砂漠 Jノベル・コレクション

伊坂幸太郎【著】

• 内容紹介: 若い世代を中心に高い支持を誇り、近年では「ゴールデンスランバー」の映画化で注目を集めた伊坂幸太郎が活写する若者群像！学生生活を楽しむ五人の大学生が、社会という「砂漠」に巣立つ前の「オアシス」で、超能力に遭遇し、そして不穏な犯罪者に翻弄され・・・。人気作家により描かれたパワーみなぎる、誰も知らない青春小説です。
• 販売会社／発売会社: 実業之日本社
• 発売年月日: 2008/08/02
• JAN: 9784408535340

商品レビュー

2025/01/19

伊坂幸太郎で一番はまれた作品。
はまれた理由を考えてみたんだけど、登場人物、それぞれに尊敬できるところがある、ってことが一つ挙げられる。
たとえば鳥井くん。
女好きで軽薄な部分も目立つんだけど、とある出来事で人生を大きく狂わされる。
その後、復活して乗り越えていく姿や、カラッとした態度で自業自得だったと言い切るところがカッコいいと思う。
東堂は、クールビューティーでそっけない女子だけど、実はとても一途で真っ直ぐなところもある。
こんな感じで、大学生だからこその青さもあるけれど、どの登場人物も芯が通っているし、そんな人々が織りなす青春時代がとても眩しく感じるのだ。

大学時代って一番時間を自由に使える期間だと思う。
体も元気で、周りにはエネルギーのある人が多い。
研究に勤しむ人が少ないのは残念だけど、さまざまな人間関係を築いていける。

この本の構成も面白い。何年経ったと明言することこそないけれど、四季と4年間の大学生活が同時に過ぎていく。夏としながらも実は2年性になっている…と言う具合に。
個人的に大学生活がいかに過ぎ去るのが早いのか、それを感じさせるうまい構成だと思う。

こんな大学生活、送ってみたかった！と思わせるけれど、こんな大学生活はないんだろうなという、伊坂ワールドの織りなす非日常的な雰囲気が絶妙で、読み終えた後のちょっとビターな雰囲気も良かった。
大体こういう作品を読み終えると、結構切なくなるんだけど、上手く濁してくれている感じがする。
でも、ラストの幹事の莞爾の表情にはグッときました。私も同じ気持ちだよ。

2024/12/05

伊坂さんの小説に初めて触れた。好きな人がおすすめしてくれた本の一冊。

ハラハラすることもありながら、大学生の爽やかな小説だった。
私は今大学4年だから、この今のタイミングに読むことができて良かった。

伊坂さんの文章は読みやすくて、構成に無駄がなくて、読んでいて気持ちが良かった。

この本にも伊坂さんにも、おすすめしてくれた好きな人にも出会えて本当に良かったと思う。
他にもおすすめしてくれたから読んでいきたい。

2024/09/26

5人の大学生活。春夏秋冬で4年間を短編集の様に纏めている。波瀾万丈と言ってもいいくらい、大きなイベントが発生して惹きつけられる。本当に良い仲間の物語と言ったところかな？