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ソークラテースの思い出 岩波文庫
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ソークラテースの思い出 岩波文庫

クセノフォーン(著者), 佐々木理(著者)

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ソークラテースの思い出 岩波文庫

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 岩波書店
発売年月日 1953/03/01
JAN 9784003360316

ソークラテースの思い出

¥935

商品レビュー

4.4

6件のお客様レビュー

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2022/12/02

ソクラテスは人生相談から国政のことまで何でもござれの好好爺だったようだ。「なんのために善いのでもない善い事を知っているかとたずねているのなら、そんなこと私は知らないし、また知ろうとも思わん。」という言葉は、善というものが彼にとっては、無制限ではなく、限られたものであること、それは...

ソクラテスは人生相談から国政のことまで何でもござれの好好爺だったようだ。「なんのために善いのでもない善い事を知っているかとたずねているのなら、そんなこと私は知らないし、また知ろうとも思わん。」という言葉は、善というものが彼にとっては、無制限ではなく、限られたものであること、それは目的との関係性、相対性を持っていることを示しているのではないかと思った。また、「一時に一切を眺め、一切を聞き、一切所に在って、一時に一切を留意したまう偉大と円満自在とを、君は悟るだろう。」という言葉は、ソクラテスが至る所に存在する、何かスピノザのそれのような満たされた神の側で見守られて生きていたと感じていたことを示さないだろうか。あるいはソクラテスは国法に従うのが善というが、それは彼が国家に絶対の忠誠を誓っていたというよりは、「人類すべてにわたって、神々をうやまうということが最初の掟であるから」という言葉通り、国家の中にいる自身を見守る神を信じていたのだろう。彼の態度は「皇帝のものは皇帝に、神のものは神に」というイエスの言葉に近いもの何かがあったのではないか。天文学を推奨しながら、身を削ってまでの熱中を警戒したのは、彼の真、善、美が自身の身体とその限界を中心とした総体としての社会生活、世界との節度のある関係に基づいてるのを示していて、核戦争と環境破壊の危機の迫る現在にも響く言葉だと思った。

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2019/05/06

非哲学者のソクラテスの対話集。 軍人であるクセノフォンが書いたため、 プラトンの物とは違い、実話に近いと思われ、 対話の内容は実生活や生き方に関するものが多い。 友情や正義を重んじた彼の生き方が伝わってくる。 そして最期に彼が法を守り死んでいった理由が よく分かり、納得できる...

非哲学者のソクラテスの対話集。 軍人であるクセノフォンが書いたため、 プラトンの物とは違い、実話に近いと思われ、 対話の内容は実生活や生き方に関するものが多い。 友情や正義を重んじた彼の生き方が伝わってくる。 そして最期に彼が法を守り死んでいった理由が よく分かり、納得できる。 現在は絶版になってしまっているのが残念。 是非とも新訳で復活させて欲しいところ。

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2017/12/03

読後感想ですが、 本書の最初にある解説が、ソクラテスと孔子を比較する、という、いささか、「グローバル」な視点で、正直、違和感を私は感じた。 ソクラテスと中国の道徳哲学者と同じようなことを言っている、という最初の解説は、そんな見方もあるのか、と少し、私は驚いた。 ソクラテスの...

読後感想ですが、 本書の最初にある解説が、ソクラテスと孔子を比較する、という、いささか、「グローバル」な視点で、正直、違和感を私は感じた。 ソクラテスと中国の道徳哲学者と同じようなことを言っている、という最初の解説は、そんな見方もあるのか、と少し、私は驚いた。 ソクラテスの時代は、男同士の口と口を重ねあわせるのも、友情に含まれていたのだ。 戦士であることが、ポリス民主制の基本的な人格的美質であることが、私は理解した。 アテナイは、戦士国家だったのだ。 ソクラテスは体制を維持せんと努めるべく奮闘する人物にしか見えない。 ソクラテスは、民王と呼ばれる時期に活躍した哲学者ということは、本書で理解できた。 ネットで民王を検索すると、池井戸潤の小説タイトルが上がる。 民王とは、王でも、貴族でもなく、民主制でもない、貴族寡頭政治に対する民衆の不満を利用した豪族が新政権を樹立するそんな時期にソクラテスは生きた。 いわば、クーデター時期の不安定な時代をソクラテスは、真理の確立を目指した。 ということは、ソクラテスの処刑とは、このクーデター時期の、つまりはかつて失われた君主制を取り戻したいソクラテスが「倫理」として示した思想が、民王政治に触れたということでもある。 ソクラテスにとっての正しき道とは、本書でソクラテスが述べているように、人として善き人になるということだが、それは「王」のことなのだ。

Posted by ブクログ

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