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モンマルトルの空の月 中公文庫
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モンマルトルの空の月 中公文庫

中川一政(著者)

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モンマルトルの空の月 中公文庫

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 中央公論新社
発売年月日 1988/01/01
JAN 9784122014879

モンマルトルの空の月

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商品レビュー

4.5

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2022/07/09

大家 中川一政さんが 六十歳になって はじめてヨーロッパへ 行かれた ー私は歩くのと見るのとで一杯で  どこにも手紙を書くことができなかった  書き出せば長く書かねばならず、  通り一編では気が済まず。  それでこの通信(本書)を書いたのです。 絵描きであるがゆえの視点 絵...

大家 中川一政さんが 六十歳になって はじめてヨーロッパへ 行かれた ー私は歩くのと見るのとで一杯で  どこにも手紙を書くことができなかった  書き出せば長く書かねばならず、  通り一編では気が済まず。  それでこの通信(本書)を書いたのです。 絵描きであるがゆえの視点 絵描きであるがゆえの感性 絵描きであるがゆえの思い ー西洋美術の底を見た。  私は西洋へ行っても、画をかくひまがなかった。  若い時でなく、東洋を見てから西洋をみたのは  大変良かったと思う いちいち面白くて 中川画伯と一緒にパリの石畳みを 歩いているような心地にさせられてしまう ー穴のあくほど見るというが、  実際見ているうちに穴のあいてしまう画がある。  しかし穴のあかない画というものがある。  その前に立つとき、  私は稽古をつけられる相撲のようである。  毎日疲れて帰って来、  翌朝また元気に出かけていく。 「絵描き」とは凄まじいものである。

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2009/11/25

(2009.11.25読了) この本は、1953年11月から1954年4月まで、欧州へ行った紀行文である。(253頁) アメリカも見たかったが査証が貰えず、ブラジルに渡り、フランス、イタリア、イギリスを歩いて来た。(8頁) 今度の旅行で一番大きな感銘を受けたところはイタリアである...

(2009.11.25読了) この本は、1953年11月から1954年4月まで、欧州へ行った紀行文である。(253頁) アメリカも見たかったが査証が貰えず、ブラジルに渡り、フランス、イタリア、イギリスを歩いて来た。(8頁) 今度の旅行で一番大きな感銘を受けたところはイタリアである。 トルチェルロのモザイクでもエトルスクでも、サンタ・カルミーナのマザッチオでも、サン・マルコのフラ・アンジェリコでも、その土地その建築が古のままで見られるからである。(10頁) ●パリ(82頁) パリの冬はいいと岡鹿之助がいっていたが、実際にしんみりしたいい冬を見るものでる。 美術館は案内されて一通り見た。ルーヴル、印象派、近代、ギメー、クリュニー、モニュマン等を見た。 ●パリからローマへ(97頁) パリ・ローマ間3時間で行けると思うのが素人である。 まず19時40分発の飛行機に乗るのに宿を17時に出た。それから飛行場へバスで送られた。待合室で夕食を与えられ、葡萄酒が出、シャンペンが出た。出発が遅れるということで、1時間2時間と経ち、24時になって今夜は寒さのため、翼が凍って飛ぶことができないと言われた。 乗客は皆バスで飛行機会社まで送り返され、深夜にそこで突き放された。 人も通らぬコンコルドの広場の名物のガス灯が瞬く下を、タクシーの中で私たちは荷物を抱え前こごみになってホテルへ帰らねばならなかった。 翌朝10時に来いと言うので寝ている隙もなかった。プロペラが回り1時に出発した。 ●ローマ(117頁) 私はいろいろ書くけれども、ローマに対する知識は「クオ・ヴァディス」と「即興詩人」、「自転車泥棒」と「終着駅」との以上を出ない。 ローマ駅は「終着駅」の一齣に出ていた。古代城壁の残骸を駅前に保存しながら、総ガラスの近代建築である。 往来の人を眺めると、パリから来た眼には服装も人相もがたと落ちる。イタリア・リアリズムなのである。 ●道を聞く(172頁) 不思議なことにこの旅行に彼(長谷川路可)は一つの道を聞くのに三人に聞くのである。彼はイタリア人は嘘でも教えた方が親切だと思っているから、三人聞いて二人の言うことがあえば、まあ間違いがない道だと路可は言うのである。三人聞いて三人嘘を言ったらおしまいだ。 ●テート・ギャラリー(226頁) ロンドンに来てよかったと思う事の一つ。ここに来てパリで物足らなかった、セザンヌ、ゴーガン、ルノアール、ユトリロ、モジリアニの優品を見たこと。 ●パリの立ち話(242頁) スタンドで役所帰りの男たちが立ち飲みして話している。見ると股のところへ鞄を挟んでいる。話が弾んで、手振り身振りするに鞄が邪魔になるのだろう。あいつらは手を使わないと話ができないのだ、と青山(義雄)がいった。 著者 中川一政(なかがわかずまさ) 1893年2月14日、東京・本郷に生まれる 錦城中学校卒業錦城中学校卒業 油絵を独習 1915年、岸田劉生と知り合い、巽画会に出品して二等賞を受賞 草土社の結成に際し同人となる 1921年、『静物』で二科賞を受賞 1922年、春陽会の創立に参加 1933年~尾崎士郎の『人生劇場』の新聞挿絵担当 新文展(1936年~1944年)の審査員を務めた 1949年、神奈川県真鶴町にアトリエを構える 1953~54年、南米とヨーロッパ各国を巡遊 のち中国、ヨーロッパへたびたび旅行する 1975年、文化勲章を受章 1986年、白山市立松任中川一政記念美術館が開館 1989年3月、真鶴町に真鶴町立中川一政美術館が開館 1991年2月5日、死去、97歳 代表作『監獄の横』(1917)、『少年像』(1942) (2009年12月11日・記)

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