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暗夜/戦争の悲しみ 池澤夏樹=個人編集 世界文学全集Ⅰ-06
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暗夜/戦争の悲しみ 池澤夏樹=個人編集 世界文学全集Ⅰ-06

残雪(著者), バオ・ニン(著者), 近藤直子(訳者), 井川一久(訳者)

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暗夜/戦争の悲しみ 池澤夏樹=個人編集 世界文学全集Ⅰ-06

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 河出書房新社
発売年月日 2008/08/01
JAN 9784309709468

暗夜/戦争の悲しみ

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商品レビュー

4.4

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2023/04/11

230411*読了 残雪さんの「暗夜」含む短編7篇はなんとも不思議だった。 さらっと読んでしまうと到底理解できない。 ご本人も傾倒されているカフカともまた違う。 独特の世界観で、他の誰とも似ていない。 よくある話のようで、絶対にあるはずのないフィクション。 「戦争の悲しみ」はま...

230411*読了 残雪さんの「暗夜」含む短編7篇はなんとも不思議だった。 さらっと読んでしまうと到底理解できない。 ご本人も傾倒されているカフカともまた違う。 独特の世界観で、他の誰とも似ていない。 よくある話のようで、絶対にあるはずのないフィクション。 「戦争の悲しみ」はまさにタイトル通り。 悲しすぎる。 戦争は絶対に体験したくないけれど、今も戦争の悲しみを味わっている人がいる。 これは物語だからではなくって、現実にも同じような経験をしてきた人がたくさんいる。 そのことを思うと、とても苦しい。 女性だからこそ、男性に虐げられてしまう苦しみもそう。男性であるが故に戦地に赴き、残虐を身を持って味わってしまうこともそう。 なんて悲しいのだろう。 この二人の作家に共通しているのは、いい意味でのもやもやとした空気感。 中国と、ベトナム、アジア圏の作家さんらしさというのもあるのかもしれない。 「暗夜」はまるで夢の中にいるようなもやもや感、現実のようで現実でない感じが特徴。 「戦争の悲しみ」は過去の追憶が多いからこそ、過去を振り返った時、脳裏に浮かぶもやもやとしていながらも、一部はくっきりと鮮明だったりする、あの記憶。 今、ご存命かは調べていないのだけれど、刊行当時はまだ生きていらっしゃって、文学全集発刊以降にもきっと作品を出されているので、そちらも気になる。

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2021/04/05

『暗夜』は同じく社会主義圏(だった)ソルジェニーツィン作品の絶望感・共存する明るさに似ている。伝統的宗教が失われ共産党批判が許されないなか弾圧をする理由がありえない不条理で描く奇妙な晦渋か?/宮崎正弘推奨『戦争の悲しみ』は世界文学と呼ぶにふさわしいベトナム戦争中の悲恋の物語。初恋...

『暗夜』は同じく社会主義圏(だった)ソルジェニーツィン作品の絶望感・共存する明るさに似ている。伝統的宗教が失われ共産党批判が許されないなか弾圧をする理由がありえない不条理で描く奇妙な晦渋か?/宮崎正弘推奨『戦争の悲しみ』は世界文学と呼ぶにふさわしいベトナム戦争中の悲恋の物語。初恋の夢は失われたのではなく「平和への祈り」のように、草木が生い茂って見失われた道のように現存すると言う。人間は暴力的でそれは生殖と近しい。戦闘などの描写が凄まじい。「現役の作家で彼ほど多くの殺戮現場と死体を見たものは少ない」映像不要

Posted by ブクログ

2018/11/11

「戦争の悲しみ」 泥沼のベトナム戦争に17歳から兵隊となって10年以上戦場で暮らし、戦後、遺骨収集作業に加わり、大学等で学んだ後に戦争を描いたという来歴の本。 大昔に五味川純平の「人間の条件」を読んで、迫力や話の分厚さに感動したが、あくまで小説として読んでいた気がする。こちらはも...

「戦争の悲しみ」 泥沼のベトナム戦争に17歳から兵隊となって10年以上戦場で暮らし、戦後、遺骨収集作業に加わり、大学等で学んだ後に戦争を描いたという来歴の本。 大昔に五味川純平の「人間の条件」を読んで、迫力や話の分厚さに感動したが、あくまで小説として読んでいた気がする。こちらはもっとリアル。材料が著者の経験した事実だと思われるから。しかし主人公の戦後の現実と回想という形をとっているので惨たらしい状況描写が延々と時系列で繋がっていかず、読むことの苦しさから何とか免れる。 帰還兵が戦争体験のトラウマでその後の生活がまともにできなくなるという話は幾度も聴いたことがあるが、文章を書けるひとがそれをリアルに語っている重さ。戦争でない平時に健康で暮らせることの有り難みを大切にしなくてはと改めて思う。また世の中で最も避ける努力をすべきなのが戦争なのは間違いない。 やや消化不足なのがこの本のもう一つのテーマである恋愛。ちゃんとしたセックスなしの恋愛は成立しないのか、男女の永続的な関係はそれ以外の形はないのか、この面では勉強が不足しており、主人公とその恋人の結末に納得いかず。 蛇足だが最後の章は不要ではないかと思う。いきなり主語が変わって「私」が登場し、それまでの主人公が「作家」と呼ばれる。この本が自叙伝ではないことを明らかにしたいためかもしれないが、急に距離を置かれたような不自然感がある。 「暗夜」…短編集 残雪という作家は初めて読む。 どの話も読み手に疑問を抱かせつつも、読ませていく引力がある。ふつうならわからないと面白くなくてやめてしまうのだが、なんだろう??と思いつつ読み続けられる面白さがある。 どうもこの世とあの世?の間の世界のことを暗示していそうだな、と思う話が多いと感じたがそれも読む側に任されているのだろう。

Posted by ブクログ

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