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十二神将変 河出文庫
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十二神将変 河出文庫

塚本邦雄(著者)

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十二神将変 河出文庫

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 河出書房新社
発売年月日 1997/05/02
JAN 9784309405001

十二神将変

¥660

商品レビュー

4.2

7件のお客様レビュー

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2024/06/10

作者は小説より歌人として名を馳せた人らしいが、寡聞にして知らなかった。 文体が独特で、旧字旧カナです綴られた文章はペダンチックなうえ独特な退廃感を醸し出しているのが特徴的。その上に頻出する植物名が悉く漢字で表記されていたり、人の名が「天道」「須弥」「空水」「正午」「沙果子」と言...

作者は小説より歌人として名を馳せた人らしいが、寡聞にして知らなかった。 文体が独特で、旧字旧カナです綴られた文章はペダンチックなうえ独特な退廃感を醸し出しているのが特徴的。その上に頻出する植物名が悉く漢字で表記されていたり、人の名が「天道」「須弥」「空水」「正午」「沙果子」と言うように、独特の名付けであったりして、読み進むのに非常に苦労した。読者をかなり選ぶのではなかろうか。 お話そのものはミステリー仕立てになっているのだが、文芸作品を読んでいる感じから抜け出る事が最後までできなかった。 だらしなくしょうもない男どもと、世知に長けた女性の対比が印象に残った作品でもあった。

Posted by ブクログ

2023/08/28
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

まずは中井英夫関連で知った塚本邦雄という名前。 次に、永遠に思い出すであろう「零歳の詩人」の小説家・楠見朋彦が、歌人として師事する「塚本邦雄の青春」で、興味を深めた。 また、穂村弘、皆川博子、高原英理、山尾悠子らによる賛辞で、絶対読まねばと決意した。 先日、愛好する翻訳者・岸本佐知子が激推しする小説だと言っていた。 その筋の読者には「虚無への供物」になぞらえて「罌粟への供物」と呼ばれる、歌人による小説に、以上のお膳立てを経て、いわば満を持して手を伸ばしたわけだが、……うーん……。 まずは、圧倒的に読む側の教養がなかった。特に茶道の作法。 で、その下に隠された、下世話な欲望、あてこすりの会話、あけすけな噂、家族間の無言・隠蔽・察せよという挙動、さらに仄めかし……。 ノット読者フレンドリーな記述リテラシーなので、どの記述に何をどれくらい読み込めばいいのか、集中度を測ることすらできず。 ……10代で初めて稲垣足穂を読んだとき、ネリギがどうとか紙シャボンがどうとか隠語のように書かれていて、何がなにやらだった。検索もできなかったし。 その後メンソレータムとかBL路線で知ったが、今回も、そういった仄めかしの記述で、煙に巻かれた印象がある。→ゲイ文芸の作法か? さらに、男色関係にとどまらず、誰と誰がどんな関係で、過去と現在がどうつながっていて、秘密結社の事実がどこまで開陳されているのかが不分明なまま進む……読解力不足もあるだろうけれど、決してフェアな探偵小説ではない、と思う。 頻発する「見立て」の趣向もあって、やっぱり「虚無への供物」の亜種という印象。 キョムクモが1964年刊行。 ジュニシショは1974年刊行……やっぱりアドニス会を調べなければらならないかしらん。 また衒学趣味ゆえ永遠に読めるという作品があるが、並べるなら小栗虫太郎「黒死館殺人事件」>「虚無への供物」>「十二神将変」、と個人的に思う。 内容に少し踏み込めば、描写のはしばしに旧仮名で「にほひ」が頻出。 その筋の小説の作法なのか。 また、坊主が出るだけにナマグサ度数いや増す、と感じたが、これもまたその筋の小説あるあるなのかしらんと憶測したりした。 つい笑ってしまったのが、第4部の、天道と空晶(義理の兄弟)の、サラミ・ソーセージ云々。 で直後、第5部で、早速妻子にバレテーラ。 娘沙果子が、仄見える「もう一つの世界」を究明していくわけだが、読者側に事前情報があるぶん、究明の過程に、滑稽味は押さえきれない。 そのぶん、200pで父が娘に「人はみな幻獣(シメール)を負ふと言ふが」「私は逆にそういふお前がいたはしい。正直に言へば煩わしい」云々と言う場面が、強烈だったりも、する(連想される皆川博子に「人それぞれ噴火獣」、服部まゆみに「シメール」がある)。 どれだけ悲哀に傾いて読めばいいのか、どれだけ滑稽なコントとして読めばいいのか、そのへんの匙加減やリテラシーも難しいところ。 塚本をBL短歌の始祖のように言う向きもある(し、大好物だ)が、その枠内に留まらない評論も多い作家を、今後どう位置付けながら読んでいくのか、迷わせる小説に出会ってしまった。 困った。わかったとかわからなかったとかを越えて、嬉しい。 @ 目次: 第一部 翡翠篇 第二部 雄黄篇 第三部 臙脂篇 第四部 白毫篇 第五部 瑠璃篇 第六部 玄鳥篇 第七部 水精篇 巻末エッセイ 天球の方陣花苑 中野美代子 解説 島内景二

Posted by ブクログ

2018/05/24
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

作者は寺山修司、岡井隆と共に前衛短歌の巨匠。それがなんでミステリを…。旧仮名旧字体は、読み進むと慣れて気にならなくなるが、世界が濃過ぎる上にペダンチックな言い回しの連続で、謎解きどころじゃないんですけどー。 おまけに、中野美代子の「巻末エッセイ」はマニアック過ぎて、さっぱり理解できなかった。 解説の島内景二氏は「森茉莉よりは三島の世界」と言ってるが、倉橋由美子と赤江瀑を足して2で割った感じ、の方がしっくり来ると思う。

Posted by ブクログ

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