なんでも好奇心4・5月 横浜中華街(4月)京都(5月)

日本放送協会

• 販売会社／発売会社: 日本放送出版協会
• 発売年月日: 2005/03/25
• JAN: 9784141891215

商品レビュー

2012/07/08

　「京都モダン　建築で訪ねる古都の近代」。京都は東京遷都で、およそ３５万人だった人口が２０万人に「激減したともいわれている」（113ｐ）。そこで、「近代都市を目指す」と「歴史都市を目指す」のベクトルが共存することになったのだと、言う。

　琵琶湖疏水は、（水源確保の）実益よりも、京都における近代化を啓蒙・発揚するシンボルとしての意義が大きいとする（116ｐ）。

　京都の街の核。「二条城を中心とした武家屋敷街」。「御所を中心とした公家屋敷街」。「上京・下京を中心とした町人の空間」。モザイクのように分割されるも、武家屋敷と公家屋敷地の多くは遷都によって「空家となった」とも、言う（120ｐ）。

　それでも三条通には、金融機関や新聞社など、近代社会を牽引する施設が、煉瓦つくりの重厚な建築として立ち並んだ（同）と、指摘。「伝統的な地域コミュニティの仕組みがあまりにも強固」とも。

　基幹産業が撤退で、一夜にして廃墟と化する国柄のなかで、やはり特異というべきかも。

　　開港場に開設された居留民の区域。500メートル四方に550の店が並ぶという。

　関内という駅でおりて、港にむかってゆくとき、しばしばその入口にたどりつく。入店の予定もなしにくぐりぬけるが、そこに歴史と料理の文化。

　あまりに盛りだくさんの著者・著作が登場し、どこからが「放送用テキスト」なのか、判読しがたい。（『ＮＨＫ　知るを楽しむ　2005年４－５月』　日本放送出版協会　2005年）
2005年4月ー5月。日本放送出版協会。