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アプトンシンクレア(著者), 高津正道(訳者), ポールケート(訳者)

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 平凡社
発売年月日 2008/04/20
JAN 9784582833959

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2025/08/12

 石油をテーマにした映画といえば、ジェームス・ディーンの主演映画『ジャイアンツ』が、まず頭に浮かぶ。家柄も財産も、何一つ持たなかった青年が、石油を掘り当てたことで億万長者になってゆく。でも、今や石油は、一個人が成功する手段ではなく、巨大企業、いや、国が、そのために戦争を起こす目的...

 石油をテーマにした映画といえば、ジェームス・ディーンの主演映画『ジャイアンツ』が、まず頭に浮かぶ。家柄も財産も、何一つ持たなかった青年が、石油を掘り当てたことで億万長者になってゆく。でも、今や石油は、一個人が成功する手段ではなく、巨大企業、いや、国が、そのために戦争を起こす目的となったのだ。 現実の石油王をモデルとした本作は、『ゼア・ウィル・ビー・ブラッド』として映画化された。しかし原作は、石油を「手段」として富を築いたJ・アーノルド・ロスの息子バニーを中心に描かれており、そのため、一代で石油王となった父(映画版では名前がプレインビューとなっている)の生きざまをメインに据えた映画とは少し趣きが異なる。例えば、女性が登場しなかった映画版とは異なり、ロスは晩年、降霊を信じる女性との結婚を息子に打ち明けている。また、共産思想にかぶれた息子に悩まされ、陰で人を使って操るようなことをしながらも、最後まで彼を愛し続ける。つまり幾分人間くさいキャラクターとなっており、小説版の父親像の方が、むしろ読者にとっては親しみ易いのではないだろうか?  無学だが世間の理を知っている父。大学にまで進むが、理想と現実の狭間で悩む息子。通常なら、この親子の葛藤を物語の柱として書き進められるが、本作は違う。著者は、親子の葛藤=人よりも、彼等を材として、石油によって変わってゆくアメリカ=社会、時代の方をより描きたかったようだ。とはいえ、バニーのビルドゥングスロマン的要素が全くないわけではない。弟よりも、遥かに生き上手な姉バーティ。幼い頃からの友人だったポールと妹のルース、ポールの兄で聖職者のイーライ、女優のヴィー、石油業者連盟の常務でヴィーの愛人でもあるヴァーノン・ロスコー。彼等との出会いを通じて、「銀のお盆に載せて何でも欲しいものを渡して貰っていた(p251)」バニーは、自分の生き方を選びとってゆく。勿論、複数女性とのロマンスも描かれるが、恋愛描写は現代ものと比べるとややあっさりしている。また、文章がやや硬いと感じる方もいらっしゃるかもしれない。  映画では描かれなかった、もう一人の石油王の生涯。そして彼を成功させ、やがて、のみ込んでいった国、アメリカ。興味を持った方は、是非ご一読を。

Posted by ブクログ

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