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ドキュメント死刑囚 ちくま新書
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 筑摩書房 |
発売年月日 | 2008/10/10 |
JAN | 9784480064431 |
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ドキュメント死刑囚
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雑誌「創」の編集長である著者が、死刑制度の是非を正面から論じるというよりは、宮崎勤、小林薫、宅間守ら死刑囚三氏との交流を軸に、死刑は「あり」なのか、有効なのかと疑問を投げかける。 社会的には死刑になるほどの罪を犯した彼らだけど、果たしてそれが償いや犯罪の抑止力になっているのだろう...
雑誌「創」の編集長である著者が、死刑制度の是非を正面から論じるというよりは、宮崎勤、小林薫、宅間守ら死刑囚三氏との交流を軸に、死刑は「あり」なのか、有効なのかと疑問を投げかける。 社会的には死刑になるほどの罪を犯した彼らだけど、果たしてそれが償いや犯罪の抑止力になっているのだろうか。いや、そんなことはない。三氏については、自ら死刑を望んだ者あり、死刑囚になっても格別恐れを表出することなかった者ありというものだった。死刑というのは苦役(望まない刑)だからこそ、意味をもつ。それが死を、死刑を望むというのでは、償いになどならない。もちろん当人の再発予防にはなるだろうが、他者に向けた抑止効果も期待薄だろう。多くが、死刑囚を自分と違う種類の人間だと思っているから。こう考えると、死刑とは違う種類の者に対する畏怖からくる攻撃ではないだろうか。 書中では彼らの生い立ちもたどっている。彼らは罪を犯すことで社会の枠から離れることを厭わなかった。なぜなら、すでに社会からはじかれてい(ると思ってい)たから。本書を読むと、それは彼ら自身の素行によるところもありそうだが、一方で社会の責任もあるような気がしてならない。 彼らは、社会で生きるにはあまりに弱く、やさしく、正直な人間だったのではないだろうか。いわば弱者であり、そういう彼らを包むことができなかったというのは、やはり社会の罪だと思う。そう、ずるいことをしながら、その自覚もないままにのうのうと生きている人もいる。そういう連中と同じ社会で生きているのって嫌だと思うことが自分にだってある。五十歩百歩のところで、死刑囚になった彼らと同じだと思う。 以前、長野県内の刑務所で所長を務める方から、「刑務所は更生施設ということになっているが、人々が隔離しておくことを望んでいるという意味で、事実上隔離施設なのだ」というような意味のことを聞き、後味悪くもうなずける気分になったことがある。子どもに言い聞かせるのと同じようなレベルで、「悪いことをしたから刑務所に」というロジックがまかり通っているが、たとえば精神障害者の施設、身体障害者の施設、高齢者の施設だって、社会から排除したい人たちを排除・隔離しているとみることもできるだろう。ノーマライゼーションの論理にも反する異質なものを排除する思いが根本にある。それが、死刑に対する今の日本社会の大方の総意なのだ。 社会のど真ん中にいる人たちとは、何と勝手なのだろう。勝手なのだが、マジョリティであるがために是とされている。しかも、それはかなり流動的で、時代や社会状況によって容易に左右されもする。 たとえば、本書の宮崎氏に関する部分を読むと、精神が尋常とは思えない(ちなみに、異常をきたした原因は、慕っていた祖父の死のようだ)。だが、社会は精神障害ゆえの罪とせず、彼を死刑にした。彼の事件が起きた頃、社会はまだこのテの事件に免疫がなかったのだと思う。今なら、あり得る事件の一つではないだろうか。つまり、免疫のないことをしでかした宮崎氏を忌避し、社会から抹殺しようと死刑にしたような気がするのだ。 一方、小林氏については、被害者家族からの極刑を望む声があったようだが、この被害者家族は、小林氏が極刑になったことですくわれたのだろうが。とてもそうとは思えない。「目には目を」的なものは昔から行われてきたことだが、それでは人は救われるのか。宗教の世界で広く言われていることだが、ゆるすほうがまだ救われる気がする。 憎い相手が、仇討ちのように自ら手を下すことなく、この世から消えてなくなったとき、相手の死を望んでいたとしても、その後、どうやって生きていけばいいのだろう。その後の無為のなかで生きていくことのほうがよほどつらいような気がしてならないのだ。 死刑とはかくも流動的・不安定だ。そういうものが人の命を故意にうばっている。法治国家だとか、犯罪者だから云々と理屈をつけても、すっきり通じるものではないだろう。だからこそ、死刑という切り札にもならない切り札を軽々しく使うべきではない。
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やたらと死刑囚に寄り添う筆者のスタンスには辟易した。死刑囚たちが共通して経験してきた、劣悪な家庭環境を指摘しているが、それを理由に彼等が犯した大罪が免罪になることは断じてあってはならない。パーソナリティに拠るのではなく、鳩山邦夫氏も指摘するように罪そのものに着目し、粛々と死刑判決...
やたらと死刑囚に寄り添う筆者のスタンスには辟易した。死刑囚たちが共通して経験してきた、劣悪な家庭環境を指摘しているが、それを理由に彼等が犯した大罪が免罪になることは断じてあってはならない。パーソナリティに拠るのではなく、鳩山邦夫氏も指摘するように罪そのものに着目し、粛々と死刑判決を下し、粛々と執行することが被害者及びその遺族、また死刑囚本人にとっても最良の処置であることを司法関係者は肝に銘ずるべきである。 平成25年7月11日読了。
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死刑は犯罪抑止力にならない。死にたいと思って犯罪を犯す者に死刑は却って好都合なものといえる。死刑囚のしっかりとした分析をすることが重要。自分を分かってくれる人がいないと感じ自暴自棄となり人を殺す。果たして、こんな理由が許されるのだろうか。併せて、小浜逸郎『なぜ人を殺してはいけな...
死刑は犯罪抑止力にならない。死にたいと思って犯罪を犯す者に死刑は却って好都合なものといえる。死刑囚のしっかりとした分析をすることが重要。自分を分かってくれる人がいないと感じ自暴自棄となり人を殺す。果たして、こんな理由が許されるのだろうか。併せて、小浜逸郎『なぜ人を殺してはいけないのか 新しい倫理学のために』(洋泉社2000)を読むのも良い。人殺しだけでなく、近代社会で悪とされるものがなぜなのか、本当に悪なのかを考えるきっかけとなる。
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