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テロの経済学 人はなぜテロリストになるのか
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 東洋経済新報社 |
発売年月日 | 2008/08/14 |
JAN | 9784492313916 |
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テロの経済学
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テロの経済学
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商品レビュー
3.7
8件のお客様レビュー
テロリストは、貧困と無学から生まれる。と、多くの人は思っているだろう。私もそう思っていた。しかし、この本によると、統計的には、テロリストと「貧困」もしくは「無学」の相関はないらしい。むしろ、重大な事件を引き起こすようなテロ組織には、経済的に豊かで高学歴者も多いそうだ。だとするとな...
テロリストは、貧困と無学から生まれる。と、多くの人は思っているだろう。私もそう思っていた。しかし、この本によると、統計的には、テロリストと「貧困」もしくは「無学」の相関はないらしい。むしろ、重大な事件を引き起こすようなテロ組織には、経済的に豊かで高学歴者も多いそうだ。だとするとなぜテロが起こるのか?どうすればテロがなくなるのか?それにはこの本は答えていない。なにか消化不良感が残る本である。
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「なぜテロリストはテロリストになるのか?」という問いに若手の経済学者が答えた本で、ロンドン・スクール・オブ・エコノミクスで著者が行った3回の講演を文章に起こしたもの。 まず第1章で、よく言われているように、「貧困」や「教育水準の低さ」がテロリストを生むわけではない、と著者はいう。だから貧困を撲滅したり途上国の教育水準を高める援助をしても、それが別の面では有意義であるにしても、「テロとの戦い」では無意味である。 第2章ではテロリストがどこで生まれてどこで事件を起こすのか、について検証し、その結果によれば、貧困は関係なく、市民的自由や政治的自由の低さがテロリストを生むと考えられる。 テロは本当に効果的な活動なのか、についての検証が第3章で行われている。著者はこの問題についてまだほとんど取り組んでいないということからかなり慎重な物言いになっているが、ざっくり言ってしまえば、テロによる経済や社会全体への影響は限定的だ、となるだろう。 まとめると、テロリストが生まれるのは、貧困や教育水準の低さという常識的な理由よりも、彼らが政治的に抑圧されていることが原因である。そしてテロ攻撃を受けたとしても、その影響は限定的なので、ブッシュ政権のようなイラクへの抑圧的な姿勢よりも、政治的自由を認める方がテロ対策として優れている。 以上が本書の内容だが、一番大事なのは、原因をきちんと見定めてから対策をしないと、間違った行為によって事態がより深刻になってしまう、ということだ。ブッシュ政権の対アフガン・対イラク政策はまさにそれで、同じ失敗を繰り返さないためにも、本書の指摘は周知されてほしいところだ。 また、最初に書いたように本書はLSEの講演内容がもとになっていて、その講演の聴衆からの質疑応答も書かれているのだが、そこでのやり取りは非常に高度で、参考になることが多い。たとえば「貧困がテロリストを生むわけではないというが、テロの定義を変えたら結論も変わるのでは?」という趣旨の質問が出ている。日本ではこういう分野で質疑応答になると感情論や印象論ばかりになって嫌になることが多いので、建設的な議論がされていることに勉強になるというだけではなく、うらやましさを覚えた。まあLSEという優秀な人間が集まる世界の話なので当然と言えるかもしれないが。 ただ、本書の難点を言っておくと「テロの経済学」という邦題は、完全に失敗であると思う。このタイトルだとテロ行為の費用便益分析かと勘違いするし、経済学への一般的な印象を考慮すると、このタイトルで販売部数が伸びるとは思えない。原題を直訳して普通に「何がテロリストを生むのか?-経済学とテロリズムの原因-」でよかったのでは。 ともあれ、ひろく読まれてほしい一冊。
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