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カナダ=エスキモー 朝日文庫
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 朝日新聞出版 |
発売年月日 | 1981/09/12 |
JAN | 9784022608024 |
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カナダ=エスキモー
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カナダ=エスキモー
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商品レビュー
4.4
7件のお客様レビュー
エスキモーへの密着記。狩猟を基本とし、生肉でビタミンを補う人々。気候が過酷で、資源にも乏しい土地なので西欧文明に少しずつ毒されながら今後も残っていくのかもしれません。
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電子書籍で読んだ。電子書籍版のどなたかの評価によると、紙版であった写真や図表が削られているそう。真偽を確認していないが、手に入るのであれば紙版がいいのかもしれない。 本多がカナダのイヌイット(イヌイットがエスキモーと呼ばれて気にしていないからか、本書では「エスキモー」とされ...
電子書籍で読んだ。電子書籍版のどなたかの評価によると、紙版であった写真や図表が削られているそう。真偽を確認していないが、手に入るのであれば紙版がいいのかもしれない。 本多がカナダのイヌイット(イヌイットがエスキモーと呼ばれて気にしていないからか、本書では「エスキモー」とされている)の部落に滞在し、寝食をともにした記録である。犬そりを駆って、イヌイットと一緒に数百キロメートルを移動し、アザラシやカリブーをとる。すごいのは本当に寝食をともにしていることだ。ただ、さすがの本多勝一もトイレ(共用の空き缶で、みんなのいるところで用を足す)をともにはできず、セイウチのヒレに潜む赤いシラミは口に入れられなかったらしい。とはいえ、カリブーの腸(生!)や尻についた寄生虫を口にしており、文化の違いを超える胆力と体力に大いに感心した。 印象に残ったのはイヌイットには「寝る時間」「食べる時間」というのがないということ。いつでも寝るし、つまみ食い的にいつでも食べているそうだ。白夜もあり、日照時間も低緯度圏とは異なるため、「夜に寝る」という発想には確かにならないだろうということに思いいたり、目から鱗だった。食べ物も、何泊もかけての狩猟なのだから、採れれば食べるし、余れば貯蔵するものだろう。 本書が素晴らしいのは、単に狩猟生活の紹介にとどまらず、イヌイットそれぞれの性格が分かるほどに彼らが生き生きと描写されているところである。読者の胸にイヌイット1人1人が目に浮かび、まるで自分も知り合いであるかのように感じる。「未開人の国を訪ねて、目にみえる範囲でその未開ぶりを大げさに書く」のではなく、「『非人間性』をあばくのとは反対に、『人間』を発見する」という本多の目的を本書は見事に達している。 また、イヌイットがそり犬に対し非情であるという指摘について、本多は説諭している。愛玩犬も人間の利己的な都合で生み出したものであり、そり犬と変わらない。そり犬は使役動物であり、酷寒の自然とたたかうのに感傷は命取りになるのだ。イヌイットには愛玩犬や記念品というレジャーと呼べる考え方があまりないとも指摘している。犬の方もかなりたくましく、用便中の人間の糞を狙ってうろつきまるため、本多も石を投げて応戦していたらしい。 さらに、イヌイットに数の概念を問うたり、詩歌を採録したりと、新聞のルポながら学術的なことも行っており、それが本書の価値を高めている気がする。 取材自体は1963年頃のようなので、イヌイットの生活も変わっていることだろう。それを寂しいと思うのは非常に勝手であるが、やはり極北の大地で狩猟生活を営む人類がいてほしいという気持ちが捨てきれない。グローバル化で都市部は世界中似た街、似た生活になっている。少数民族に限らず、独自の文化、風俗、考え方、言語、そういったものたちがどんどん消えていっているのだろう。いい面もあるに違いないが、やはり寂しい。
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「カナダ=エスキモー」本多勝一著、朝日新聞社、1981.09.20 283p ¥380 C0136 (2018.01.22読了)(1999.09.20購入) 文化人類学的興味から本多勝一さんの「カナダ=エスキモー」「ニューギニア高地人」「アラビア遊牧民」を読んでみたいと三冊集めて...
「カナダ=エスキモー」本多勝一著、朝日新聞社、1981.09.20 283p ¥380 C0136 (2018.01.22読了)(1999.09.20購入) 文化人類学的興味から本多勝一さんの「カナダ=エスキモー」「ニューギニア高地人」「アラビア遊牧民」を読んでみたいと三冊集めて積読してきました。今年こそは、と読み始めました。 1963年の5月から6月にかけて著者が、カナダ=エスキモーと生活を共にして、そのルポを新聞に連載し、のちに加筆して単行本として刊行しています。 6月前後は白夜が続き一日中陽が沈みません。一日の区切りがわからない日々が続きます。午前2時過ぎに寝て10時ごろ起きるというような生活です。食事も煮炊きはほとんどせず、好きな時に生肉を切って食べるのです。住居の中は、人の体温で温かく、寝るときは裸で寝ます。ほとんど教育は受けていないので、計算ができないようです。普段の生活の中では商品経済と無縁なのでお金の価値もわからないようです。獣の皮などを売りに行って何か買って帰るのですが、短波放送しか聞けない場所にいるのに中波しか入らないラジオで雑音だけ聞いて満足していたりします。持つことを誇る、ステータスシンボルです。 子供たちを集めての教育が始まっていますが、教科書作りが大変とのことです。カナダの一般的な人たちの生活と全く違うので、教科書をそのまま使おうとしても理解ができません。言葉の問題もあります。夜と昼でさえ、理解が難しいようです。一日という概念を昼と夜で一区切りというわけにはいきません。 エスキモーは、海獣、陸獣、魚、鳥、等を狩猟して暮らしているので、狩猟民ということになるのでしょう。 ルポから55年経過しているので、現在では、もはや自然相手に暮らしているエスキモーはいないのかもしれません。 【目次】 「ウスアクジュ」への道 極北を生きぬく知恵 アザラシ狩り 犬を甘やかしてはならぬ カリブー狩り 雪の家 太陽の沈まぬ国 セイウチ狩り エスキモーの心 極北の動物たち 遊猟の民 <付録>ウスアクジュ部落のその後 K=J=クロー著、河合伸訳 あとがき 解説 梅棹忠夫 ●臨界温度(33頁) 人間の直腸温度の臨界点は27度である。これ以下になると、体温を保ったままの基本的な新陳代謝ができなくなる。 ●アノラック(38頁) 彼らのエスキモー服、アティギとアノガジェは、世界最高の防寒服だ。カリブーの毛皮を、主婦がかんでなめし、やはりカリブーからとった腱の糸でぬって、アノラック型に仕立てた服。アノラックという言葉自体、エスキモー語のアノガジェ(あるいはアヌラック)からきている。アノラックは、エスキモー文化が世界に貢献した最大のものだろう。 ●犬ぞり(68頁) セイウチをソリに積み、たらふく食った犬たちにムチがとぶ。すると、走りだしてまもなく、犬たちはいま食ったものを次々ともどしはじめた。全然かまないで丸のみにしてあるから、セイウチの腸や胃壁がそのまま出てくる。 ●使役動物(70頁) エスキモーの犬に対する態度は、たとえばヒマラヤの人夫のロバに対する態度と変わらない。使役動物としての見方はもっと冷酷である。犬の頭をなでたり、やさしい言葉をかけたりは決してしない。 ●四季(118頁) インドには四季がなく「ホット・ホッター・ホッテスト」(暑い・かなり暑い・うんと暑い)の三シーズンがあるだけだ、といった人がある。するとカナダ北極圏の一年は「コールド・コールダー・コールデスト」(寒い・かなり寒い・うんと寒い)というところか。 ●セイウチの食事(145頁) セイウチは、あの巨大な牙で海底の砂をほじくりかえし、でてきた貝を、硬くて太いヒゲを利用して口になげこむ。貝殻は口で砕いてはきだし、やわらかいムキ身だけのみこむ。 ☆関連図書(既読) 「戦場の村」本多勝一著、朝日文庫、1981.09.20 「南京への道」本多勝一著、朝日新聞社、1987.01.20 「マゼランが来た」本多勝一著、朝日新聞社、1989.07.25 (2018年1月24日・記) (講談社文庫解説目録より) 過酷な自然条件の下でユーモラスに生きる狩猟民族の姿を、文化人類学的視点でとらえ、みごとに活写する異色のルポルタージュ。付録に「その後のカナダ・エスキモー」を収録。
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