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SとM 幻冬舎新書
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 幻冬舎 |
発売年月日 | 2008/03/30 |
JAN | 9784344980730 |
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商品レビュー
3.8
18件のお客様レビュー
日本人の気質と西洋人の気質の違いに納得した。それによって色々な論理の瑕疵などにも気づけた。 また日本人の世界観がひとつ明らかになった。人身御供や人柱があったのは森的だったからなのだろうなと。同時に人類学にでてくる交換や贈与の話も、森の人なら海に出られるのではと思った。砂漠の人は人...
日本人の気質と西洋人の気質の違いに納得した。それによって色々な論理の瑕疵などにも気づけた。 また日本人の世界観がひとつ明らかになった。人身御供や人柱があったのは森的だったからなのだろうなと。同時に人類学にでてくる交換や贈与の話も、森の人なら海に出られるのではと思った。砂漠の人は人間をコントロールすることになるのだろうと。
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なぜ「ですます」調なのかと思ったら、語り下ろしなのだった。 「あらゆる対人関係は畢竟SMではないか」 「罪の文化と恥の文化は、そのまま彼我のSM観と照応している」 上記二つは以前から私の考えていたこと。 フランス文学や文化を知悉し、下情にも通じた鹿島先生ならではの視点で、そ...
なぜ「ですます」調なのかと思ったら、語り下ろしなのだった。 「あらゆる対人関係は畢竟SMではないか」 「罪の文化と恥の文化は、そのまま彼我のSM観と照応している」 上記二つは以前から私の考えていたこと。 フランス文学や文化を知悉し、下情にも通じた鹿島先生ならではの視点で、その考えが補強された。メルシー。
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文明史の視点からSMの成立を考察している本です。 キリスト教の教父たちは北ヨーロッパに布教する際に、サクリファイス(供犠)をおこなうケルト人の信仰にあわせて、キリストの磔刑を利用しました。これは、ゴシック建築が北ヨーロッパの聖なる森の代用として作られたのと同様だと著者はいいます...
文明史の視点からSMの成立を考察している本です。 キリスト教の教父たちは北ヨーロッパに布教する際に、サクリファイス(供犠)をおこなうケルト人の信仰にあわせて、キリストの磔刑を利用しました。これは、ゴシック建築が北ヨーロッパの聖なる森の代用として作られたのと同様だと著者はいいます。こうして、キリスト教の宗教感情の中核に「苦悩」が位置づけられることになります。つまり、精神的・肉体的な苦しみを介さなければ神に近づくことができないということが、教義の根本とされるに至ったのです。 ところが近代に入ると、こうした「苦悩する人間」に対する神の座を、人間自身が占めるようになります。サドの小説の登場は、「近代の目覚め」だと著者は指摘しています。このような意味で、「キリスト教が人間の自由を束縛している」という近代的な自我の確立と、「アンチ・クリストは自由を束縛するくびきを断ち切る」というサドの宣言は等しい意味をもっています。 さらに著者は、中世から近代を経て、それ以後に至るまでの歴史を、「自我」というパイの配分というたとえを用いて説明します。つまり、リビドーの備給が神から自我へ向かうことになり、さらにそのリビドーを他者と分かちあうことで民主主義が成立したのです。こうした歴史的経緯とかさなる仕方でマゾヒズムが成立したと著者は主張します。それは、自我に備給されていたリビドーを他者に振り向けるということであり、「支配している相手に支配されること」を意味します。こうして著者は、M願望は本質的に自己本位だと結論づけます。 このほか、皮と鞭を用いる西洋のSMが「苦痛」を求めるのに対して、縄を用いる日本のSMは「自由の拘束」を求めるという、比較文化的な考察もなされています。
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