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銀時計の特攻 陸軍大尉若杉是俊の幼年学校魂 文春新書
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 文藝春秋 |
発売年月日 | 2008/07/20 |
JAN | 9784166606443 |
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銀時計の特攻
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商品レビュー
2.5
2件のお客様レビュー
広幼出身の若杉大尉・・・・・・ 聞いたことがあると思ったら「幼年学校よもやま話」にて、 優等生であるあまり、区隊長からの攻撃のターゲットになっていたが、 ついにある日、同期生が全員「若杉を殴る前に自分を」と申し出て 以後いじめがなくなったというエピソードの方であった。
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将来を嘱望された優秀な青年若杉は、何故自ら特攻隊を志願したのか。 当時の状況や彼の日記から、彼の心に迫った本書。 本書を読み、特に驚いたのは特攻隊の位置づけである。 戦時下における最高司令部である大本営により編成されたものではなく、 「第一線指揮官が臨機に定めた編成部隊」であ...
将来を嘱望された優秀な青年若杉は、何故自ら特攻隊を志願したのか。 当時の状況や彼の日記から、彼の心に迫った本書。 本書を読み、特に驚いたのは特攻隊の位置づけである。 戦時下における最高司令部である大本営により編成されたものではなく、 「第一線指揮官が臨機に定めた編成部隊」であったのである。 その理由は、「このような非常な戦法を天皇の名において採用することは 『天皇のお徳を汚す』」からということであったようだ。 それに対し、お国のため、天皇陛下万歳と言って特攻部隊となった 彼らは、そのような中央の決定を知らず、 特高部隊に指名され「いかにもうれしそうで、元気溌溂、やる気満々だった」 とは、何とも皮肉なものだ。 当時の状況は、現在を生きる私達には想像だにできない。 国民全体が「挙国一致」「尽忠報国」「堅忍持久」といった教育を受けていた時代。 その時代において、第一線での活躍を期待されていた青年将校若杉の姿は 模範そのものであり、それが故に切なさを感じた。 また、敗戦後の陸軍生徒たちの反応も、若杉と同じ心持で闘ってきたことを物語っている。 玉音放送を聞いたのち、 「本土決戦を決行しなければならない。(中略) いま降伏すれば、我が国の勝利を信じて、北辺にあるいは 南海に散った幾多の英霊はどうなるのだ!あの尊い犠牲を犬死させてよいのか? いま我々が立てば国民は必ずついて来る」と 武装して皇居に向かったのである。 彼らの純粋な思いには、とても心が打たれた。 彼らの受けた教育は、全てが正しいものではないにせよ 上官の教えを信じ、自分の役目を精一杯に果たそうとしたその姿には 畏敬の念を感じた。 その中で、 「強い軍隊は形容詞を使わない。『速やかに行動をとる』というな。 行動は速やかにとるものと決まっている」という上官の教えは、 いかにも軍隊的だが、妙に納得させられた。 そして、日々の自分の生活を顧みて、申し訳なさを感じるとともに 日々を大切に生きることが彼らへの 感謝、追悼を表すことになるのかもしれない。 が、そう思う反面、 「追悼」という表現は果たして正しいのか という疑問も感じる。 もしかしたら、それは若杉将校の思いに相反するのかもしれない。 あとがきにおいて、 「我々にできることは、亡くなった若杉たち特攻隊員に 寄り添って考えてみることではないか」とあるように、 彼らの気持ちは完全には分からないまでも、 寄り添い考える姿勢でなければ、 もしかしたら、「追悼」などというのはおこがましいことなのかもしれない。
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