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学力低下は錯覚である
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 森北出版 |
発売年月日 | 2008/06/30 |
JAN | 9784627975118 |
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商品レビュー
3.6
8件のお客様レビュー
学力低下は、「縮小のパラドックス」が原因である可能性が極めて高い。 つまり、集団全体のレベルが何も変わらない、「上澄み」の人数は減る。 それだけではないだろうが、このことが最も強く効いているのは間違いないだろう。 この手の誤解は、もの凄く多いと思う。
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大学等の教育現場や各種メディアでも耳にする 「大学生の学力が低下している」 「日本の子供の学力が低下している」 という内容を、著者が取り揃えたデータから否定してみたという本。 著者があとがきにて触れているように「大学での議論がかみあわず、その原因はデータがないこと」...
大学等の教育現場や各種メディアでも耳にする 「大学生の学力が低下している」 「日本の子供の学力が低下している」 という内容を、著者が取り揃えたデータから否定してみたという本。 著者があとがきにて触れているように「大学での議論がかみあわず、その原因はデータがないこと」という体験をもとに、それではデータを取り揃えて説明を・・・と。 例えば大学の教育現場等での実感として「学力が低下している」のは事実で、全体の学力が「下がっている」のではなく、”少子化と大学定員数から来る必然”とデータで示しています。 世の中の通説となりつつある認識違いを突いたという点では評価していますが、残念ながら言っていることが全て正しくて、論理展開も十分納得できるものとは思いませんでした。(本にあるデータだけでは適切な判断ができない内容もあります。ページ数の関係から敢えて不要とし省略したのだと解釈していますが。) 重要なのは、データなどの根拠に基づく論理展開すると“人を納得させやすい”ということ。 ロジカルシンキングを学びたい人に対して、導入のためのビジネス本としてお勧めしたいです。
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ゆとり世代と言われた自分達の教育について学力の観点から理解してみたくなり、手に取る。 近年叫ばれている日本人の学力低下をテストの結果だけで判断することなく、様々なデータを用いて解明し、あるべき教育システムについても述べている。 例えば国際的学力達成度を図る調査で日本の順位が下...
ゆとり世代と言われた自分達の教育について学力の観点から理解してみたくなり、手に取る。 近年叫ばれている日本人の学力低下をテストの結果だけで判断することなく、様々なデータを用いて解明し、あるべき教育システムについても述べている。 例えば国際的学力達成度を図る調査で日本の順位が下がっていることを取り上げているが、実施国の増加を考慮しておらず、割合で判断するとむしろ学力が向上している科目すらもある。 ゆとり教育での学力低下を大学教授が叫ぶ理由は、学校の定員が人口減少に対して調整を行っていないためであることで発生しているという見方もわかりやすかった。 また、ゆとり教育の影響で授業の内容が削減されたことで授業の内容を本当に理解するまで教えられなくなったことを上げていた。 他にも勉強で教えるべき科目や教える科目の順序など述べており、いちいち納得してしまった。 本のタイトルに準拠するならば、世間で騒がれるようなことは物事の一面でしか判断していないこともあり、客観的なデータはときに思考停止に陥ることもあると改めて教えられた。 物事の因果関係を理解するには、様々な要因を客観的、時には主観で仮説をたてて検証するなどが必要であると思う。 もちろん教育が不完全であり学力の低下を楽観視できないことには間違いないと思うが、原因や解決策を発見するには複雑な物事のメカニズムをきちんとしたデータの扱いで行うべきである。 本のなかでも深刻だと感じたのは、 よく分かるという子供の割合が減ったということ。 日本は教育に対する私費(特に高校以降)が高いということである。 ペーパーテストで客観性を測ることを重視した偏差値を導入したことの意図は理解していないが、私見では偏差値導入がすべての根源でありそうに思える。 偏差値を導入することで客観性は担保されるかのように見える。 客観性は人を安心させたり説得するための手段としても用いられるため、民間や他の組織が営利目的で教育を行うために用いて参入するには数十年という期間は十分であっただろうと思う。 大学側も偏差値で人材を判断する方がある程度効率的だろう。 批判されている偏差値主義も、経済成長下では急速に先進国に追いつこうとするための有効な策だったのかもしれないが。 子供の勉強に対する好奇心やインセンティブは受験に向けられてるべきではないだろう。 それが学問のことを「よくわかる」子供を減らすことになるだろうと多くの人が言っているように思う。
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