マタニティドラゴン

川本晶子【著】

• 販売会社／発売会社: 筑摩書房
• 発売年月日: 2008/08/09
• JAN: 9784480804143

商品レビュー

2014/04/20

初めて読む川本晶子作品。切なくて優しくて好き。何気ない日常を説明のつかない複雑な心情とともに表現するのがとても上手で読み易い。
「ことり心中」は、不倫相手のクツシタが突然この世からいなくなってしまった話。
「マタニティドラゴン」は、女性彫師の彫芋との出逢いと、思いがけずに授かった新しい命との出逢いのお話。
子どもはかけがえのない授かりものだし、自然に関係を育んでいける人との出逢いも授かりもの。
人との関係や巡り会わせ、愛しいものが幸せをもたらす得体のしれない感情。すべて理屈じゃ説明つかないもの。想像上の動物であるのにも関わらず、世界中で通用する「龍」の存在に似ている。

2013/10/16

川本晶子、二冊目。

初めて読んだのがとても良かったので（「刺繍」）、
期待があったのですが、

ん～・・・・。

なんてことない日々だけならおもしろいのに、
そこに「出来事」が入ることにより、おもしろさが欠けたように感じた。
なんでだろー。

「ことり心中」よりも、
表題の「マタニティドラゴン」のほうが、好き。

どちらの話も、「出来事」が、ぐっと迫ってくる感がない。
あるいは、そこがこの人の良さかも。（と、今、レビューを書きながら思った）

2013/01/12

タウン誌の女性記者であるトモミは、取材の為におとずれた先で
刺青の彫師の彫芋さんと出会った。

龍に魅せられ、体中に龍を住まわせているちょっと変わった雰囲気を持つ彫芋さんと仲良くなり
順調に忙しく仕事をこなしていくなかでの突然の予期せぬ妊娠。

いったんは消してしまうつもりだった新たな命を
龍の生命溢れる姿、家に住み着いていたヤモリ、それ一筋のまっすぐな彫芋さんによって、母になる決意をするトモミ。

他お弁当屋さんで働く女の人の失恋の短編。

マタニティ！という言葉に興味を持って読んだけど、
そこまで深くはなかった)^o^(