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お尻に火をつけて
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 晶文社 |
発売年月日 | 2008/06/30 |
JAN | 9784794967299 |
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お尻に火をつけて
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商品レビュー
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無理矢理な引力があるわけじゃなかったし、 ありのまま、なんて言葉も当たらない気がする。 軽妙な筆致、潔く見える思考。 でも本当はどこまでも深く内側を見つめてしまうような目線があるなぁ、と思わされてしまって、その世界観をぜひ、ナマの声で聞いてみたいと思ったら矢も盾もたまらず、席を...
無理矢理な引力があるわけじゃなかったし、 ありのまま、なんて言葉も当たらない気がする。 軽妙な筆致、潔く見える思考。 でも本当はどこまでも深く内側を見つめてしまうような目線があるなぁ、と思わされてしまって、その世界観をぜひ、ナマの声で聞いてみたいと思ったら矢も盾もたまらず、席を予約してしまったのでした。 きっと気に入るだろうとこの本を見立ててくれた人の眼力も凄いのだけれど、読み終えて会ってみたくなった時に、行ける距離で直近にチャンスがあって、全ての都合がなんとかついちゃう、という自分の運も嬉しくてつい、得意気な気分になってしまう。物事がこんな風にトントン拍子で転がっていく時は大抵、全部がうまく行く時。根拠はないけど経験値で、自信がある。幸先の良い出会いに乾杯! 旅のエピソードの合間、合間に、突き詰めれば「人間とは」「生きるとは」のようなテーマになってしまうのであろうことが、随所に、ひっそりと登場する。 そんな深刻さを感じさせない調子で描かれていて、ともすれば通り過ぎてしまいそうなほどの自然さ。 挿絵も、そしてライブの時の佇まいや歌もまた同様にそんな感じで矛盾がなくて、、、たぶん嘘がないからかな、と思うけれど、嘘がないようにするって実はすごく難しいことのはずなのに凄い、と思う。 文章でも音でも歌でも話す言葉でも、そんな風に自分を表現できる人にはいつも、憧れてしまう。 こんな風にワクワクできる出会いは久しぶり。 よし、また会いに行こう! この本が、キッカケになってくれました。
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鈴木亜紀さんはピアノ弾き語りのシンガーソングライター。今はなき,川越の「鶴川座」という,古い芝居小屋をそのまま利用したライヴハウスで行なわれた,ライヴイヴェントに出演していたのを初めて聴いた。ピアノの鍵盤がお客さんの方を向いていて,「お尻を向けてスミマセン」という一言がかわいらし...
鈴木亜紀さんはピアノ弾き語りのシンガーソングライター。今はなき,川越の「鶴川座」という,古い芝居小屋をそのまま利用したライヴハウスで行なわれた,ライヴイヴェントに出演していたのを初めて聴いた。ピアノの鍵盤がお客さんの方を向いていて,「お尻を向けてスミマセン」という一言がかわいらしく,「パン粉で揚げたものをまたパンで挟むなんて」というフレーズのある「ハムカツサンド」という曲が印象的だった。他の出演者はNUU,広沢タダシ,ハンバートハンバート,ハシケン,リクオという私の好きな人ばかりで,そのとき初めて聴いた有山じゅんじさんや,東京60WATTSなどもいたが,なんといっても鈴木亜紀にやられた日だった。 彼女がホームグラウンドとしている外苑前のZ・imagineというお店のマンスリーライヴにはその後4ヶ月連続で通ったような記憶がある。 ステージ上ではかなり素な状態の彼女だが,意外にシャイのような気がする。私はすぐに仲良くなれるミュージシャンと,顔見知りになってもなかなか打ち解けない人といるけど,鈴木亜紀さんは後者。私もなぜか緊張してしまい,未だに上手く話が口から出てこない関係。そんな彼女は以前,開演を待つお客さんに「さくらえび通信」という,誰もが小学校の頃に作ったような,手描きの新聞のようなものを配っていたらしい。旅行好きな彼女はそんな旅行記をまとめて書いていたのが「さくらえび通信」。残念ながら私はそれをもらったことはなく,もう作らないのかなあ,と寂しく思っていたら,過去のものがまとめられて一冊にされたのが本書。しかも,私もけっこう持っている晶文社から出版というから驚きだ。亜紀さんは以前にも自らの写真集を出版しているし,CDの方は10年間で3枚半というからのんびりだが。ちなみに,「半」というのは,本書と同時期に発売されたのは中ムラサトコさんとやっているイヴェント「鍵盤女」のライヴ盤であり,また自主制作盤であるから。 さて,本書の内容ですが,以下のような感じ。 i 惑星リリアナ(アルゼンチン)2004年5月 ii Mの帰郷(愛知県湯谷温泉)2000年5月 北の冬(青森)200年3月 みんな中国へ行く(中国西安)1999年9月 もの思い(沖縄)1999年11月 ここは地の果て(スペイン)2001年11月 はずれの旅(島根県出雲)2001年4月 ただよう正月(沖縄)2001年1月 お尻に火をつけて(スペイン)2003年5月 iii 果ての海(アルゼンチンウシュアイア)2007年10月 1章はけっこう長い。1章分が1回に配られた「さくらえび通信」だったのだろうか。まあ,シンガーソングライターというのは詩人でもあるわけだから,こうしたちょっとした文章でもつまらないわけがない。ただ単に旅の行動が臨場感溢れて伝わってくるだけではなく,亜紀さんの心情の動きがよく分かるところが面白い。それに,そもそもが旅先での珍事がなんといっても素敵だ。上に,単なるお客さんとは誰とでも打ち解けるわけではない,と書いたが,そういう人ほど旅先での一期一会の度胸が素晴らしい。私なんて,そもそも人見知りだが,旅先での出会いなんて未知数なものに気体はできないタイプだ。そもそも,それが不安で旅はあまり好きではない。でも,他人の旅日記を読むのは好き。 さて,そんな旅日記だが,なんといってもシンガーソングライター鈴木亜紀として読み応えがあったのが,冒頭の「惑星リリアナ」。リリアナとは亜紀さんが惚れ込んだアルゼンチンのシンガー,リリアナ・エレーロのこと。亜紀さんは10年前にリリアナを知り,来日公演を待ち望んだが,日本では一部でしか知られない存在であり続け(まあ,CDは置いてあるくらいだが),一向に来日する気配がないので,アルゼンチンまで聴きに行った。この旅日記はその時のもの。そして,日本の人にもリリアナを知ってもらうべき,リリアナのCDの日本盤を,亜紀さんの解説付きで発売し,そして昨年はついに亜紀さんが企画してリリアナ来日公演まで実現したのだ。私もその話は亜紀さんのライヴでよく聞いていたので,吉祥寺star pine's cafeで行なわれたライヴには足を運んだ。そのライヴは満員御礼,大盛り上がりで大成功に終わったわけであるが,私的にはリリアナの偉大さをそれほど実感したわけではなかった。しかし,この旅日記を読んで,いかに初めてリリアナに会いに行ったときの亜紀さんの旅が面白いもので,また亜紀さんを迎え入れるリリアナファミリー(本当の家族という意味ではなくスタッフや周辺ミュージシャンなどのこと)の暖かさなど知り,その旅がいかに愛に満ちたものかを知ることができる。そんなこともあって,できれば,昨年のリリアナライヴの前にこの文章を読んでいれば,より楽しむことができただろうと思う。
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