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素敵な活字中毒者 集英社文庫
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 集英社 |
発売年月日 | 1990/10/23 |
JAN | 9784087510232 |
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素敵な活字中毒者
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商品レビュー
3.5
4件のお客様レビュー
古い本を捨てようと努力中。うまくいかない。 これも、捨てる前にと読んでみた。 アンソロジーで、内容はエッセイと小説が混じっている上、出来もバラバラ。玉石混淆という言葉がぴったり。出た当時はバランスがとれた内容だと椎名誠は思っていたのだろうか。 石の方は、すぐさま捨てて何の後悔もな...
古い本を捨てようと努力中。うまくいかない。 これも、捨てる前にと読んでみた。 アンソロジーで、内容はエッセイと小説が混じっている上、出来もバラバラ。玉石混淆という言葉がぴったり。出た当時はバランスがとれた内容だと椎名誠は思っていたのだろうか。 石の方は、すぐさま捨てて何の後悔もないが、玉の方が素晴らしく、捨てる決心がまた鈍ってしまう。 石になったのは、当時(1983年)は普通あるいは面白かったことが、今ではそうではなくなったということが大きい。例えば江國滋(香織さんの父)の「いちばん熱心に読んだ本」。 「現役銀行マン」(銀行員、ではない)が書いた企業小説「重役室25時」。この段階で突っ込みどころ満載(今は誰も読んでいない、企業小説、おじさんしかいない重役たち、25時まで働く男たち)なのは置いておくとして、江國滋は「絶妙」と褒めたあと、「女が出てこなかったらもっとこくのある快作になっていただろうというのが正直な感想である。この種の小説の場合、さまざまな女をちりばめることによって作品に多彩さが加わるというのは、実は作家の錯覚なのではないだろうか。」(P278) ここで果たされる「女」の役割というのは、(銀行内や飲み屋などでの)恋愛とエロ要素、(家庭内での母、妻、娘などの)内助、癒し、無理解要素だと思われる。これを削って男だけのビジネス小説にした方が良かった、と言っているのだろう。 また別のところでは参院選が始まったという文章のあと、「女性の立候補者数新記録の由。その一事だけでも、世の中、確実に悪くなっている。」(P282) このエッセイの最後では入手術後の入院中に妻と娘たちが見舞いに来たことを喜んでいるし、娘から電話がかかってくる場面は、愛情に満ちている。 「昭和の男」(とひとまとめにしては悪いけど)にとって、女は男の仕事を邪魔せず、愛情と癒しを与え、家事育児介護を一人でしてくれるのが当然なんだなとしみじみ思い、この感覚の人たちが今も政治経済のトップを占めていることにガッカリする。 別に江國滋を個人攻撃するつもりはない。当時としては極めて普通の感覚だった。そして当時の読者である男性どころか女性も(この本を初めて読んだ時の自分も)、この文章に疑問を持たなかったというのがショックなのである。 野呂邦暢の小説「本盗人」でも「女ってやつは外見で判断できない」(P145)「女が信じられなくなったよ」(P146)という主語の大きさが気になる。 椎名誠「もだえ苦しむ活字中毒者地獄の味噌蔵」も、(当時は昭和軽薄体と呼ばれ、大変な人気だった)文体が今となってはもう面白くないというのは置いておくとして、沢野ひとし(椎名誠の本の表紙絵などを描いているイラストレーター)の本の読み方が「婦女暴行的」(P297)とあり、婦女暴行とはもちろん女性に対するレイプのことだが、それを本の読み方にたとえるということからして、いかに婦女暴行が軽微な犯罪と思われていたかという「時代の証言」になるな、と思った。 玉と改めて思ったのは鶴見俊輔「大衆小説に関する思い出」、野坂昭如「万引千摺百十番」、夢野久作「悪魔祈祷書」澁澤龍彦「文字食う虫について」。 鶴見以外は、ずっと憶えていて、読み返してもやはり面白かった。鶴見は、最初に読んだ時の自分が子どもだったため、よくわかっていなかったのだろう。今読むと素晴らしい。 野坂昭如の小説に出てくる人たちは男も女も大人も若者も全員ダメ人間である。タイトルも口にはしにくいが絶妙だし、学生運動が終わった頃の閉塞感のある社会の自立できない若者の心情を描いて妙である。 澁澤龍彦は当時は「知の巨人」という言葉はなかったが、それがぴったりだなと。彼の幻想文学の才が発揮されている。 夢野久作は、彼のエンタメ性とブラックユーモアがよく出ていて、今読んでも十分面白い。
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感動的なエッセイもあったはずなんですけれども、もう誰のだか忘れました… ヽ(・ω・)/ズコー まあ、活字中毒者を自称する? 人たちのエッセイといったところでしょうか…中には小説を書いている人もいましたけれども、自分的には解せないというか…いや、活字中毒者ならではのエッセイが...
感動的なエッセイもあったはずなんですけれども、もう誰のだか忘れました… ヽ(・ω・)/ズコー まあ、活字中毒者を自称する? 人たちのエッセイといったところでしょうか…中には小説を書いている人もいましたけれども、自分的には解せないというか…いや、活字中毒者ならではのエッセイが読みたかったんでね! ↑とは言っても素敵な短編も中にはありましたからまあ、いいですかね…。 僕も活字が好きなんですけれども、それがイーコール「小説好き」にはならないのが辛いところ…最近はブックオフ等で小説を買ってもただ買うだけ、になってしまっていますね…こんなことではあかぬのですが…このオムニバス作品の誰だかも述べてましたけれども、新聞・雑誌などを読むのに時間が取られてしまって、小説を読むのに手が回らないのです…さようなら。 ヽ(・ω・)/ズコー
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椎名誠氏が選んだ、活字中毒に関するエッセイや小説についての選集。 井上ひさしさんや江戸川乱歩の書いたものがあったため買ってしまいました。 活字中毒といっても、それには色んな種類があるらしいです。 ・とにかく何かしら文字を読んでいないと気が済まない ・有名な本の初版本を集めること...
椎名誠氏が選んだ、活字中毒に関するエッセイや小説についての選集。 井上ひさしさんや江戸川乱歩の書いたものがあったため買ってしまいました。 活字中毒といっても、それには色んな種類があるらしいです。 ・とにかく何かしら文字を読んでいないと気が済まない ・有名な本の初版本を集めることおよびそのために古本屋にかようこと とりあえずこの本で気づいたのはこの2つくらい。 私は若干前者の気があるらしいです。 私はかねてより、本の物質としての価値には特に重きを置いていないので、とりあえず良い内容のものが読めればよいという考えの持ち主です。 本は骨董品ではなく生活必需品かつ消耗品。 持論はこれくらいにして、この本の内容を。 私としては先に述べた活字中毒の後者にあたるものには特に興味を持てませんでしたが前者のタイプのものには好感をもちました。 古本の万引きの話にはビックリしました。そりゃ普通の本屋でもあるのだから、古本屋でないわけはないのだけど…… でも普通の本屋でも万引きだと現代社会の問題といったカンジの物語になりそうですが、古本屋が舞台だと人間ドラマに発展するような気がします。 古本がでてくれば、紙魚の話が一つくらいあるもので、実際に「文字食う虫について」で紹介されていました。この手の話は非常に好きです。 一度は紙魚を見てみたいものです。 最後の「もだえ苦しむ活字中毒者 地獄の味噌蔵」は非常に面白かったと同時に怖かったです。 なにもそこまでしなくともといったかんじ。 この次の解説でモデルとなった人との対談があり、リアルにあるんじゃないかと思ってしまいました。
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