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再び消されかけた男 チャーリー・マフィンシリーズ 新潮文庫
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 新潮社 |
発売年月日 | 1981/10/01 |
JAN | 9784102165041 |
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再び消されかけた男
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商品レビュー
3.9
9件のお客様レビュー
好き嫌いが分かれる一…
好き嫌いが分かれる一作のようだが、さえない中年スパイのチャーリーが愛しくて切なくて、この一冊でフリーマントルに嵌った。冷戦構造が崩壊しても、全く陳腐とは感じない。しかも、稲葉明雄氏の訳が絶妙。昨今の変にこなれた「ひらがな翻訳」ややたらに注書きが文中に織り込まれる翻訳ではない。硬質...
好き嫌いが分かれる一作のようだが、さえない中年スパイのチャーリーが愛しくて切なくて、この一冊でフリーマントルに嵌った。冷戦構造が崩壊しても、全く陳腐とは感じない。しかも、稲葉明雄氏の訳が絶妙。昨今の変にこなれた「ひらがな翻訳」ややたらに注書きが文中に織り込まれる翻訳ではない。硬質だが、端正で美しい日本語が英国スパイ小説の雰囲気によく合っている。
文庫OFF
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
チャーリー・マフィン再登場!原題は文中にも出てくる『拍手で迎えよう、チャーリーの再登場を』(私なら『拍手喝采、チャーリー様のお出ましだい』と訳すが)で、こちらの方がチャーリーの人を食った性格を表しており、邦題よりも相応しいと思う。 さて今回は前作『消されかけた男』の続きから物語は始まる。 前作に比べると本作は小粒な印象を受けてしまう。今回は逃亡者としてのチャーリーの緊張感を軸にしてチャーリー抹殺のための英国情報部とCIAの丁々発止のやりとりを描いているのだが、プロットがストーリーに上手く溶け込まず、あざといまでに露見しているきらいがあり、チャーリーが逆転に転じる敵側のミスがあからさま過ぎるのだ。 チャーリーを罠にはめるべく敵側が取った方法が銀行強盗であり、その被害届のために英国に戻らざるを得なくなるという設定は素晴らしいと思ったが、そのあとのロシアの美術館からのレプリカの美術品を盗む展開は、保険引受人であるルウパートを巻き込んで破滅させようという動機があるものの、やはり蛇足だと思う。 そしてやはりイーディスが殺されてしまった事。やはりスパイは安定した配偶者を持ってはいけないのだろう。 今回は前作では詳らかに書かれなかったスパイの妻という存在、彼女の心情を丹念に描き、興味深く読んだがストーリーにくすみがあったのも確か。イーディスがどうしてもチャーリーとストーリーの足枷になっていると感じた。 だから今後の展開も含め、イーディスは退場せざるを得なかった。しかし、射殺されようとするチャーリーをかばって撃たれてしまうというのはあまりにもベタすぎないか(いや、ちょっとホロリとしたが)? そしてラストのチャーリーの復讐。静かなる男チャーリーに似つかわしい派手な幕切れはハリウッド映画が喜びそうだ。ラトガースの復讐はもっとストイックに行って欲しかった。第2作であるから前作を超えるために派手な爆破シーンを用意したのだろうか。 2作目を読んで、チャーリー・マフィンシリーズは海外の連続ドラマ方式の手法を取っていると感じた。1話1話にヤマ場を用意するために誰かが死んだり、登場人物の血縁が登場したりという手法がぴったり当てはまるかのようだ。 それに対して否定はしない。十分及第点の楽しみは得られるからだ。チャーリーの今後を一読者として見守っていこう。
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シリーズ一作目の続編。前作の対ソ連ではなく、対英国情報部とCIAとの内輪揉めの展開で、こじんまりとした読後感。面白いのだが、前作よりも雑な印象を受けた。
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