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アウトノミーのマルクス主義へ 廣松哲学と主権の現象学3
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 社会評論社 |
発売年月日 | 2008/07/30 |
JAN | 9784784508808 |
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アウトノミーのマルクス主義へ
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前著『ロシア・マルクス主義と自由』(社会評論社)とおなじく、廣松渉の物象化論にもとづいて、教条的なマルクス主義の陥った「前衛‐大衆」図式を批判する立場から、1968年の意義について考察をおこなっています。 また著者は、宇野や廣松の主張に依拠して、『資本論』における価値法則が、社...
前著『ロシア・マルクス主義と自由』(社会評論社)とおなじく、廣松渉の物象化論にもとづいて、教条的なマルクス主義の陥った「前衛‐大衆」図式を批判する立場から、1968年の意義について考察をおこなっています。 また著者は、宇野や廣松の主張に依拠して、『資本論』における価値法則が、社会全体の労働生産物の需要におうじた総労働力と生産手段の比例的配分にもとづいているという見方を説明し、スターリンが価値法則を資本主義の経済法則ではなく商品経済の法則として実体化していたことを批判しています。さらに、グローバル資本主義が解決策を見いだせずにいる環境問題について、物象化の錯認を乗り越えることで、その本源的な問題の解決をめざすべきだとする主張が展開されています。 1968年の意義については、多くの人びとによる回顧や、多角的な観点からの検討がなされるようになってきましたが、本書もそうした試みの一つに位置づけられることになるのではないかと思います。ただ本書では、廣松の物象化論をネグリのマルチチュードの発想に接続する立場から、旧来の左翼に対する批判的な意義を顕彰することに終始しており、それ自体はある程度興味を惹かれるものの、主として左派論壇の内部で評価をあたえるにとどまっているように感じました。この点では、いっそう広い時代状況のなかで1968年という時代が象徴していた多様な意義を明らかにした絓秀実の著書などにくらべるならば、やはり視野の狭さに不満を感じてしまいます。
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