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昭和史発掘(13) 文春文庫
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昭和史発掘(13) 文春文庫

松本清張(著者)

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昭和史発掘(13) 文春文庫

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 文藝春秋
発売年月日 1979/01/09
JAN 9784167106430

昭和史発掘(13)

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2017/01/01
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1979年(底本1972年)刊。12巻を飛ばしてしまった。  「判決」「終章」の2つで遂に本シリーズは終幕。  前者は、相沢公判と輻輳させつつ青年将校の死刑判決への経緯を、後者は、当時の政治情勢と陸軍の思惑を踏まえて真崎甚三郎無罪判決の経緯を論じる。  印象深いのは、①二二六事件が、末端兵の安全・安心への疑念を一般民衆とその家族に、またかかる疑念を生ぜしめた青年将校への憤激をもたらした。  結果、徴兵忌避に対する陸軍の真摯な懸念を招来(→在郷軍人らによる締付け・宣伝強化を招来したはず)点。  ②天皇が真崎無罪判決を熟読。のみならず、判決書を手元に収めたという前例のない事態である。  天皇がどのような感想を持ったかは書かれず判らないものの、影響の大なることを想起せずにはいられない挿話である。  一方で、著者は終章にて北一輝論と青年将校運動への意見を開陳しつつ、二二六事件を総括している。  なるほどと感じることが大半だが、斎藤隆夫の「粛軍演説」(後の自らの議員除名を来した「反軍演説」とは違う)を評価しているのは解せない。つまり、武(銃砲刀剣)を自分の目的を達成するために私したのに、青年将校の心根は真摯だったことを是認する点だ。  さて、シリーズ全体の印象として、確かに二二六事件への偏りは否めないが、広範な資料収集と解読、そして豊富な引用と丁寧な叙述に全体が溢れている。  戦前共産主義運動の壊滅を論じた秀作「日本共産党の研究」(立花隆著)に負けず劣らず、右派・青年将校による、下からの政治運動とその挫折・壊滅を論じた優れた著作。  そして、それを支えたのが「面白くないことを承知で史料をもって語らせるようにして、筆が恣意な叙述や『描写』にわたることを避けた」という姿勢だ。  なお、北一輝の著作につき、著者は引用元の未開示、種々の述作の継ぎ接ぎで出来たと評している。北へのこの批判が著者の自負を感じさせる文句なのだろう。  ホント最近のノンフィクション作家からは到底感じることのできない面白さに、いやぁ堪能させていただきました。

Posted by ブクログ

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