくホントにあったガイドとの会話とずれてゆき、インド彫刻の「真実」に近づいてゆく。ガイドは最後、規定以上の小金を獲って消え失せるのである。とっても小説的だ。 「インド人は古代から肉体が好きだった。男と女の仲が好きだった。それを隠さなかった。彫刻にも表した。今だってたぶん女たちの身体を讃えるのが好きなのだろう。それに対して仏教はまるで違う原理を持ち込んだ。肉体を超える精神性を、しかも彫刻という本来最も肉体に近い手段で、表現しようとした。そしてそれに成功した。あの不思議な、禁欲の原理と極端な官能性が一つのフレームに並ぶという造形が生み出された。 しかし中国人は官能が嫌いだったから(それを表に出すことが嫌いだったから)仏教はその部分を捨ててしまった。日本に渡ってきたのも官能なき仏教だった。寺に裸の女はいらないということになった。まあ、東アジア人の体格は、インド人と異なって、彫刻として官能を表現するには向いてないのかもしれないが」(121p) それにしても残念なことだと思いながら、「男」は立ち上がりインドをあとにする。 私もこんな旅をしたいと切実に思う。こんな旅レポートは書けそうにないけれども。
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池澤夏樹のこういう趣味が嫌みだと思う人には向かない。ぼくは、どっちかというと、とても好きな人なのでハマってしまう。書評であれ、旅であれ、読み始めるとやめられなくなるのが池澤の仕事っぷりということだ。 できれば、若い人に、こういう人がいることを紹介したくて、ブログに書いた。 h...
池澤夏樹のこういう趣味が嫌みだと思う人には向かない。ぼくは、どっちかというと、とても好きな人なのでハマってしまう。書評であれ、旅であれ、読み始めるとやめられなくなるのが池澤の仕事っぷりということだ。 できれば、若い人に、こういう人がいることを紹介したくて、ブログに書いた。 https://plaza.rakuten.co.jp/simakumakun/diary/201911010000/
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