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アイガー・サンクション 河出文庫
定価 ¥748
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 河出書房新社 |
発売年月日 | 1985/07/01 |
JAN | 9784309460147 |
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アイガー・サンクション
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アイガー・サンクション
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商品レビュー
4
4件のお客様レビュー
筆者は「普通の〇〇小説ならこうなるだろう」という構造の逆を書いて定石を崩すことでパロディーであるにもかかわらず一流の〇〇小説を作り上げるのを好む非常に嫌味な作風であるが、本作も筆者のお得意の手法。 主人公は007と真逆のタイプで、そうであるにもかかわらず女にモテることでマッチョイ...
筆者は「普通の〇〇小説ならこうなるだろう」という構造の逆を書いて定石を崩すことでパロディーであるにもかかわらず一流の〇〇小説を作り上げるのを好む非常に嫌味な作風であるが、本作も筆者のお得意の手法。 主人公は007と真逆のタイプで、そうであるにもかかわらず女にモテることでマッチョイズムを手玉に取る。ヒロインは黒人女性で、友情はボロボロに崩れ落ち、山岳冒険シーンは終盤に少しだけしか出てこず。。。 どんでんがえしのためのどんでんがえしみたいなただただ読者を驚かせるために媚を売るような部分がないので、通俗性と隔絶した孤高の魅力がある。通俗が悪いわけではないのだけど。 復讐が成功するエピソードは映像的で印象に残るし、後日譚も狂っていてやばい。伏線ってこういう風に貼るんだよね。人間の弱さや恐ろしさや二面性を描くためにさ。けして読者を驚かせるためのビックリドッキリショーのためではなくてさ。 山は苛烈で人間の弱さが浮き彫りになるのがよい。山を通じで人間関係も変化する。
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映画の方を先に観ちゃったけど、書籍で手にしたのは80年台後半?下手したら90年台?面白かったです。続編のルー・サンクションは積読中。
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ようやく「これは!」という作家を見出した私は早速各社の文庫目録でトレヴェニアンの作品をチェックした。非常に寡作な作家であり、その時点で入手可能な作品はハヤカワノベルスの『シブミ』と河出文庫の本作と『ルー・サンクション』の3作のみ。『このミス』1位の『夢果つる街』は絶版で長らく手に...
ようやく「これは!」という作家を見出した私は早速各社の文庫目録でトレヴェニアンの作品をチェックした。非常に寡作な作家であり、その時点で入手可能な作品はハヤカワノベルスの『シブミ』と河出文庫の本作と『ルー・サンクション』の3作のみ。『このミス』1位の『夢果つる街』は絶版で長らく手に入らず、98年の復刊企画にてようやく手に入れることが出来た。この作品の感想については後に述べるつもり。未読の方はぜひ読んでみて下さい。傑作です。 話は戻って、当時文庫目録に記載されていたこの作品も入手困難だった。河出文庫は老舗なのだが、書店における棚の占有率は低いため、あまり置かれていない。したがって、これも当時書店に注文して入荷してもらった。同時に『ルー・サンクション』も注文したが、目録に載ってあるにもかかわらず既に絶版だった。しかし『ルー・サンクション』は約11年後、思わぬ形で遭遇するのである。それについても感想に述べるつもりです。 さて、本書だが、いかにも昔の文庫という表紙で、しかも装丁も当時の河出文庫のデザインの1つ前の物だった。このいかにも昔の文庫という表紙とは、猛々しい筆使いの力の入ったイラストで、しかも主人公と思われる人物がまんまクリント・イーストウッド。後で知ったのだが、本作はイーストウッド主演で映画化されていたのだった。 で、感想はといえば、注文してまで手にした甲斐があった。いやあ、これぞ冒険小説だと云わんばかりの内容。優れた登山家にして美術鑑定家ジョナサン・ヘムロックはさらに殺し屋でもあるという、インディ・ジョーンズみたいな人物造形。彼が所属しているCIIに依頼されたのはアイガー北壁の登山隊に合流して、その中の裏切り者を殺せという物。いやあ、シンプルかつスリル溢れる設定ではないか。 シンプルな設定をいかに読ませるかは作者の筆運びにかかっているのだが、このトレヴェニアンという作家は非常にそれが巧みだ。『シブミ』のニコライ・ヘルとは対極にある、洒脱な主人公とそれを取り巻く特徴的かつ魅力的なキャラクター。そして実際作者自身も登山家ではないかと思わせるほどの準備段階での訓練の緻密さ、そしてもちろんアイガー登攀シーンの迫真性。自然という脅威に加えてそこに裏切り者がいるという二重の困難を織り交ぜることで、さらに物語をエキサイティングにしている。これは確かに映画向きだし、表紙の絵も手伝って、私の中でヘムロックはイーストウッドになっていた。 しかし私の貧弱な記憶力ではここまで。誰が裏切り者だったか覚えてません(爆)。しかしそれでも面白かったという余韻は未だに残っている良作である。通常ならば5ツ星を献上するところだが、私は同作者の『夢果つる街』を読んでしまっているのでそれと同列に並べることが出来ないんですね。それくらい『夢果つる街』はお勧めです(あれ、最後は別の本の感想になっちゃった)。
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