パンドラ 1 SIDE-B

講談社BOX(編者)

• 販売会社／発売会社: 講談社
• 発売年月日: 2008/04/09
• JAN: 9784062145022

商品レビュー

2008/04/13

▼読了。……うーん、とても申し訳ないけど、今回のパンドラは、私にとってはあまり面白くなかった。
……いや、流水大賞含め、内容はまあまあ及第点なんだけど、尖った小説が一作もないのが、少し不満だったりなんかする。
SIDE-Aの『くうそうノンフィク』は、序盤読みづらかったけど、終盤ではっとさせられたし、
『ファイアボール』も、何ていっていいかよくわからんが面白かった。
▼今回、何となく全体が、まあまあ良いけど小粒というか……。想像の域を超えてくれない。物語のテンプレート過ぎる。つまんない時期の電撃hpのような感じ。
優秀な作品が載っている雑誌なら、もっと別のところで読む。そういうものを求めている訳じゃなかったんだけどな……という、残念な印象。
▼喩えて言うと、パンドラって、ものわかりのいい小学生女子みたいだよねーと思った（ファウストはまんま、暴れ足りない小学生男子でしたけど）。
そうじゃないんだ！　俺が求めてるのは、縁の下の力持ち的委員長キャラではないのだ！　意外性と出会わせてくれる新しい彼女なんだ！
――みたいなヒステリーを起こしている。欲求不満。
▼と言いつつも、一作ごとのクオリティはなかなか悪くないので困る。
『ピストルテニス』『吐田くん』、『エレGY』は捨てがたい。特に『エレGY』は、読んだあと体の調子が悪くなるほど良かった。

▼一作ごとの品評。
▼『真庭語』。野望のために友達を殺すなんてこと、俺には理解できません。でもきっと、あまりよくありませんよ！　という話。
好奇心を満たす為に姉を殺す小説を書いた人にしては、なんだか道徳的な意見です。ちょっと笑いました。
★★
▼漫画。これといって何も思わず、小鉢として食べた。
ただし小林エイさんの漫画は、ちょっと萌えながら読んだ。
▼『エレGY』。読み終わったあと体（心？）の調子が悪くなり、仕事を休まざるを得ないほど良かった。
NHKと闘わないきれいな滝本さん系？　終盤のせつなさ炸裂っぷりにノックダウン、視界ブラックアウト、俺涙目。
でも私は『くうそうノンフィク』のが新しくて好きかなあ。
★★★
▼『吐田君』。渡辺さんのことだから、きっとちょいミスって赤ん坊が死ぬとか、実はリアルワールドじゃなかったとか、壮大な臓器移植カンパニーの陰謀に巻き込まれていたとか、そういうことなんだろうと思って読んでたのですが、そんなオチはありませんでした。予想外にいい話。
……今回の編集テーマは『いい話』なんでしょうか。この辺りから、凄くもやもやした気持ちになる。
★★★
▼『ピストルテニス』。お、面白いのになんで「to be continued」なんだよー！！　きさまらーあと何ヶ月引っ張る気だー！！
待ち時間込みで★★
▼『アキバ忍法帳』。倉田さんの作品で一番好きなのは『大運動会』の私にとっては、かなりのどツボに入る小説。馬鹿すぎて紙面が霞んだ。
でも、山田風太郎トリビュートって書いてあるみたいだけど……？
★★
▼『オタク・サブカル』
すごーく良かった。連載にして欲しい。
★★★★
▼『セカロック』
これも、すごーーく良かった。こういうものを読まないと、X-JAPANに興味がないまま人生を終えただろう。
勢いあまってTSUTAYAで『尾崎豊』と『X-JAPAN』の二枚、CD借りてきちゃったよ。これからもがんばってください。
★★★★
▼『ひとりでできるもん』
そのままのあなたでいてください。もっとがんばりましょう。　★★
▼『親父衆』
大好き。ゲーム批評読んでた頃、寺田先生の連載をデザートに取っておいてました。　★★★
▼『雪ちゃんの言うことは絶対。』
絵がいいですねー。あと表紙が良かった。
話は……まあ、そのう、子供は残酷ねっていう話。オチが気に入らなかった。　★
▼ほか。……あまり覚えてない。

▼次回から、編集長が変わるそうです。一年交代か。……へー。面白いじゃん。

2008/04/08

シオミヤさんの漫画デビュー作だけのために購入。1800円とちとお高かったが漫画は大満足。あーこんなところで終わらせるんだ！？続きは！！？と思わせるようなもって行き方はうまいなぁと。設定も展開も気になるところだけどいかんせん”読み切り”作品。読み切りなら完結するような話でも…とは思ったけど今後の漫画家としての動き次第なんだろうね。パンドラ自体は分厚くて読みづらいデス。