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蹇蹇録 新訂 日清戦争外交秘録 岩波文庫
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蹇蹇録 新訂 日清戦争外交秘録 岩波文庫

陸奥宗光(著者)

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 岩波書店
発売年月日 1992/09/01
JAN 9784003311417

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商品レビュー

4.6

8件のお客様レビュー

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2024/06/28

外交という虚々実々の駆け引きが日常茶飯の舞台で、押したり引いたりの交渉をしながら、自国にとって何が最も優先されるべきかを考え尽くしてその任に携わった稀有な記録である。 果たして、現今のわが国の外務大臣は、著者のような考えで外交にあたっているのか、はなはだ疑問に思わざるを得ない。

Posted by ブクログ

2024/03/18

ビスマルク曰く、大国は自分たちに利益があれば国際法を守るが、自分たちに不利であれば軍事力にものを言わせて国際法を守ることはない。公法を気にするより、富国強兵を行い、独立を全うすることを考えよ。さもなくば植民地化の波に飲み込まれる。久米邦武『米欧回覧実記』1878 *******...

ビスマルク曰く、大国は自分たちに利益があれば国際法を守るが、自分たちに不利であれば軍事力にものを言わせて国際法を守ることはない。公法を気にするより、富国強兵を行い、独立を全うすることを考えよ。さもなくば植民地化の波に飲み込まれる。久米邦武『米欧回覧実記』1878 **************** 閔氏一派がロシアに接近、ロシアは朝鮮半島の日本海側(永興湾)の租借を要求。これを知った英は、ロシアの朝鮮進出を妨害するため、巨文島を占領、要塞を築いた。ロシアが朝鮮を占領しないことを条件に英は巨文島から撤退した。巨文島(きょぶんとう)事件1885 **************** 朝鮮は農民反乱(甲午農民戦争1894)を自力で鎮圧できず、清に泣きつく。清は天津条約を破り、日本に通告なしに朝鮮に出兵。伊藤博文は清との開戦を決意。 日清戦争のさ中、伊藤博文総理が私(陸奥宗光・外務大臣)にひそかに言った。講和の時期は熟していない。清が戦争を終わらせる誠意があるのか未だはっきりしない。よく注意しなければ、私たちの講和の目的は達成できない。清がいう「全権」というのも一般的に国際法で定義されるものではないp.236。下関条約。伊藤博文と陸奥宗光が全権。李鴻章。1895年4月17日締結。 下関条約に干渉する動きがあると在露と在独の大使から電報が届いた。伊藤総理に露による干渉の動きがあることを伝えた。4月23日、露独仏の公使が東京の外務省を訪問、「遼東半島の所有を放棄しろ」と言ってきた。私(陸奥宗光)としては、露仏独の要求を一旦拒絶し、彼らがどう出るか、彼らの腹の内を深くさぐった上で、外交上の策を講じるべきだと考えるp.304。それに対して伊藤総理は言う「三大強国の勧告を拒絶するのは無謀だ。露は海軍を極東に集結させており、露の腹の内はさぐらずとも明白(ロシアによる満州・朝鮮の支配)。日本軍は日清戦争で疲弊している。今、こちらから挑発し、相手に対日本開戦の口実を与えるのは危険が大きい」p.308。 露の干渉には譲歩せざるを得ないとの結論に至るが、できる限りの駆け引きをする。在英の加藤高明公使に「英に対し、露は極東進出の野望があること、英の利害は他の欧州各国と一致しないことを伝え、英から助力をどれほど得られるか、その可能性を探れ」と伝えるp.311。同様に米から助力を得られないか探らせる。 露は遼東半島を日本に取られると、露の極東進出に支障が出るから干渉した。仏は露仏同盟から。しかし独が(昔からの恨みがある)仏と組んでまで干渉してきたのはなぜか。独は露仏に左右から挟撃される場所にある。独にとって嫌なのはそれら露仏の同盟がさらに深まり、自国を脅かすこと。なので日本への干渉で結束している露仏の間に割って入り、上手く立ち回って露仏の関係を冷却させようとしたp.354。 陸奥宗光(1844-1897)『蹇蹇録けんけんろく』 ※和歌山出身。神戸の海軍塾で勝海舟に師事。 ***************************** 米は日の山東権益を承認、日は米の中国進出を承認(石井ランシング協定1917)。ワシントン会議(九ヵ国条約)により破棄。 ********************* 駐仏大使としてヨーロッパの情報を収集分析した。第1次大戦末期に、ドイツの植民地はすべて取ったから講和しようという声が一部あったが、英仏と最後まで戦うべきだと主張。実際、日本は最後まで英仏と戦う。結果、日本はパリ講和会議(1919)に大国として招かれた。 フレデリック(フリードリヒ)大王以来、プロイセン・ドイツと組んで幸せになった国はない。七年戦争でフランスのルイ15世はフレデリック大王に騙された。ビスマルクはオーストリアとトルコを馬のごとく扱った。イタリアはドイツを裏切って英仏についたので幸せになった。イタリアも信用できない国だが、ヒトラーは吸血鬼のような人間だ。 石井菊次郎(1866-1945)『外交随想』 ※千葉出身。2大隈内閣で外務大臣。

Posted by ブクログ

2022/09/23

一級の日清戦争史料。陸奥宗光の胸中がわかる貴重な一冊。東学党の乱から三国干渉までの外交交渉の詳細が記されている。現代にも通じる外交のエッセンスが詰まっているようでいつか再読したい。 意外に思ったこととしては、朝鮮における日本人の国際法遵守の動きが条約改正に大きな役割を果たしたこ...

一級の日清戦争史料。陸奥宗光の胸中がわかる貴重な一冊。東学党の乱から三国干渉までの外交交渉の詳細が記されている。現代にも通じる外交のエッセンスが詰まっているようでいつか再読したい。 意外に思ったこととしては、朝鮮における日本人の国際法遵守の動きが条約改正に大きな役割を果たしたこと。日本政府は文明国として国際条約に敏感で、逆に国際法に基づいて居れば欧米にもかなり強気な態度をとっているなという印象を持った。例えば、アメリカ船拿捕や東郷平八郎の高陛号(?)はかなり刺激的だが、国際法に基づいている。なぜその国際法を遵守する優等生の日本が昭和期に入って強引な運営に変わったのか不思議である。 また陸奥の清・朝鮮への見方が面白い。最初の方で袁世凱等の清国人が議会制民主主義を理解できていないことが示唆されていた。今の中国も民主主義や三権分立が定着しているのかは(特に一般レベルでは)疑問である。李鴻章には辛辣な評価を下しているが、自分としては李鴻章も東洋的政治家としては傑出しており、清国の立場であれば見苦しいながらも本文中のような行為を取らざるを得ないだろうと思った。日本が英露の勧告も聞かずあくまでも清国に和平案の具体的提示を求めていたのは、冷酷に思えるが合理的行動だったといえる。 また、朝鮮の事大主義への侮蔑も多かった(知的な陸奥ではあるのであからさまない表現はなかったが)。朝鮮改革を目指す日本を清国を使って追い出そうとしたり、文書が曖昧であったりと、陰険さが目立った。小国としては仕方ないだろうが、文明国として自立した明治日本とは比較できないように感じた。 ロシアの三国干渉については、外交担当者の豹変が興味深かった。欧州情勢の中でドイツがけしかけたこととはいえ、日本が朝鮮情勢に欧州の干渉を恐れていたことが興味深かった。米中冷戦終了後、アジアの新秩序を築いていく上で問われることである。 2022夏

Posted by ブクログ

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