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ミステリーでも奇術でも 文春文庫
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ミステリーでも奇術でも 文春文庫

泡坂妻夫(著者)

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ミステリーでも奇術でも 文春文庫

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 文藝春秋
発売年月日 1992/10/10
JAN 9784167378073

ミステリーでも奇術でも

¥330

商品レビュー

3.5

2件のお客様レビュー

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2023/08/29

 色んな雑誌等に掲載された、ひとつあたりの長さはせいぜい文庫本で二ページ程度の泡坂妻夫の随筆を、テーマごとにまとめて並べたエッセイ集。そのテーマとは、「生い立ち」「奇術」「ミステリー」の三つで、刊行時点(単行本は一九八九年刊行、文庫化は一九九二年)までの泡坂さんを知るには最高の本...

 色んな雑誌等に掲載された、ひとつあたりの長さはせいぜい文庫本で二ページ程度の泡坂妻夫の随筆を、テーマごとにまとめて並べたエッセイ集。そのテーマとは、「生い立ち」「奇術」「ミステリー」の三つで、刊行時点(単行本は一九八九年刊行、文庫化は一九九二年)までの泡坂さんを知るには最高の本。泡坂妻夫自身による泡坂妻夫語りをこれだけまとめて読んだのは初めてだったので、嬉しい。  まず生い立ち編は、紋章上絵師でもあって奇術師でもあってミステリー作家でもあって会社勤めの経験もあって…という、これまでこぼれ話的に知っていたものの「どういうこと?」と思っていた泡坂さんの複雑な経歴が、ご自身の断片的な語りの数珠繋ぎ形式で整理されており、すっきり気持ちいい(笑)。気持ちいいだけでなく、終戦時十二歳(たぶん)であった東京神田生まれの少年の戦争・戦後体験記としても読み応えがある。  奇術編、ミステリー編では、どちらも泡坂さんの生涯の楽しみ(生業でもあるのに「楽しみ」なんて言ってしまったが、私としては軽んじているつもりはなく、本当に泡坂さんがそれらを大好きで生涯をかけて楽しんでいると感じたから、敢えて「楽しみ」と書く。)となるものとの出会い、のめり込んだ日々、今もなお大好きという様子が綴られる。奇術論、ミステリー論もとっくりと。それと絡まって、奥様との出会いや、三人の娘さんが加わってのご家族での暮らしも見えてくる。  また、これまでに読んだ『乱れからくり』『煙の殺意』『喜劇悲奇劇』『11枚のとらんぷ』『亜愛一郎シリーズ』などなどの、あのシーン、あの人物、あのアイディアが、泡坂さんのこの経験が元になっているんだ!という発見(というかはっきりそう書いておられるものも多い)がちらほらあるのが楽しい。未読作品ももっともっと読んでから、また読みたいな。この本買ってアワツマ年表を作りたい。  最後に、ミステリー編で言及されていた作品や作家などのうち私が覚えているものをメモ。乱歩、ブラウン神父、ポー、アルセーヌ・ルパン、エドワード・D・ホック『怪盗ニック』シリーズ、ジェローム・K・ジェローム『ボートの三人男』、曲亭馬琴、高田衛『八犬伝の世界』、中井英夫『虚無への供物』。

Posted by ブクログ

2018/09/07

この作者の手による、初のエッセイ集。 感想は、と云えば、可もなく不可もなくといった感じ。文体としては星新一に似ていると思う。力も入らず、淡々とした印象を受けた。だから盛り上がりが無い。 が、しかしこれが意外と効果を上げているものもある。特に『喜劇悲奇劇』の創作裏話は淡々としてい...

この作者の手による、初のエッセイ集。 感想は、と云えば、可もなく不可もなくといった感じ。文体としては星新一に似ていると思う。力も入らず、淡々とした印象を受けた。だから盛り上がりが無い。 が、しかしこれが意外と効果を上げているものもある。特に『喜劇悲奇劇』の創作裏話は淡々としているが故に、かなりの頭脳労働をさらりと語っている辺りに粋を感じた。 しかし、器用な人だ、この人は。

Posted by ブクログ

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