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ポスト・ブックレビューの時代(上) 倉本四郎書評集-1976-1985
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 右文書院 |
発売年月日 | 2008/07/14 |
JAN | 9784842107110 |
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ポスト・ブックレビューの時代(上)
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ポスト・ブックレビューの時代(上)
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倉本四郎に初めて出会ったのは、偶然手にした『本の宇宙あるいはリリパットの遊泳』(1986年・平凡社)という魅力的なタイトルの本を、血気盛んな高1の春に読んだときでした。 ・・・・荒ら草ジャンの読書・異郷にさわぐ風・都市の闇の子ら・男根的憂鬱と女のデーモン・いっときの慰め・ゲーム...
倉本四郎に初めて出会ったのは、偶然手にした『本の宇宙あるいはリリパットの遊泳』(1986年・平凡社)という魅力的なタイトルの本を、血気盛んな高1の春に読んだときでした。 ・・・・荒ら草ジャンの読書・異郷にさわぐ風・都市の闇の子ら・男根的憂鬱と女のデーモン・いっときの慰め・ゲームのような現実・生き物からの信号・・・・ 今こうして目次を並べてみるだけで、他の誰も言及したことがないようなことが書かれているのを期待させる、その特徴的な不可思議な雰囲気が醸し出されてきて、思わず胸がキュンとなります。 それまで文芸評論家といわれる人たちの、本についての批評しか読んだことがなかった私は、この時期にほとんど偶然、3人の斬新な本の批評を書く人たちに出会っています。 ひとりは、この倉本四郎。もうひとりは、かつて2、3度このたなぞうにも著書をとりあげたことがある、『狐の書評』『野蛮な図書目録』の狐こと山村修。 そして、3人目は中学生の頃からその映画評論を読んできた四方田犬彦です。 倉本四郎が食道癌で亡くなったのが2003年8月23日ですから、2006年8月14日に肺癌で身罷った狐=山村修よりも先だったわけです。共に59歳と56歳という早すぎる死です。 3人が、本の内容紹介的なものが書評だという常識を打ち破った批評文を書いた功績は大きいと思います。2、3頁の文章の中にも、幅広い教養と深い思索に裏打ちされた、研ぎ澄まされたひらめきのある表現が随所に散りばめられていて、その文章そのものが、それだけで一個の新しい文学作品として自立した瞬間に立ち会うことの愉快さ。 もちろん、該当する本へと誘われるときの、催眠術にかかったときのような得も知れぬ心地よさ。時には、その切っ先は鋭く作家の喉元を切り裂くような辛辣な酷評となって襲います。 かつて狐=山村修は、恐れ多くもわが筒井康隆の『虚航船団』に対して、退屈だとかなんとかという独断的な批評を加えたのですが、たしかにあれを筒井康隆以外の人が書いたとしたら、とても私は読む気にはなれませんでした。
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