十億年の宴

ブライアン・オールディス(著者), 浅倉久志(著者)

• 販売会社／発売会社: 東京創元社
• 発売年月日: 1980/10/28
• JAN: 9784488015022

商品レビュー

2022/09/01

「地球の長い午後」のブライアン・W・オールディスに
よるSF史。原著は1973年に発行されており、当然それ以前
の歴史であり、今さらこれを読む？と言われかねない本なの
だが(いや本当、この本が出た1980年当時に読みたかった
かも(苦笑))、今読んでも十分楽しめるものだった。一人の
著者による歴史なので、当然観方に偏りはあるのだろうが、
関係者でもない限り、そう気にはならないと思う。続篇に
あたる「一兆年の宴」もいずれその内。

2020/11/05

英語圏なかんずく英国中心主義、ジュール・ヴェルヌも６４冊のうち２３の舞台は「偉大な未来世界アメリカ」と指摘／超自然的な、人間離れしたものをサスペンスフルに描くゴシック文学の伝統が『フランケンシュタイン』を書かせたが、そのた、めに舞台を遠く離れた場所、遠い未来または過去とすることが多い「恐るべき啓示」が（疑似）科学によってなされる時にSFとなる／ガーンズバック老への低評価、一方SF雑誌の表紙・イラストには高評価／キャンベルJrを小説家として評価、編集者としては功罪半ばとするが’５０年代の百花繚乱は有名どころを各々評論

2011/12/27

SFの起源や変遷についてまとめられた評論本。筆者の圧倒的な知識をもとにした内容に脱帽。素晴らしいSF画家のひとりとして真鍋博氏が取り上げられているのが嬉しい。
ただ、19世紀については事細かに書かれているが、一番興味があった20世紀が駆け足になっているのが残念である。これについては、あとがきに書いてあったけど、元々20世紀は別の人が担当する予定だったのが、都合で出来なくなった事情が絡んでいるらしい。
また、西洋の文学史や19世紀や20世紀初旬のSFについての知識が乏しい私には難しすぎる内容も多く、かなり読み飛ばしてしまった^_^;
それでも、錚々たるSF小説家や作品を歯に衣着せぬ物言いでズバッと切っていく文章は、読んでいて気持ちいい。