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ヨーロッパ的普遍主義 近代世界システムにおける構造的暴力と権力の修辞学
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 明石書店 |
発売年月日 | 2008/08/08 |
JAN | 9784750328256 |
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ヨーロッパ的普遍主義
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ヨーロッパ的普遍主義
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ヨーロッパ的普遍主義とは何か。時代を追ってその正当化の根拠は、どう変わってきたか。正当化の根拠は、16〜17世紀においては、文明が野蛮の害悪を正すのだ、というものであり、18〜19世紀においてはオリエンタリズムの本質主義的個別主義であり、20世紀以降は科学的普遍主義であった。しかし、ヨーロッパ的普遍主義は限界を迎え、ポストヨーロッパ的普遍主義の時代を迎えつつあるのではないか。ポストヨーロッパ的普遍主義の時代の普遍は、どのようなものだろうか?
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近代世界システム論のウォーラスタインによる政治的のディスクール分析。なのかな? サイードやスピヴァクをつづけて読んだあとでは、本当にスラスラ読めてしまう明快さ。なかなかコンフォタブルである。 章立てだけをみると、時事問題やポストコロニアル理論等に対する評論をあつめたエッセ...
近代世界システム論のウォーラスタインによる政治的のディスクール分析。なのかな? サイードやスピヴァクをつづけて読んだあとでは、本当にスラスラ読めてしまう明快さ。なかなかコンフォタブルである。 章立てだけをみると、時事問題やポストコロニアル理論等に対する評論をあつめたエッセー的なものかな、と思ったのだが、なかなかどうして、タイトルに偽りなしの本である。 知と権力との関係、ディスクールの問題なんだけど、それらが、テクスト的な分析にとどまらず、近代世界システムという政治/経済システムとの関連において、数世紀の視野のなかで論じられている実に骨太の本である。 歴史はシステムであり、システムは歴史であるのだ。 ウォーラーステインも70代後半。それほど、厚い本ではないので、議論はやや大雑把な感じがしなくもないけど、著者の衰えぬ知性が感じられて、素晴らしい。過去の業績を守るという感じではなくて、さらに先に進んでいこうという意思はおそるべきである。 良い意味で、ドンキホーテ的な情熱の本。 システム理論と終焉しつつある資本主義の出合いと言う意味では、「出現する未来」と不思議と共鳴しあう。
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2011.3.16 ウォーラーステイン2冊目。最近書かれた本。 資本主義的世界=経済を正統化してきたヨーロッパ的普遍主義について語る。それは、文明対野蛮→オリエンタリズム(文明の衝突)→科学的普遍主義と中身を変容させつつ、形式的な包摂と実質的な排除、不平等の拡大を支えてきた。...
2011.3.16 ウォーラーステイン2冊目。最近書かれた本。 資本主義的世界=経済を正統化してきたヨーロッパ的普遍主義について語る。それは、文明対野蛮→オリエンタリズム(文明の衝突)→科学的普遍主義と中身を変容させつつ、形式的な包摂と実質的な排除、不平等の拡大を支えてきた。 普遍的価値として、キリスト教の布教、近代化・文明化、人権擁護や民主化を掲げ、 ①相手の野蛮や未開性への非難 ②普遍的価値観からの逸脱 ③相手の集団内での被抑圧者の保護 ④普遍的価値観の浸透のための諸制度の導入 などを根拠に、他者に干渉してきた。その構造は、ラスカサスの時代から、イラク戦争まで変わっていない。 サイードを引用し、ヨーロッパ的普遍主義から脱出し、かつポストモダニズム的な相対主義にも陥らない、新しい普遍主義の構築を主張する。それは、「与えることと受けとることが同一となるような場」「多元的な普遍主義のネットワーク」と呼べるであり、その構築のためには、知の構造も変化していかなければならない。 知識人は、現在、真と善美を分離する枠組みを越え、真の追求のためには分析家として、善美の追求としては道徳的人間として、その両者を統合し、現実を変えていくためには政治的人間として作業していかねばならない。まさに分析家として、不平等を拡大する資本主義的世界=経済を正統化してきた、普遍主義というレトリックを暴く試みが、本書である。
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