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東地中海世界のなかの古代ギリシア 世界史リブレット94

岡田泰介【著】

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 山川出版社
発売年月日 2008/04/30
JAN 9784634349322

東地中海世界のなかの古代ギリシア

¥550

商品レビュー

3.7

4件のお客様レビュー

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2015/02/14

美術繋がりで、もう少しギリシャのバックグランドを知っておきたいと思い購入した何冊かの一冊。 個人的にはもう少し時代の新しい内容が知りたかったのですが、読んで良かった。私は美術の中で、まるで降ってわいたようにギリシャとその美術を捉えていたのだけれど、普通に考えたらそんなことあるわ...

美術繋がりで、もう少しギリシャのバックグランドを知っておきたいと思い購入した何冊かの一冊。 個人的にはもう少し時代の新しい内容が知りたかったのですが、読んで良かった。私は美術の中で、まるで降ってわいたようにギリシャとその美術を捉えていたのだけれど、普通に考えたらそんなことあるわけないよねぇ。色んな国と文明との関わりあってこそだよねぇ。 エジプトとオリエントの間に位置するのも、絶対無関係じゃないよねぇ。なんで疑問にすら思わなかったのだろう。まぁ世界史でそのように習ったという記憶を更新して来なかったためですけど。 学校で教わったことなどエッセンスに過ぎず、あとは自分で深め、広げて行けよ、と言われた気がしました。その意味でとても感謝。あと、物事の成り立ちや繋がりを考える時に、土地の位置や風土、前後の歴史を鑑みることも絶対大切。

Posted by ブクログ

2010/10/26

『黒いアテナ』は、いってしまえばシロウトが書いた本。大論争を巻き起こしたが、もともと極度に政治的な議論でもある。学界全体の議論がクールダウンには、それなりの時間を要したということだろう。おととし出版された本書は、まさしくそんな感じ。 多分それはタイトルにも出ている。さらっと書...

『黒いアテナ』は、いってしまえばシロウトが書いた本。大論争を巻き起こしたが、もともと極度に政治的な議論でもある。学界全体の議論がクールダウンには、それなりの時間を要したということだろう。おととし出版された本書は、まさしくそんな感じ。 多分それはタイトルにも出ている。さらっと書かれた「東地中海世界」は、つい見逃してしまいそうだけれども、新たに提唱されている歴史的空間なのだろう。 エジプトを時計盤の6時地点として、時計回りに9時のキプロス、そこから左にまっすぐ延びてクレタ。ふたたびキプロスに戻って回り、0時地点の小アジア、2-4時のシリア・パレスティナ。これがひとまとまり。ギリシャもれっきとしたグループの一員だが、リーダーではない。どう見ても「辺境」のポジションだ。イタリア以西の西地中海は外野でしかない。 その細かい論拠を知りたければ、本書を手にとってパラパラめくればよろしい。歴史のおもしろさは解釈の妙であって、つまり「よく知った事実」が「まるで違う意味」を見せるときにある。そういうのが多い。 例えばクノッソス宮殿。ラビリンス(迷宮)の語源であり、半牛半人ミノタウロスとあいまってドラクエなどRPGの類に与えた影響大なこの施設。これに集約された大規模建築技術、文字と印章に則った複雑な財政システム、祭祀制度 …それらいっさいのモデルはシリア、その先のメソポタミアにある(クレタ島自体には参照すべき前例がない)。 あるいは人体彫刻。「ギリシャ美術」といって人が想起するのは、御者像でありヴィーナスでありニケでありラオコーンだろう。 ところが大理石や玄武岩など、硬質の石材を用いて等身大サイズの大型彫刻をつくる、このコンセプトと技術はエジプト起源。ギリシャ人が大理石を使うのは、たまたまそれがその辺にゴロゴロ転がってたからにすぎない。 (ギリシャ人の新機軸があるとすれば、スッポンポンの裸体像にしたことぐらいだろう。むろん古典期後半の躍動感とか、その後の進化した超絶技巧は別…) アートにおけるこのような「東方化革命」は、ライオン列像でもそうだし、驚いたことには青銅像も同じ。人形を使った呪詛、占星術、動物内蔵を使った卜占なんかもそう、というのは楽しかった。 あと書物タイトルとオーサー名を末尾に記すギリシャのスタイルは、巻物ではなく2枚の板(書写板)を用いる、オリエント式の書記文化(文字だけでなく記録媒体やレイアウトなどいっさいを含む)を踏襲したからだとか。オモシロイ。 ギリシャ哲学の源流といえばミレトス学派、つまり小アジアだが、かのタレスの自然哲学も、エジプト・メソポタミアで発達した測量・占星・天体観測の蓄積を体系化したもの。「そっか、そうだよな…」と思うこの瞬間が、歴史の本の悦楽だと思う。 そして。プラトンを読めばいつも出てくる、あのおなじみのシュンポシオン。いい年こいた男どもが、花の冠をかぶって寝椅子に転がり、音楽と食事を楽しむあの宴席。 対話篇つまりおしゃべりのなかで練り上げられたかのディベート哲学の、舞台であり揺籃なのだが、「いかにもギリシャ」なあの場もシリア・アッシリア起源。花冠、寝椅子、音楽(竪琴・笛のハードも含む)…いっさいがオリエント舶来。 ギリシャがオリエントに求めた輸入品の、主要部は権威財が占めていた …本書の冒頭からこのテーゼがくりかえしあらわれるのはなんでだろうと不思議だったが、「なるほどそういうことか」。小膝叩いてニッコリ笑い。 それにしても。こうしてみるとペルシア戦争のインパクトがよくわかる。あのくだらない偏見ゴミ映画『300(スリーハンドレッズ)』の元凶は、紀元前5世紀にさかのぼる。 とはいえ。中華主導の東アジア世界のなかで形成された古代日本と、東地中海世界のなかの古代ギリシャは、本書結語にもあるとおりの相似形。その鬼っ子たる近代アカデミズムまで含めて。

Posted by ブクログ

2009/08/21

今現在の一般的地域区分がオリエント=東洋史、ヨーロッパ=西洋史とある以上、この本はその両地域をまたがる世界史として区分させてもらいました。近年ギリシア史に問題提起をしたバーナルの『黒いアテナ』は、それまでの「西洋史の中の古代ギリシア」という研究者のフィルターの中で過小評価されてき...

今現在の一般的地域区分がオリエント=東洋史、ヨーロッパ=西洋史とある以上、この本はその両地域をまたがる世界史として区分させてもらいました。近年ギリシア史に問題提起をしたバーナルの『黒いアテナ』は、それまでの「西洋史の中の古代ギリシア」という研究者のフィルターの中で過小評価されてきたオリエント文化のギリシアへの影響を再考させ(バーナルの著作自体は問題有りという)、ギリシア史が再構成されています。この本も、そういった「西洋史の中のギリシア史」というそれまでの“常識的”な概念を払拭させ、東地中海世界という枠組みでギリシア史をとらえます。このような視点は「コロンブスの卵」のようなもので、いわれてみればオリエントやエジプトなど文明の先進地域が周辺地域に大きな影響を与えないはずはありません。それなのに、現高校世界史では、ギリシアへの影響を「鉄器」「アルファベット」「ペルシア戦争」に限定し、逆に“先進的なギリシア文化”がアレクサンドロスの東方遠征でオリエント文化と融合し、ヘレニズム文化が誕生したということ(少し一面的に言い過ぎたか)は強調されています。「西洋史中心主義」を越えることは難しい、改めて思います。あと、アルファベットはフェニキア文字から作成されたというのは“常識”でしたが、実は最新の研究ではこれすらも異議が出ているということを知りました。今まででは「カナン文字→フェニキア文字→アルファベット」という流れでしたが「カナン文字を含む西北セム系の文字→アルファベットやフェニキア文字」という説も強くなっているそうです。

Posted by ブクログ

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