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家族関係を考える 講談社現代新書
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 講談社 |
発売年月日 | 1980/09/01 |
JAN | 9784061455900 |
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家族関係を考える
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商品レビュー
4.5
16件のお客様レビュー
読みやすい文章で、家…
読みやすい文章で、家族関係のことが書かれています。難しい本ではありません。
文庫OFF
母性原理 包含 父性原理 切断 父親の存在を通して他者の存在を知る 嫁入り=娘の死 人間のアイデンティティというのはごくごく些細なことによっても支えられているものである。 我々が「自己」とか「私」とか言うとき、それは思いのほかに他人を含んでいるのである。 長生きをする準...
母性原理 包含 父性原理 切断 父親の存在を通して他者の存在を知る 嫁入り=娘の死 人間のアイデンティティというのはごくごく些細なことによっても支えられているものである。 我々が「自己」とか「私」とか言うとき、それは思いのほかに他人を含んでいるのである。 長生きをする準備のできていない人が増えている。 老人になってからやりはじめると死への準備がむずかしくなる
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結婚する前に、一度読みました。38年以上前です。 この本の中のテーマのひとつである「母親殺し」の概念は、その後、私の母が死ぬまで、ずーっと引きずっていて生きてきました。 「母親殺し」の概念を知る前は「母の恩は海よりも深く山やよりも高い」という気持ちで母より大切な人はいない、と思っ...
結婚する前に、一度読みました。38年以上前です。 この本の中のテーマのひとつである「母親殺し」の概念は、その後、私の母が死ぬまで、ずーっと引きずっていて生きてきました。 「母親殺し」の概念を知る前は「母の恩は海よりも深く山やよりも高い」という気持ちで母より大切な人はいない、と思っていました。 しかし、結婚を決めてからは「ほんとうに申し訳ないが、私はお母さんと親子の縁は切ります」と、この本の河合さんの意見を参考に宗旨替えをおこないました。 具体的な行動としては、結婚後、私の実家に行くときは常に日帰りで、妻と一緒に私の実家に泊まることは一回もしませんでした。 ま~、これは「母との決別」の覚悟を心の中だけで決めたというだけで、実際には、妻と私の母はけっこう話が合うみたいで、それなりにつきあうことはできたのは幸いでした。(母が無理に合わせてくれていたかどうかは今となってはわかりませんが・・・) あと、この本の中のもう一つのテーマである宗教性ということでは「日本人は無意識に仏教的生活をしている」という話。これは私には目新しい概念でした。 しかし、今思うに、それならば、同じように「西欧人は無意識にキリスト教的生活をしている」といえるのではないでしょうか? (こんな状態で、日本人と西欧人が結婚できるものだろうか?と私は常々思っています) 日本人は、キリスト教の日曜礼拝のようにお寺に行ってお坊さんの説教を毎週聞きに行くこともぜずに宗教的生活しています。宗教の勉強不足の一例をあげるなら、ほとんどの人が仏教の創始者のブッタの誕生日がいつでどんな行事があるかを知らないことです。びっくりです。 「何もしない宗教が、宗教か?」と欧米人が疑問視する、とは、河合さんの言ですが、もっともな話ですよね。 「今後、欧米人と渡り合うには、日本人はもっとキリスト教を知らなければいけない」と河合さんは他の本でも力説しています。日本人と欧米人の宗教という土台には、はかりしれない亀裂があるのです。 それを知らずに、表面的に暮らしを欧米化をしたところに、現代の日本人の生きづらさがある、と河合さん言っています。 この本は、そのことを具体的な症例を取り入れて説明してくれてわかりやすいです。 生きづらくする要因、いわば「敵」を知れば生きづらい理由がわかってくるし、それを知れば、ある程度安心して生きられるはずです。 この本の内容は、学校では教えにくいものばかりですが、すごく重要なことが書いてある本だと思います。 以下、重要だと思われる河合さんの概念を一つだけ引用しました。 p52 マタイ伝12章には、キリストが肉親としての母をはっきりと否定するところが述べられている。(この間、省略)このような強烈な母の否定の上に西洋の文化は成り立っている。肉親としての母を一度否定した後に、隣人愛としての人間関係が語られるのである。これは言うなれば、血のつながりよりも契約のつながりを重視する文化とも言うことができる。 これに対して、東洋の国々は未だに母の否定を行っていない。その中で、日本という国は母性を温存しつつ、欧米の文明をいち早くとり入れた特異な国なのである。(西洋のように)宗教的なレベルにおいて母の否定が行われるとき、それによって守られている人々は、象徴的な母の否定が行われた後に、わざわざ実母と血みどろの戦いをする必要がない。事実、多くの宗教的儀式は、人間が自分の内界の深層に存在する恐ろしい元型に直面することを避けるために、人間が見出してきたものとも言うことができる。近代人の合理性は、そのような儀式の非合理性に対して浅薄な挑戦を行い、多くの儀式を否定し、宗教をさえ否定するほどになった。 このため、現代人は宗教の守りのないままに、無意識界と直面しなくてはならない。つまり、既に例をあげて説明したように、子どもたちは何らの宗教的知識も守りも無いままに、日常生活のなかで観音や鬼子母に遭遇することになるのである。来世における極楽や地獄の存在を否定してしまった現代人は、この世に楽園を築こうとして、逆に家庭の中に地獄を体験することにもなる。 このように言っても、筆者は既成の宗教が簡単に救いとして役立つとは思っていない。しかし、家族の問題をつきつめて考えてゆくならば、それは自分の内界をあくまで探求してゆこうとするという意味において、本来的に宗教的な問題へとかかわらねばならないことを覚悟すべきであろう。
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