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村長ありき 沢内村 深沢晟雄の生涯
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | れんが書房新社 |
発売年月日 | 2008/07/17 |
JAN | 9784846203412 |
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村長ありき
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岩手県沢内村(現西和賀町沢内地区)の元村長・深澤晟雄(ふかさわ・まさお)氏の生涯を綴った本。 死後、2000人もの人が、深澤氏の遺体を出迎えた。 沢内村の3分の1にも及ぶ。 当時岩手県にもあまり導入されていなかったブルドーザーを4台購入し、冬の豪雪地帯の道路を切り開く。 乳幼...
岩手県沢内村(現西和賀町沢内地区)の元村長・深澤晟雄(ふかさわ・まさお)氏の生涯を綴った本。 死後、2000人もの人が、深澤氏の遺体を出迎えた。 沢内村の3分の1にも及ぶ。 当時岩手県にもあまり導入されていなかったブルドーザーを4台購入し、冬の豪雪地帯の道路を切り開く。 乳幼児死亡率を、国内最悪レベルから、全国初の「死亡率ゼロ」まで高める。 トップに立つ人間の気概を感じつつ、読み進めている。 ※氏の業績は、西和賀町ホームページ http://www.town.nishiwaga.lg.jp/index.cfm/8,10167,11,html 深澤晟雄資料館 http://www.nisiwaga.net/masao/ に詳しい。
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よく読めばわかるが、沢内村の生命行政の奇蹟は、深沢村長一人の力によるのではない。 例えば、深沢以外にも、高橋清吉という村の国保行政一本の“役人”が登場するが、学歴や目立った経歴もない高橋が、深沢の「いいと思ったことはどんどん言ってきなさい。責任は私がとるから」という言葉を信じ、保...
よく読めばわかるが、沢内村の生命行政の奇蹟は、深沢村長一人の力によるのではない。 例えば、深沢以外にも、高橋清吉という村の国保行政一本の“役人”が登場するが、学歴や目立った経歴もない高橋が、深沢の「いいと思ったことはどんどん言ってきなさい。責任は私がとるから」という言葉を信じ、保険や健康行政についていろいろ進言するところがおもしろい。 高橋の案は長期滞納者が保険料を納めたら賞品を出したり、長寿の祝いに賞金を出したり、正直、今の感覚から見ると“?”だろう。だが高橋の策は、意外にも次々と効果をあげる。 保険料支払いの賞品は村民に「村は滞納防止のためこんなに本気で取り組んでいる」と気付かせ村民の意欲と村政への信頼を高め、長寿祝い金は、大家族のなかで自分だけ働けず寂しい思いをしていた高齢者に自分も家族のために貢献できる、という誇りをもたらした。村の苦しみを誰よりわかっていた高橋だからこそ言えたのであり、それを気軽に言える環境を作り、聞き、実行した深沢あってこそだろう。 ワンマン・パワーではなく、周りを引き付け、やがて全体に広げる・・ 地方自治に英雄はいらない、人間的魅力が最後には勝つ、と感じた。 最後に、この本は深沢が故人となった後に書かれているが、深沢の事績の詳細な記述は(当時存命だった)未亡人ミキさんの功績が大きいだろう。巻頭にミキさんと深沢の新婚当時の写真があり、眼鏡をかけた笑顔のミキさんの写真からも、その聡明さが伺えることを付け加えておきます。 (2009/10/10)
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地方行政に関わったり、大学卒業後に地元企業に勤めたいという若者と最近よく話をしたので、彼らに紹介しようかと思って読んだ本。かつて「日本のチベット」と呼ばれた岩手県の中でも、無医村で乳児死亡率が全国最悪だった沢内村で村長になり、生命行政を掲げて5年間で乳児死亡率ゼロにした名村長の伝...
地方行政に関わったり、大学卒業後に地元企業に勤めたいという若者と最近よく話をしたので、彼らに紹介しようかと思って読んだ本。かつて「日本のチベット」と呼ばれた岩手県の中でも、無医村で乳児死亡率が全国最悪だった沢内村で村長になり、生命行政を掲げて5年間で乳児死亡率ゼロにした名村長の伝記。村人の命を優先にし、当時の行政や地域医療界に牙をむいた反骨精神に富んだ村長だが、沢内村から外に飛び出し、上海や台湾、満州で苦労した若い頃のくだりが一番興味深かった。村とはまた違う過酷な環境の中で、夢を持ちながらも挫かれ、それでも新たな夢に向かって突き進む村長の心持ちは、自分を含めた現代人にも欲しいところである。
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