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詩人・菅原道真 うつしの美学 岩波現代文庫 文芸136
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 岩波書店 |
発売年月日 | 2008/06/17 |
JAN | 9784006021368 |
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詩人・菅原道真
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商品レビュー
4.5
3件のお客様レビュー
歌人というより漢詩人というべき菅原道真を論じているのですが、時代はもちろん万葉集の時代ではなくて、古今和歌集の時代の人。国風文化が生まれてくる歴史的な現場での、翻訳の話として僕はとても興味深く読みました。 https://plaza.rakuten.co.jp/simaku...
歌人というより漢詩人というべき菅原道真を論じているのですが、時代はもちろん万葉集の時代ではなくて、古今和歌集の時代の人。国風文化が生まれてくる歴史的な現場での、翻訳の話として僕はとても興味深く読みました。 https://plaza.rakuten.co.jp/simakumakun/diary/201907130000/
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「和歌は究極のところ、「人間」を示すよりは「気分」そのものを示そうとします。これに反して、漢詩は、「気分」よりは、それをそのような気分としてあらしめている諸条件を背負った「人間」そのものを示します。」
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詩人である著者による「漢詩人」としての菅原道真論。 菅原道真に関連する書籍や資料を読んでいて、彼が和歌も漢詩も詠める人であることは知っていましたが、この本を読んだことで、彼が優れた詩人であったことを知ることができました。 道真の死によって漢詩の文化が終わり、直後に編纂された「...
詩人である著者による「漢詩人」としての菅原道真論。 菅原道真に関連する書籍や資料を読んでいて、彼が和歌も漢詩も詠める人であることは知っていましたが、この本を読んだことで、彼が優れた詩人であったことを知ることができました。 道真の死によって漢詩の文化が終わり、直後に編纂された「古今和歌集」などによって和歌の時代が訪れたということも実感することができました。 文章博士として政治の世界に入っていった道真ですが、「学者」であり「詩人」であるのが彼の本質だったのだろうと思うと、何故、あのような道筋をたどることになってしまったのか、なんだか口惜しい気さえします。いや、でも、あのような運命を辿ったからこそ、現代まで語り継がれているのでしょうけれど…。 「うつしの美学」という副題の、「うつし」という部分に関しては、なんとなくよくわからなかったので、この本の序章の「うつし」序説の部分を読み始めたときには、この本を読み終える事ができるかどうか不安だったのですが(あはは)、菅原道真の話になった途端に、非常にわかりやすい語り口で、「和歌」と「漢詩」と菅原道真という人を語ってくれていて、あっという間に深く道真の漢詩の世界に引き込まれました。漢詩は全くわからないのに、漢字の羅列を見ると、なんとなく美しいとまで思えるぐらいに。 なんども読み返してみたくなる本。いい本に出会えました。 そうそう、和歌と漢詩では、和歌は写実的な表現を用いずに心情をほんわりと歌うもの、漢詩は和歌よりも情報量が多いのだという違いがあることを知りました。和歌に対して道真が関しで解説を入れているという「新撰万葉集」というものに興味が湧いてきました。漢詩が読めないから、原文を読んでもわからないだろうけど。 その「和歌」と「漢詩」の違いから、ふと在原業平のことを思い出して、同時代で、実際に交流もあったであろう業平と道真は、正反対の詩人(歌人)だったのだろうなと思ったり。紀貫之によると、業平は「気持ち有り余っているけど言葉(技巧)が足りない」という評価だったらしいので(笑)、情熱だけで歌を詠んだ人だったということなのでしょうね。それに対して、道真の詩は、中国の古典を踏まえた言い回しを随所に散りばめたものだったようなので、学問や積み重ねや技巧を凝らしたものだったのだろうなと。残した詩(歌)から人柄がわかるようで、興味深いですよね。 それにしても、菅原道真という人物は、本当はどんな人だったのだろう。さらに知りたくなりました。
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