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物語の作り方 ガルシア=マルケスのシナリオ教室
定価 ¥3,740
1,760円 定価より1,980円(52%)おトク
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 岩波書店 |
発売年月日 | 2002/02/20 |
JAN | 9784000252911 |
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物語の作り方
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商品レビュー
4.3
12件のお客様レビュー
ガボさんは30分テレビドラマ用の13本のシナリオを頼まれた。 そこで自分のシナリオ教室の脚本家たちに募集してみたらあっというまにアイデアが集まった。そこでガボさんは、脚本家たちと話し合いアイデアを発展させ、物語を作っていってみようとした。 この本は、ガボさんと脚本家たちの共同作業...
ガボさんは30分テレビドラマ用の13本のシナリオを頼まれた。 そこで自分のシナリオ教室の脚本家たちに募集してみたらあっというまにアイデアが集まった。そこでガボさんは、脚本家たちと話し合いアイデアを発展させ、物語を作っていってみようとした。 この本は、ガボさんと脚本家たちの共同作業で物語を作っていく様子をまとめたもので、元となった脚本の大筋と、それをドラマにするための議論が記されている。 冒頭でガボさん印象的な場面からアイデアにする事柄として日本の情景を挙げていた。 昭和天皇葬儀は雨の中、黒いヴェールに黒い雨傘をさした美智子妃がひとり立っている様子がとてもの胸に響いたと。イメージの中で、群衆が消え、美智子さまも消え、そして雨傘が残った。その雨傘を元にした長編映画を撮りたい。 強烈に印象に残るものから、その中のなにかにその情景を集約させるということでしょうか。 あと日本についての記述がもう一つあるんだが、それは「日本には排泄物を堆肥として集める人がいるんだよ」ということ(^_^;) それが日本のイメージかい(笑) さて。共同作業のやり方は、脚本家のアイデアを聞き、みんなで30分番組としての筋を作ってゆくというもの。 ガボさんは、観客に何を伝えたいか、観客に説明すべき内容、削って良いことは、などを脚本家たちに問いかけをしたり任せたりする。そして自分でも「その場面はこんなカットを挟むといいね」「なぜこうやってはいけないんだい?」などと意見を言うのだが、そのアイデアを映像として思い浮かべるととても光る!言い方もユーモアがあってさすがだ! 一人の作家が書く著作と違い映画は多くの人の意見や見方が入る。それは良くなることも会ったり、自分のやりたいことができなかったりする。 この共同作業でも、最初のアイデアからどんどん離れていったり、観客へどのように状況を伝えるかにもいろいろな意見が出てくる。 たとえば「男がドアをノックするところから人生が変わる」という場面が脚本の肝だったのだが、そのドアに辿り着くまでに何があったのか、どうやってそのドアに辿り着くかで意見が分かれ、そのドアにはバスで行くのか電車でいくのか議論に発展するし、ついにドアから始まらなくて良いという結論になっていた(笑) 他にも、二人の主要人物の役割が反対になったり、シリアスして話を作ろうとしたらどうもうまくいかなかったのが、コメディにしたらすんなりいったり…。 私たち観客は映像をみてあーだこーだ言っていますが、脚本家はその後ろでどうやっているのかが見えるようだ。 ガボさんは映画のために、アイデアを独り占めせず、アイデアを発展させるためにこのワークショップがあるんだという。 「みんなでアイデアを出して何かを作ろう」というプロジェクトの進め方を知るという意味でもとても良い本だった。 百年の孤独について。 まったくのフィクションなのだが読者がガボさんの故郷アラカタカでアウレリャーノ大佐の木(ホセ・アルカディオお父ちゃんの木ではなく?)やレメディオス昇天の庭を探しに来る。すると百年の孤独が書かれた後に生まれて読んだことがない近所の子供たちが旅行客に「アウレリャーノ大佐の家はこっちだよ」なんて案内するんだそうだ。もうガボさんが生まれ育った家はないのに。 こうして数十年前に「書かれた」物語が、地元では「事実」となっている。 バナナ虐殺のこと。 事件が起きたのはガボさんが生まれた年だ。ガボさんは事件について色々調べ「実際は30人くらいが集まって7人くらいが殺されたんじゃないのか?」とも思ったが(別の本では「200人くらいが集まったのではないか」と書いていた)、小説ということで3000人の遺体を200両列車に乗せたとした。そしてこの3000という数はなんか事実になってしまっている。(これは他の本でも言っていた。「事実はどこにもないことが分かった」) 数年前のできごとでも、物語を含み、それが新たな真実として人々の記憶に残る。 ガボさんの事実の捉え方が見えた気がする。
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正に「小説の技法」のテキストという言葉が相応しいです。 ざっと目を通しただけですが、とにかく大切な事が述べられすぎてて一度では理解出来ません。繰り返し、繰り返し読み、自分の知識にしていく必要があると思っています。
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ガルシア=マルケス『物語の作り方』。小説のみならず映画芸術にも深くコミットしていた御仁が脚本家たちとプロットを練り上げていく様子を記録した、貴重な本。「いいな、それ」って思ったアイデアにもすかさず、鋭い意見を飛ばしてくるのが痛快。
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