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肉食の思想
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 中央公論新社 |
発売年月日 | 1966/01/25 |
JAN | 9784121000927 |
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肉食の思想
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肉食の思想
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商品レビュー
3.8
30件のお客様レビュー
ヨーロッパの考え方の基礎であるキリスト教の考え方は、実は肉食が深く関わっていることに驚いた。とくに、そのメカニズムが腑に落ちたのが印象的だ。古くから畜産系の動物が適応しやすい環境だったからこそ、動物の生々しさを目の当たりににすることがおおく、それゆえキリスト教の動物と人間は別にす...
ヨーロッパの考え方の基礎であるキリスト教の考え方は、実は肉食が深く関わっていることに驚いた。とくに、そのメカニズムが腑に落ちたのが印象的だ。古くから畜産系の動物が適応しやすい環境だったからこそ、動物の生々しさを目の当たりににすることがおおく、それゆえキリスト教の動物と人間は別にするという考え方に繋がっている。聖書なんて誰かが作った作り話(絶対怒られる。。)だと思っていたけど、それがほぼ全世界の人に親しまれているということは、それなりに辻褄が合うということを知れた。 ヨーロッパ的な考え方は実は排他的?という記述も心に残った。 キリスト教が日本にあまり布教しない理由も、そういった誹謗する姿勢が見えていたり、国教でmlないのにキリスト教の考え方が国の法律に反映されていたりと、私の知らないキリスト教についても知れた。 多分もう一回読んだら全体的にに理解できると思う。
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日本では義務教育は金持ちの子も貧乏人の子もみな同じ小学校に通うものだった。明治の時代から、金持ちの子と貧乏人の子が机を並べて初等教育を受けてきた。しかし、欧州では義務教育とは、放っておけば文盲のまま一生を終わりかねない下層階級の子のために無償の初等教育機関を作ってやり、そこへの就...
日本では義務教育は金持ちの子も貧乏人の子もみな同じ小学校に通うものだった。明治の時代から、金持ちの子と貧乏人の子が机を並べて初等教育を受けてきた。しかし、欧州では義務教育とは、放っておけば文盲のまま一生を終わりかねない下層階級の子のために無償の初等教育機関を作ってやり、そこへの就学を強制することを意味した。欧州では上層階級の子は、パブリックスクール(英)・リセ(仏)・ギムナジウム(独)に通い、貧乏人と机を並べることはなかった。p.101 日本では才能と努力で水兵が将校に昇進できたが、欧米では将校は上層階級に独占され、下層階級は兵隊どまりと相場が決まっていた。p.169 欧州において、自由と平等は伝統的な階層意識とそれに反発する(下層階級の)個人意識との対立をやわらげる解毒剤であった。自由と平等はあくまで大義名分でありフィクションにすぎなかった。自由と平等の建前の裏には、伝統的な階層意識が形を変えて存続していた。しかし、自由と平等が日本に持ち込まれると、ただでさえ薄かった階層意識は踏みつぶされ、良きにつけ悪しきにつけ、フィクションが実体化されていった。p.172
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ヨーロッパの肉食文化の基底にある風土の違いから日本と西欧の思想の違いを論じる。西洋の見方を克服し、あくまで「日本の尺度」で西欧を論じたいのが執筆の動機らしい。 日本の肉食は食が洋風化したとはいえ、所詮はままごとレベルであると、筆者は断じる。1960年代の本だが、主食・副菜の考え方...
ヨーロッパの肉食文化の基底にある風土の違いから日本と西欧の思想の違いを論じる。西洋の見方を克服し、あくまで「日本の尺度」で西欧を論じたいのが執筆の動機らしい。 日本の肉食は食が洋風化したとはいえ、所詮はままごとレベルであると、筆者は断じる。1960年代の本だが、主食・副菜の考え方を見れば、日本の食卓が完全には西洋と同じになっていないのは現代でも妥当するだろう。 食文化の違いは、穀物生産力や家畜の飼育に適した環境によって左右されたとする。すなわち、日本は穀物生産力が高い一方で、家畜を放牧するのに適した草木が自生する土壌にないが、西欧は穀物生産力が低い一方で家畜の放牧に適していた。屠畜が身近であったヨーロッパでは、人間と動物を峻別する必要があり、結果的に人間中心的なキリスト教が根付くことになる。また、他者を区別する感情は階級意識にも波及し、他宗派への不寛容や公衆道徳といった社会意識にも作用する。 最後に近代の自由・平等といった輸出可能な思想は、土着の伝統的な思想に対するアンチテーゼであったとする。多数決原理による民主主義は、個人・社会・階層意識のバランスの上で成り立った。 論理展開が明快で腑に落ちるところが多かったが、独自研究の様相を呈しているようにも思えたので、評価は⭐︎3つとした。
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