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女たちの死刑廃止「論」
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 三一書房 |
発売年月日 | 1984/11/01 |
JAN | 9784380842290 |
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女たちの死刑廃止「論」
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本が出たのは四半世紀前、と思うと、もうかなり古い。収録されている文章のうち古いものは1950年代のものもある。 文章を寄せたのは(巻頭に「「死刑を撮る」という写真もあるが、それ以外は文章)、ほとんどが「死刑をなくす女の会」の会員だそうだが、そうでない人もちょっと混じっているらし...
本が出たのは四半世紀前、と思うと、もうかなり古い。収録されている文章のうち古いものは1950年代のものもある。 文章を寄せたのは(巻頭に「「死刑を撮る」という写真もあるが、それ以外は文章)、ほとんどが「死刑をなくす女の会」の会員だそうだが、そうでない人もちょっと混じっているらしい。「それぞれの立場から、なぜ、自分にとって死刑はやめたほうがいいのか、というところから書いてみたらどうだろうか?」という企画本。 それによって寄稿したのは三十数人の女たち。 「編集を終えて」で丸山友岐子(この会のキモイリのひとり)が書いているように、その多くは「もし、自分が被害者の立場だったら…」という発想から出発している。 この本が出るまでには、戦後、死刑執行された女性は一人しかいなかったらしく(さかのぼれば、大逆事件で管野すがとか?)、死刑は男がつくった男の制度だ、というようなことを書いてる人も何人かいるし、一方で、母親大会や反戦運動のように「いのちを生み育てる女は…」方式で死刑に反対したくないという人もいる。 すでにこの本までにも、"死刑論"はいっぱい書かれていたし、この本でも死刑をめぐる論点として出ているものは、最近出ている本とほとんど同じだといっていい。 まず問題になるのは「被害者感情をどう考えるか」。 また、1983年、84年に、免田事件、財田川事件、松山事件とあいついで、確定死刑囚の無罪判決が出たこともあるのだろう、冤罪の問題をあげている人も多い。 自分自身がデッチ上げで逮捕・起訴・拘留され、10年の裁判を経てやっと無罪をかちとった人も寄稿している。とても科学的とはいえない自白偏重捜査、「否認していたら死刑だ」と脅しに使われる死刑制度、そして真実がどうであるかよりも国家権力が犯人と認めるかどうかに重きがあることが書かれている。国家にそむいた罪で処刑され、あるいは死刑宣告を受けてきた政治犯の存在もある。 そして、報道の問題や少年事件と更生の可能性。永山則夫の1審死刑判決がこの本の5年前、この本の3年前には無期懲役の2審判決が出ていた。またこの本の1年前には、横浜で複数の少年が野宿者を襲撃して殺傷する事件が起こっていた。 永山の10年前の小松川事件で娘を殺されたご両親のことばが引かれている。 ▼ 「人間として成長していく可能性がある少年ならば、生きて、立ち直ってほしい。死刑で殺しても、また、少年のご両親やきょうだいが悲しむだけで、娘が生き返るものでもない。生きて自己を改善してくれてこそ娘に対するほんとうの供養になるでしょう。外に出られることになれば、小さな工場ですが、よろこんで、うちに迎えましょう」(p.113) 加害者が在日朝鮮人だったためか、少年の減刑を願ったこのご両親のもとには、「非国民」などと抗議が殺到したのだという。 むかし読んだ永山則夫の『無知の涙』や『木橋』を、また読んでみようと思った。私は、やはり休みやすみ小熊英二の『1968』を読んでいるが、同世代というならば、永山則夫も団塊の世代と重なる。大学まで行った人たちと、極貧で育ち、獄中で学ぶまで読み書きも困難だったという永山とは同じ世代であり、全共闘運動と永山事件とは同じ頃にあったのだと、あらためて思った。 「死刑をなくす女の会」が今どうなっているのかわからないが、他に本かなにかあるかなと引いてみたら、『女子高生コンクリート詰め殺人事件―彼女のくやしさがわかりますか?』と、『死刑は誰を救うのか―中山千夏と語る』が出てきた。中山千夏は、この会発足のキモイリのひとりである。 『女子高生コンクリート詰め殺人事件』は、もう20年くらい前、学生の頃に買ったことがある。それが版元もかわって再刊されているらしい。
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