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光源氏と夕顔 身分違いの恋 新典社新書
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光源氏と夕顔 身分違いの恋 新典社新書

清水婦久子【著】

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光源氏と夕顔 身分違いの恋 新典社新書

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 新典社
発売年月日 2008/04/26
JAN 9784787961013

光源氏と夕顔

¥550

商品レビュー

5

4件のお客様レビュー

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2023/11/28

源氏物語のヒロインのひとり夕顔は高級娼婦ではないかという説があります。アプローチの手際の良さを見るとそう思えてならない。でも、「古典モノ語り」を読んでいると、夕顔の高級娼婦説は本書によって明確に否定されたと山本淳子はおっしゃるではありませんか。早速、本書を読みました。ここに書かれ...

源氏物語のヒロインのひとり夕顔は高級娼婦ではないかという説があります。アプローチの手際の良さを見るとそう思えてならない。でも、「古典モノ語り」を読んでいると、夕顔の高級娼婦説は本書によって明確に否定されたと山本淳子はおっしゃるではありませんか。早速、本書を読みました。ここに書かれているのは和歌に対する解釈の真摯さと明晰さですね。源氏物語は歌物語でもあるので、最近は玉鬘の歌二十首、朱雀と秋好が交わした和歌六首をピックアップして鑑賞しましたが、よくわかっていません。まだまだと思うことしきりです。

Posted by ブクログ

2023/07/02

夕顔のキャラがどうしてもしっくりこなかった 柔らかくておとなしい柳のような女性だというのに 自分から貴公子に歌を詠みかけたる積極性があったり、 光源氏とわかってから あなたの顔は大したことないですね、なんて 軽口が叩けるとはとてもとても思えなかった。 身分がすべてにものをいう...

夕顔のキャラがどうしてもしっくりこなかった 柔らかくておとなしい柳のような女性だというのに 自分から貴公子に歌を詠みかけたる積極性があったり、 光源氏とわかってから あなたの顔は大したことないですね、なんて 軽口が叩けるとはとてもとても思えなかった。 身分がすべてにものをいう社会で、 天皇の皇子という最高級身分の源氏に対して 低い身分と認識している夕顔が取れる態度とは思えない こうした疑問にすっきりとした答えを与えてくれて すごく落ち着いた気分になれました。 従来の夕霧の解釈に違和感のある人は ぜひ一読を!

Posted by ブクログ

2017/12/19

源氏物語の女君で誰が好きと言われたら 迷いなくこの本で論じられる「夕顔」を 一番に持ってくる。 それゆえタイトルを見た時、これは読まなきゃと 思い決めた。 そして、読了。 国文科の学生であった頃、源氏物語も学んだし 原典も口語訳も、たくさん読んだ。無論、論文集も。授業ではち...

源氏物語の女君で誰が好きと言われたら 迷いなくこの本で論じられる「夕顔」を 一番に持ってくる。 それゆえタイトルを見た時、これは読まなきゃと 思い決めた。 そして、読了。 国文科の学生であった頃、源氏物語も学んだし 原典も口語訳も、たくさん読んだ。無論、論文集も。授業ではちょうど、夕顔を扱い、大好きな女君の巻とあって、丹念にノートを取ったことを覚えている。 それらの基礎があった上で、この本を読むと国文学や古典、源氏物語が論じつくされたとはとても思えない。 過去の研究は完成されたものでなく 疑問を投じて論じることで、刷新されるもの だと、目を開かされた思いがする。 アマゾンのレビューには 「物語中の和歌をセリフとして読まない」 ことを論じた本となさっていたものがあったが それより一歩深く。 文章はかるく読みやすいが、内容は深い。 ゼミ論のテキストになさることがあるのも むべなるかな。 夕顔の巻の原典と口語訳を手元にお置きになりながらこの巻だけでいいから、皆様合わせてお読み頂きたい。すごく立体的に、物語が見えてくる。 現代語のルールに古典を当てはめて読むのではなく和歌は原典が成立した時の教養や和歌の伝統的な読みのルールに則って、一度今までの通説に縛られないで読む。 すると 和歌が単なるセリフや単なる状況説明以上の情報量と、登場人物の心情を豊かに語ってくれる。 夕顔の巻をあげて、論じておられるのだ。 私たちはどうしても、自分が日頃使う言葉の枠でものを考える。現代語の常識を、古典に合わせさせて解釈しては意味がちゃんと通らないところがある。 そして、それをつい、そのまま 難しい作品だから、わかんないのかな…と 放置する。それがいけないのだけど。 その、なんとなくぎこちないな、と読んでいて 感じる部分を、現代語の頭で考えた通説に あれこれ足したり引いたりして考えるのを やめて、和歌の部分を当時の和歌のルールに 則って解釈したら、読み飛ばしていた和歌が 生きてきて、無理のある解釈がなくなるのでは という提案なのだ。 夕顔の君が、おとなしやかでありながら 実は大胆で男に奔放だったという解釈は そこだけがなんとなく、手ずれした感があって 私には違和感がずっとあった。 おとなしくなよなよと「見せる」のが上手い 感じには、ずっと見えなかったから。 でも、この本を読むと、全く違う源氏と夕顔の 佇まいが見えてくる。 具体的なこと? んー、それは。 夕顔の君は、やはり夕顔らしい方だったし 源氏の印象も、変わるとだけ…。 この本を、じかにお読み頂きたいから。 ともあれ。 今までの諸研究の蓄積があった上で、なんとなく「わかりにくい・引っかかる」ところを読み直す視点を持つこと。 そしてそれを怖がらずに提示しあって、味わい論ずることが大事なのだと思う。それは先行研究を軽視しているのではないのだ。 タダの先例の否定ではなく、違う角度から 丁寧に光を当てて、刷新する。 そのことを、読書人としても 学ぶことを愛するひととしても、 忘れてはいけない。 「国文やっても今更。 私も大人だし…もうやることないなあ…。」 なんて思っていた自分に活を入れる経験だった。 読みの直感を大事にしよう。 気づきを、こうして文字にしてみよう。 そして、なんとなく解らないままにしてた 抜けている領域の知識を増やそう。 今から古典を学ばれる方は、是非和歌の勉強や周辺の作品、論文もお読みになるのを勧めたい。私みたいにスカスカの部分を持って頂きたくない。 いや、人様に偉そうに言う前に。 錆びちゃったわね、私も、なんて言うなら 今からでいい、その錆をがりがり落とそう。 私がものを考えることが出来なくなるまでまだ時間はある。ぼーっと、もうだめ、って言う暇に比べたら、たくさん。 新しい論考をいっぱい読んで、自分の中に好きな作品に対する貯金を、いっぱいしよう。

Posted by ブクログ

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