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火の虚舟 ちくま文庫
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火の虚舟 ちくま文庫

松本清張【著】

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火の虚舟 ちくま文庫

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 筑摩書房
発売年月日 2008/04/11
JAN 9784480424372

火の虚舟

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2022/04/02

松本清張 「 火の虚舟 」 中江兆民 評伝。著者の終盤の文章には、中江兆民のいつも一生懸命なのに 失敗ばかりしている人生に 自身の姿を見ているような 温かさを感じる 政治家としての理想(民主主義)と 金儲けするには権力の側につかなければならない現実の間で答えを出せない兆民に...

松本清張 「 火の虚舟 」 中江兆民 評伝。著者の終盤の文章には、中江兆民のいつも一生懸命なのに 失敗ばかりしている人生に 自身の姿を見ているような 温かさを感じる 政治家としての理想(民主主義)と 金儲けするには権力の側につかなければならない現実の間で答えを出せない兆民に 著者自身が共感しているように読める。 著者は 歴史研究者としての理想と 推理小説家としての現実の間に答えを出せなかったということ? エピグラフ「自分は 虚無海上に漂う一虚舟に ほかならない」とする 兆民の死生観が 兆民の挫折人生の全てを伝えている タイトルの「火」には 兆民の一生懸命さのほか、悪人が罰っせられない不公平への怒りの意味も込められていると思う エピグラフ「一年半も無也〜虚無海上一虚舟」 *余命一年半とは〜自分にとっては悠久である。もし短いと言うのなら 50年も100年も短いと言わなければならない *生には限りがあり 死後は無限である〜無限と限りあるものを比べて短いと言うことは出来ない。無限は 初めから 無である *その生に充実を与えれば〜一年半も無である *自分は虚無海上に漂う一虚舟に ほかならない 著者の中江兆民観 *「閉鎖的で暗い性格の民主主義者」「金儲けに奔走する資本主義」の両面性から 中江兆民の人間性や挫折人生にアプローチ *理想主義者と利権屋に分裂した兆民像 *ブルジョア民主主義者の限界(社会主義まで至らなかった)→ 日本の支配階級が自由に独走することはなかった *全てを天皇制で説明する本質主義の誤り 中江兆民の思想 *民主主義的な立憲政体=民意を主体とした民主主義〜必要ならば 暴動革命もある *政治思想に富むのは貧民→富者は現状 利益を得ているので保守的、貧者は革新的にならざるえない *民主運動を擁護する法律を目論んだ〜国会に自由を持たせ、権利を拡大解釈し、民主運動を展開 衆議院議員の一大義務とは憲法について意見を述べることである *憲法は 国家の根幹であり基礎である *この根幹基礎があるために 初めて 国家といえる *憲法は 君主と人民〜とが相談してのちに 定めるべきものである 自分は商人である、詐欺と盗賊以外は何でもやる *政治家は公務であって 営利の業ではない〜彼らはその食を利用して金銭を掴んでいるが、これは詐欺、盗賊である *自分は政治家ではなく一個の商人である。商人の金儲けは 自分の主義理想とは関係ない 「女房と財布は出来るだけ隠さねばならぬ。あまり たびたび人に見せると 一日借りられる恐れがある」 三酔人経論問答 豪傑君=兆民のアジアナショナリズム *世界は弱肉強食〜国家間に戦争は不可避 *日本は資力が乏しい〜アジアに進出して大国となるべき 三酔人経論問答 洋学博士=兆民のフランス流民主論 *人間すべて平等の立場から 君主制を批判 *自由こそ人間社会の最高の価値 *歴史は それへの進化の過程

Posted by ブクログ

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